がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

進行乳癌ドセタキセルがパクリタキセルに優る

2005-09-30 | 乳癌
J Clin Oncol 2005;24:5542-5551によると、オープンラベル試験で、3週間毎ドセタキセル(タキソテール)100mg/㎡(中央値6サイクル)とパクリタキセル(タキソール)175mg/㎡(中央値4サイクル)にランダムに分けられた。両群とも、治療の終了の主な理由は病気の進行であったが、パクリタキセル75%に比べドセタキセル患者は47%と有意に少なかった。ITT解析によると、ドセタ . . . 本文を読む

骨転移ビスフォスフォネート剤-ある患者さんより

2005-09-26 | 骨転移
骨転移の治療に用いられるビスフォスフォネート剤について、ご本人の承諾を得てアメリカの乳癌の患者さんからのメッセージを紹介します。アレディア、ゾメタを投与中の方は、是非お読みになってください。 10月21日全文再掲 はじめに、ビスフォスフォネートをご存知でない方に説明します。おそらく何十種類のビスフォスフォネート剤(BP剤)があると思います。経口で毎日服用のもの、3、4週 . . . 本文を読む

Habib 4X肝臓癌切除に出血しない新手法

2005-09-20 | 肝臓癌
Habib 4Xは、高周波エネルギーを用いて腫瘍周囲の組織を「シール」する方法で、出血量を最小限に切除が可能となる。インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)で考案された肝臓腫瘍を切除する新しい方法である。Habib 4Xは、4つの電極を腫瘍周辺組織にあて、高エネルギー電磁波で組織を熱により脱水、封印(シール)するため、出血なく腫瘍を摘出できるというもの。肝 . . . 本文を読む

温熱療法+未熟な樹状細胞注入

2005-09-17 | 癌全般
International Journal of Cancer9月10日号で名古屋大学の研究によると、未熟な樹上細胞(免疫細胞)を腫瘍に直接注入することによって、温熱療法の効果を上げることがマウスのメラノーマ細胞実験で確認された。未熟な樹上細胞が、熱によって成熟するためである。温熱療法のみを施されたマウスのメラノーマ細胞は進行を続け、未熟な樹状細胞注入のみを施した細胞は10匹のうち2匹が腫瘍成長が . . . 本文を読む

子宮頸癌治療に【温熱療法】 【トポテカン】

2005-09-15 | 卵巣癌、子宮癌
従来の子宮頸癌治療化学療法(シスプラチン)+放射線療法に温熱療法を加えることで奏効率が著しく上がったことが報告された。オランダ、ノルウェーと米国のデューク大学が68名のステージⅡB以上の患者に、外部照射(小線源3例)、シスプラチン4クールに温熱療法(骨盤へ直接の電磁波)4コース追加したところ、68人中61人で癌が消失した。2年後49人(72%)が再発なしであった。追加の副作用もみられなかった。Am . . . 本文を読む

NCI天然物部門-抗癌剤の発掘-

2005-09-11 | トピック
米国国立癌研究所(NCI)は、抗癌剤のもととなる物質を求めて世界中から天然物質を収集し、貯蔵、調査を続けている。参考:海外癌医療情報リファレンス-NCIナチュラル・プロダクツ・ブランチ      巨大なNCIの冷凍貯蔵庫には、画期的な抗癌剤になりうる可能性を秘めた木の皮、菌類、海洋生物などの抽出物に200,000種類ものバーコードが割り付けられている。次のタキソール(イチイの木の皮から作られた) . . . 本文を読む

癌における貧血(低ヘモグロビン)、腫瘍の低酸素環境(Hypoxemia)

2005-09-09 | 癌全般
癌患者のおよそ40~64%が癌治療前の時点で貧血を発症し、化学療法、放射線療法、前立腺癌のホルモン療法後にはこの率は上昇する。貧血は、低酸素症、血管新生、治療への抵抗性を引き起こすことが考えられ、診断時(治療前)の貧血は癌の予後不良因子であるとみられる。貧血の原因として考えられるのは、出血、栄養不良、脊髄障害、脊髄への腫瘍の浸潤、癌の進行などである。このリビューPMID: 16111569 Ane . . . 本文を読む

癌と血糖値の研究

2005-09-07 | 癌全般
2005年1月JAMA掲載のジョンズ・ホプキンスBloomberg School of Public HealthとソウルのYonsei Universityの研究。 120万人の韓国人を10年間追跡調査した結果、糖尿病であるなしに関わらず、空腹時血糖値が高い人々は癌に罹患、または癌によって死亡する率が高い。糖尿病でない人々では、空腹時血糖値が高いほど癌リスクが高かった。これまでも、糖尿病、または . . . 本文を読む

前立腺癌CalcitriolとNSAIDS

2005-09-05 | 前立腺癌
Cancer Research2005年9月号のスタンフォード大の発表によると、calcitriol(活性化ビタミンD)とNSAIDs(非ステロイド系抗炎症剤)が前立腺癌細胞の成長を減少させることがわかった。プロスタグランジンは癌成長と関連があるとされる炎症を起こすホルモンで、両者ともプロスタグランジンの生産を抑制することがわかっている。当初NSAIDsのなかでもプロスタグランジンをターゲットとし . . . 本文を読む