がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

EGFR阻害剤はKRAS変異のある患者に無効

2007-12-28 | 癌全般
 大腸癌の治療薬パニツムマブ(Vectibics)、セツキシマブ(アービタックス)などのEGFR阻害剤はKRAS変異のある患者には奏効しないことが10月の欧州癌学会で報告された。これらの薬剤はモノクロナール抗体薬であり、高価な薬であるが、KRAS変異を持つ患者での奏効はゼロであった。(Khambata-Ford S et al. J Clin Oncol. 2007;25:3230-3237) 肺 . . . 本文を読む

アントラサイクリン乳癌治療は廃棄されるべき

2007-12-26 | 乳癌
 主にドキソルビシン(アドレアマイシン)アントラサイクリン系薬剤は、長く乳癌治療の主流であったが、前向き、後ろ向き両データでHER2受容体およびポイソメラーゼIIa遺伝子(Topo IIa)陽性患者にのみ有効であると、今回サンアントニオ乳癌学会でUCLAのSlamon医師が発表した。しかも、アントラサイクリン系術後療法は、HER2受容体を標的にした治療を受けていない患者に対する治療であるべきである . . . 本文を読む

転移性乳癌、治癒の可能性:アブラキサン+アバスチン(SABCS)

2007-12-20 | 乳癌
2007年12月サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)より  乳癌の治癒の希望を与えるマウスの研究結果(abstract 74:サザンイリノイ大学医学部)転移性乳癌を移植しリンパ節と肺転移をさせたマウスにベバシズマブ単独、アブラキサン〔nabパクリタキセル〕単独、両剤併用治療を移植後18~25日のあいだ行った。 (1)アバスチン単独および生理食塩水治療のマウスでは原発腫瘍は即座に増大した。 . . . 本文を読む

ASH報告ボスチニブ他(M.D.アンダーソン記事)

2007-12-18 | 血液、リンパ腫etc
M.D.アンダーソンがんセンターニュース(日本語サイト)より2007年12月ASH(米国血液腫瘍学会総会)報告  ダサチニブとニロチニブが慢性骨髄性白血病(CML)の第一選択薬として初期臨床試験で大きな可能性を示す(日本語)  第1選択治療に抵抗性になったCML患者の治療にボスチニブが有効で毒性が少ないと第2相試験で明らかになった。イマチニブ抵抗性になった評価可能な患者27人のうち、17人(7 . . . 本文を読む

ハーセプチン使用の議論―資金の最善の使途を考える

2007-12-10 | 癌全般
2006年1億ポンドを消費したハーセプチンの費用対効果に対し、英国NHSの放射線科専門医であるPeter Kirkbride医師が懸念を示した。彼はBBCラジオで、500人の患者に一人200,000ポンドが支援されたことに対し、その同じ金額を放射線治療にかければ劇的な効果をもたらしたであろうと述べている。  癌治療薬は派手な宣伝が行われているが、癌の治癒という観点でのコンセンサスからすれば、半数が . . . 本文を読む

一酸化炭素がドキソルビシンの副作用を軽減か

2007-12-08 | 癌全般
抗癌剤ドキソルビシン(DOX)の深刻な副作用である心臓障害を克服できるかもしれないことをデューク大学医療センターの研究者らが発表した。DOXは白血病や乳癌に対する治療薬で、心筋を弱らせ、線維症と呼ばれる瘢痕(傷)組織を形成することから、心臓に重篤な副作用を引き起こしうる。この影響は、正常な心臓機能に不可欠なミトコンドリア発生(mitochondrial biogenesis)を薬剤が阻害してしまう . . . 本文を読む

CTスキャン増加が癌リスクを上げるー特に小児に注意(NEJM)

2007-12-05 | スクリーニング
何百万のアメリカ人、特に子供たちが、不必要に受ける危険なスーパーX線(CT)検査被曝により癌リスクが増加、診断でのCT使用がさらに増加していることに対するコロンビア大学からの警告が、今週号のNew England Journal of Medicine誌(原文)に発表された。この20年間の米国における癌の2%もがCTスキャンによって引き起こされていると著者は述べている。特に小児は放射線の影響を受け . . . 本文を読む

ビスフォスフォネート服用中の患者さんの抜歯への注意

2007-12-02 | 骨転移
~転載依頼により掲載~ 「紹介:注意喚起①」ビスフォスフォネート服用中の骨粗鬆症の 患者さんの抜歯は、顎骨壊死&骨髄炎を起こす可能性が有る! 皆さんすでに良くご存知かと思いますが、ビスフォスフォネート系薬剤の危険性について注意喚起のメール①です。 ブログ紹介:「紹介」歯科と整形外科での、骨粗鬆症の患者さんに「ビスフォス フォネートと顎骨壊死の問題」 http://ubm46671.at.webr . . . 本文を読む

脳腫瘍のウィルス療法に血管新生阻害剤

2007-12-01 | 脳腫瘍
脳腫瘍で研究が進められている癌殺傷ウィルス療法であるが、免疫が素早く腫瘍細胞内に入り込んでそれらを排除しようとするため、その効果が制限されてしまうという問題がある。今回 Journal of the National Cancer Institute 誌にオハイオ州立大学によって発表された研究では、血管新生阻害剤をくわえることにより、免疫反応を遅らせてウィルスが癌を殺傷する時間を長く与える方法が試 . . . 本文を読む