12月28日、サリドマイドの類似薬Revlimid(lenalidmide)が第5染色体異常(deletion 5q cytogenetic abnormality)をもつ骨髄異形成症候群(MDS)治療に承認された。MDSは骨髄の機能異常で、患者は頻回の輸血を必要とするが、Revlimidによって輸血の必要性が減少、輸血をしない期間の平均は44週であった。サリドマイド様の催奇形性と血栓のリスクがあ . . . 本文を読む
サン・アントニオ乳癌シンポジウムから。
【Her2と脳転移】
Her2の過剰発現した乳癌は、そうでない乳癌に比べて2倍脳転移リスクが高い。100人の脳転移がみられた女性のうち60人を評価、Her2陽性患者は57%(うちエストロゲン受容体陽性22%、陰性35%)であった。Her2陽性乳癌は乳癌全体のおよそ20~25%で、半数以上の患者が脳転移を発症していた。SABCS Abstract#4086
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癌の血管新生の父ジューダ・フォークマン氏によって開発されてきたエンドスタチンは米国臨床試験で成果が認められず、開発企業の財政難によって頓挫、中国の小さなベンチャー企業に権利が移った。(癌の情報Tips『アンジオスタチン、エンドスタチンの行方』「血管新生薬が癌増殖を止める」)
その後の経緯をWSJが取り上げている。
中国でその薬の開発を譲り受けた生化学者Dr.Luo氏はエンドスタチンを改良してさらに . . . 本文を読む
低悪性度のB細胞悪性腫瘍4人における経口緑茶抽出物の臨床効果
メイヨークリニック 2005年11月30日
緑茶、またはその成分は長い間がん予防効果があるかもしれないとの説を含め、健康増進物質であると謳われてきた。われわれは以前に緑茶ポリフェノールの1種EGCG(epigallocatechin gallate)が一般的なタイプの慢性リンパ性白血病(CLL)から採取した白血病B細胞においてアポトー . . . 本文を読む
免疫機能を刺激するインターフェロンは化学療法や放射線療法にあまり反応しないメラノーマや進行腎癌他に用いられるが、その重篤な副作用から使用が限られることがある。ところが、このインターフェロンに免疫賦活ホルモンであるインターロイキン-12(IL-12)を併用すると副作用が全くみられなくなることがJournal of Clinical Oncology12月1日号で発表された。IL-12が白血球に作用し . . . 本文を読む
進行腎細胞癌にFDAの新治療承認 12月20日
米国食品医薬品局(FDA)はバイエル社のNexavar (sorafenib)を最も多いタイプの腎臓癌である進行した腎細胞腺癌の成人患者の治療のための新抗癌剤として承認した。この適応においては十数年ぶりの承認薬である。
進行腎癌の患者における2つの試験で、Nexavarは腫瘍の進行や死亡までの期間を延長させた。大規模試験では、大半の患者が以前にインタ . . . 本文を読む
FDAがオーファンドラッグ、迅速承認プログラムに指定されていたArranonを稀な白血病およびリンパ腫の治療薬として承認 10/31
10月31日、Arranon (nelarabine)の米国内における市販承認を発表した。ArranonはT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)またはT-細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LBL)があり、少なくとも2種類の化学療法を行っても反応しなかった、また . . . 本文を読む
ジョンソンは手術と集中的放射線治療によって脳腫瘍治療を受けた。そして肩の腫瘍に化学療法を受けてから1年後難聴を発症した。「骨折とは異なり、癌を克服した生存者には数多くの後遺症が日々新たに発症し続ける。」と彼は言う。
オレゴンヘルス&サイエンス大学(Oregon Health & Science University(OHSU))の研究者らによると、このようなことは珍しくないという。Journal . . . 本文を読む
乳癌とエストロゲン
エストロゲン受容体陽性乳癌は女性ホルモンのエストロゲンに依存して生存する。そのためこのタイプの乳癌治療はタモキシフェン、Fulvestrant、アロマターゼ阻害剤などの投与によってエストロゲンを阻害させると癌細胞はアポトーシスを起こし自ら死滅する。エストロゲン陽性乳癌にはこのホルモン療法が非常に効力を発揮するが、時間とともに、癌細胞は適応し、ホルモン療法が効かなくなる。Fox . . . 本文を読む
11月17日中国の食品医薬品局がアデノウィルスH101(Shanghai Sunway Biotech Co.社)を進行したステージの鼻咽頭癌治療に承認した。H101は、E1B-55kD遺伝子を除去した組み換えタイプ5アデノウィルスで、腫瘍に直接投与する。正常細胞には影響をきたさず、選択的にp53遺伝子変異のある腫瘍細胞を複製、溶解する。H101は中国での第3相多施設ランダム化試験で、フルオロウラ . . . 本文を読む