がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

運動によって腫瘍の増殖が加速

2008-04-14 | 癌全般
 デューク総合がんセンターによる前立腺癌移植マウスの実験で、運動したマウスの腫瘍は増殖が早くなることが示されたことが2008年4月AACR年次総会ポスターセッションで発表された。このことは、腫瘍への血液供給が盛んになるためと推測される。
研究者は、皮下に前立腺腫瘍を植付けた50匹のネズミを、半数は檻の中に運動ホイールのあるケージに、半分はないケージに入れ、 同じ食事をすべてのネズミに与えた。 平均的に、運動しているネズミは毎日、0.5マイル以上走った。自発的に運動する機会を持っていたネズミでは、そうでないマウスより2倍速く腫瘍が増殖した。

研究者や臨床医らは、化学療法と放射線を腫瘍に送達させるのが困難な理由が血流が乏しいことであるかもしれないとわかっているので、この知見は腫瘍への血流を改良する方法のヒントであるかもしれないとみられる。
「私たちは、運動を化学療法、ホルモン療法または放射線などの治療と併せることができるかどうか検討しています。このことは次の研究課題となるでしょう。」と、研究者は述べる。また、癌を悪化させることへのおそれから「運動すべきでない」と解釈しないように警告する。

「これらのネズミは治療を受けていたわけではない。また、運動の恩恵によって心臓血管健康、2型糖尿病、肥満、および他の多くの慢性の条件への明白な効果をもつ。これは、QOLを調べるよりむしろ腫瘍自体への運動の生理的影響を調べる最初の研究の1つである。」
デューク大学記事


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やっぱりNOに帰結・・? (ku_md_phd)
2008-04-16 18:16:05
注:NOは一酸化窒素

細胞が休止期になってしまうと、せっかくの放射線、化学療法の効果が期待できないので色々な手段を考えるのですね。

前回の絶食で正常細胞を休止期に追い込んでおいて、腫瘍細胞は運動で逆に活動性を上昇させれば完璧か。運動はじっさいには辛いから、NOを使って血流を増やす方が現実的でしょうか。

ちょっとした工夫が、今までの治療を何倍にも安全に、効果的にしてくれるならすばらしいことです。こういう発想が出来るって良いなあ。
返信する
さまざまなアプローチが発見されますね ()
2008-04-17 09:27:29
確立されるのはまだまだ後でしょうけれど、治療はもっと効果的に、副作用少なく施行できる日が来るのでしょう。

癌の治療には血流は不可欠なようですね。
返信する

コメントを投稿