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治療ワクチンー乳癌NeuVax、子宮頸癌Lovaxin C

2008-04-17 | 癌全般
乳癌に対するワクチンNeuVaxが、リンパ節転移のある低~高値でHer2を発現している患者に投与され、30ヶ月の経過観察の結果、投与された全患者において免疫反応の上昇が見られ、死亡率が半減、Her2低発現の患者では死亡は皆無であった。AACR年次総会でブルックアーミー医療センターから発表された。Her2低発現の患者では再発率は10.7%、対照群では18.2%であった。小規模試験であったため、有意差はなかった。今後第3相試験に臨みたいとしている。
最も有効であったのは、低、中レベルのHer2発現患者であった。高レベルのHer2陽性乳癌にはハーセプチンがあるが、低レベルの患者にはその選択肢がないため有用となりうる。また、目立った副作用はなく、インフルエンザワクチン様であったとのこと。
但し、低レベルの患者で予後がよかったのは、果たしてワクチンのためか本来予後がよいことによるかは判別しがたい。
ロイター、ワシントンポスト、WebMD他
サイト関連記事日本語訳

    
子宮頸癌ワクチン 同様に免疫反応を刺激して治療するワクチンLovaxin Cでは、様々な治療が奏効しなかったエンドステージの患者16人に投与されたうち、腫瘍サイズが評価された患者の13人中8人で腫瘍が縮小したり進行が止まった。さらに重要なことに、生存期間を延長していると見られる。「通常末期の患者の余命は6ヶ月です。このワクチン投与患者のうち6人は15ヶ月~18ヶ月経過後の現在でも生存しています」副作用は、発熱、吐き気などインフルエンザ様症状にとどまり、鎮痛剤や制吐剤で対応可能である。
頭頸部癌や初期子宮頸癌で試験が計画されており、乳癌や前立腺癌ほかのあらゆる癌で使用が可能であるとみられる。WebMD原文

追記:Lovaxin Cは初の生きたリステリア菌を用いた癌ワクチンである。ヒトには安全で、子宮頸癌の患者に約20%の腫瘍縮小がみられた。ESMO

追記:
日経がんナビ肺癌ワクチンMAGE-A3 ASCI 記事
前立腺癌 イピリムマブ/GVAX、 GVAX記事


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