がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

ハーセプチンに奏効しない乳癌に新薬 lapatinib

2005-06-29 | 乳癌
Her-2受容体をブロックするハーセプチン(trastuzumab)はHer-2陽性乳癌のファーストライン薬である。しかし、Her-2の過剰発現が見られる乳癌の中で3分の1がハーセプチンに反応しない。 Lapatinibは経口で試験中のHer-2とEGFRの2つの増殖因子を阻害する2重作用薬で、一つのターゲットのみの薬剤よりも大きな効果が期待される。ハーセプチンを含むいくつかの化学療法が奏効しなか . . . 本文を読む

ウィスコンシン州の新法-残った癌治療薬の譲渡可能に

2005-06-27 | トピック
1年ほど前の記事だが、こんな法律があるのをご存知だろうか。       2004年4月、ウィスコンシン州で、癌闘病に使用した医療具や治療薬を、患者の死後に病院、ホスピス、薬局そして患者家庭に寄付するのを許可する法律に知事が署名した。その名もNick's Law・・・20年間癌と闘って64歳で死去したNick Scavone氏に因んで設けられた。彼のモットーは'Never Give Up'、米国最 . . . 本文を読む

サリドマイド/デキサメタゾンが従来化学療法に優るとの結果

2005-06-25 | 血液、リンパ腫etc
2005年7月1日号Blood(American Society of Hematology)に、サリドマイド/デキサメタゾン(Thal-Dex)療法は、多発性骨髄腫において通常療法であるVAD療法(vincristine、アドリアマイシン、デキサメタゾン)に優るという結果が、イタリアのBologna大学の研究者らによって発表された。幹細胞移植を伴うサリドマイドと標準治療を比較した初めての大規模ス . . . 本文を読む

NSAIDsの心血管系リスクデータ

2005-06-22 | 癌全般
2005年6月15日、最新の非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)試験の結果、ほとんどのNSAIDsは心血管系リスクを上げることがわかった。また、専門家は低用量であれば問題はほぼないとみている。各薬剤のリスク上昇率は、インドメタシン (Indocin) 71%、sulindac (Clinoril) 41%、モービック37%、Vioxx(回収済み)32%、イブプロフェン11%(BMJでは24%)、セ . . . 本文を読む

Xeloda(カペシタビン)大腸癌術後化学療法にFDA承認

2005-06-20 | 大腸癌
2005年6月15日FDAはデュークスC大腸癌(ステージⅢリンパ転移あり)の術後療法にゼローダを承認した。これまでの術後標準治療である静注fluoropyrimidine療法(5-FU/LV)と比較し、新たなfluoropyrimidineの経口薬ゼローダが承認されたことによって、患者の利便性が大幅に改善され、医療費の削減にも貢献する。中枢となるX-ACT臨床試験によると、双方ともに延命効果は証明 . . . 本文を読む

Virulizin免疫療法IL-12を刺激

2005-06-18 | 膵臓癌
膵臓癌の治療薬として第3相臨床試験が始まった免疫療法薬Virulizin(Lorus Therapeutics Inc.)だが、6月7日ヨーロッパでもオーファンドラッグ認定を受けた。米国ではすでにオーファンドラッグ、ファストトラック、Special Protocol Assessment (SPA)指定を受けている。 Virulizinの作用機序が5月Cancer Immunologyで発表された . . . 本文を読む

化学療法、放射線療法後のChemobrain

2005-06-15 | 癌全般
化学療法治療後の患者はしばしば後遺症としてchemobrainに直面する。一般に、集中力の欠如、通常の日常生活が困難、物忘れ、思考の明瞭さの低下などがある。化学療法、放射線療法を受けた乳癌、卵巣癌の患者の99%がchemobrainを経験し、そのうち61%の患者が治療終了後長期にわたり倦怠感や記憶障害が続く。シンシナティ大学の研究者らは21施設における154人(90%が女性で、そのうち76%が乳癌 . . . 本文を読む

ノスカピン鎮咳剤の再発見

2005-06-13 | 癌全般
Cox-2阻害剤やスタチンなど現在医薬品として使用薬に抗癌作用が発見され研究されていますが、ノスカピンも有効な癌治療薬になりうる可能性があるようです。著者の承諾を得て一部紹介します。 古くから日本をはじめ、多くの国で使用されている鎮咳剤ノスカピンに近年抗癌作用が発見されている。ノスカピンは、非依存性のアヘン誘導体(ケシから作られる)である。モルヒネと併用することで相乗効果を . . . 本文を読む

癌の情報Tips(新)引越しました

2005-06-13 | 管理者より
このブログは、海外からの癌関連情報を翻訳、収集した『海外癌医療情報リファレンス』サイト付属『癌の情報Tips』(2004年10月~2005年6月分はそちらをご覧ください)からの継続です。『海外癌医療情報リファレンス』に未掲載または翻訳前の情報を紹介しています。更新は不定期です。 必ずしもご希望に添えるわけではありませんが、全文翻訳ご希望の記事がありましたら、コメントにてお知らせください。 記 . . . 本文を読む

イレッサの反応FISHテストが予測(ASCO報告)

2005-06-11 | 肺癌
米国では、先の化学療法に奏効しなかった11~18%に劇的な効果がみられるとされる非小細胞肺癌治療薬イレッサだが、その効果がFISH法(蛍光 in situ ハイブリダイゼーション)によって予測できるとJournal of NCI5月号で報告された。FISH法は(*管理者注:現在ハーセプチンへの反応テストとして用いられている)、遺伝子コピーの数、蛋白質発現、EGFR変異などが調べられる。Cancer . . . 本文を読む