「大山の千枚田」。房総半島南端の鴨川山中にあり、“東京に一番近い棚田”と看板に書いてありました。
外房・鴨川から内房鋸南町(鋸山の南)の保田港とを結び、房総半島南部を横切るように通っている山道・長狭街道を脇にそれ、クネクネ道を上がっていくと急に視界が広がり、斜面に写真のような段々畑が目に入ります。
ちょうど稲穂が段々と重くなってきた頃で、暖かな南房総では稲刈りも始まっていました。面白いと思ったのは、刈り取った稲穂を天日で干す様子が、ここだけでなくあちこちで見られたことです。当然手間のかかる昔ながらの方法ですが、こちらの方が機械乾燥よりも圧倒的に美味しいと言います。故郷新潟では子供の頃見た記憶がありますが今ではあまり見られなくなったようです。最近の原油バブルの煽りで燃料費のかかる機械乾燥よりもこちらの方が良いとなったのかとも思いましたが、まぁそれは無いでしょうね。
この辺では長狭米(ながさまい)という美味しいお米がとれるそうで、棚田をはじめその近辺の水田や流れている川のキレイさを見れば、なるほどと思います。そういえば近くには酒蔵もありました。そもそも、房総半島はなだらかな山が連なっていて山にはスダジイやマテバシイといったブナ科の常緑広葉樹(ドングリのなる木)が海の間近まで茂っているため、たいへん水が豊かでキレイなところなのです。
この大山の棚田は「大山千枚田保存会」なるNPO法人が運営しており十年以上前から活動しているそうです。都市住民を保存会会員や棚田オーナーとして公募したり、棚田以外にも豆腐づくりや味噌づくりなどをしたりと、ユニークかつ多彩な活動をしていることに加え、文化庁の文化的景観の保存・活用事業の対象地域になっているとのこと。
東京から一番近いかどうかはともかく、近くまで行く機会がありましたら、ついでに寄ってみるのも良いと思います。わざわざこれを目的に行くまでもないように思いますが、房総好きの千葉県民としてはお気に入りの場所です。
世界にはフィリピン・ルソン島や中国の元陽、ヒマラヤ山中など大規模な棚田がいろいろあり、実際私もいくつか行きました。その規模や迫力、斜面の急傾斜などは圧倒されるほどで比べ物になりませんが、日本の棚田はその繊細さと風景との調和という意味で勝っていると私は思います。もっとも山国ニッポンでは国土の至る所にナントカ千枚田と称するか如何にかかわらず棚田がいっぱいあったのですから、極めて日本的な風景の一つである訳で、当然と言えば当然でしょうか。
内藤でした。
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外房・鴨川から内房鋸南町(鋸山の南)の保田港とを結び、房総半島南部を横切るように通っている山道・長狭街道を脇にそれ、クネクネ道を上がっていくと急に視界が広がり、斜面に写真のような段々畑が目に入ります。
ちょうど稲穂が段々と重くなってきた頃で、暖かな南房総では稲刈りも始まっていました。面白いと思ったのは、刈り取った稲穂を天日で干す様子が、ここだけでなくあちこちで見られたことです。当然手間のかかる昔ながらの方法ですが、こちらの方が機械乾燥よりも圧倒的に美味しいと言います。故郷新潟では子供の頃見た記憶がありますが今ではあまり見られなくなったようです。最近の原油バブルの煽りで燃料費のかかる機械乾燥よりもこちらの方が良いとなったのかとも思いましたが、まぁそれは無いでしょうね。
この辺では長狭米(ながさまい)という美味しいお米がとれるそうで、棚田をはじめその近辺の水田や流れている川のキレイさを見れば、なるほどと思います。そういえば近くには酒蔵もありました。そもそも、房総半島はなだらかな山が連なっていて山にはスダジイやマテバシイといったブナ科の常緑広葉樹(ドングリのなる木)が海の間近まで茂っているため、たいへん水が豊かでキレイなところなのです。
この大山の棚田は「大山千枚田保存会」なるNPO法人が運営しており十年以上前から活動しているそうです。都市住民を保存会会員や棚田オーナーとして公募したり、棚田以外にも豆腐づくりや味噌づくりなどをしたりと、ユニークかつ多彩な活動をしていることに加え、文化庁の文化的景観の保存・活用事業の対象地域になっているとのこと。
東京から一番近いかどうかはともかく、近くまで行く機会がありましたら、ついでに寄ってみるのも良いと思います。わざわざこれを目的に行くまでもないように思いますが、房総好きの千葉県民としてはお気に入りの場所です。
世界にはフィリピン・ルソン島や中国の元陽、ヒマラヤ山中など大規模な棚田がいろいろあり、実際私もいくつか行きました。その規模や迫力、斜面の急傾斜などは圧倒されるほどで比べ物になりませんが、日本の棚田はその繊細さと風景との調和という意味で勝っていると私は思います。もっとも山国ニッポンでは国土の至る所にナントカ千枚田と称するか如何にかかわらず棚田がいっぱいあったのですから、極めて日本的な風景の一つである訳で、当然と言えば当然でしょうか。
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