がんの情報Tips

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安価で古い薬の問題-抗うつ剤クロミプラミンの脳腫瘍への適応

2008-04-25 | 脳腫瘍
1960年代から臨床に使用されている抗うつ薬クロミプラミン(clomipramine)が脳腫瘍患者の命を永らえさせるにもかかわらず、企業が安価な薬に投資しないため、ポーツマス大学の研究者がその薬をウィルスに載せて開発しようとしている。 この背景には長いストーリーがある。 標準的治療を受けた悪性脳腫瘍の患者の生存は12カ月とされるが、クロミプラミン投与を受けた患者の一部では、良好なQOLのもと7年 . . . 本文を読む

脳腫瘍のウィルス療法に血管新生阻害剤

2007-12-01 | 脳腫瘍
脳腫瘍で研究が進められている癌殺傷ウィルス療法であるが、免疫が素早く腫瘍細胞内に入り込んでそれらを排除しようとするため、その効果が制限されてしまうという問題がある。今回 Journal of the National Cancer Institute 誌にオハイオ州立大学によって発表された研究では、血管新生阻害剤をくわえることにより、免疫反応を遅らせてウィルスが癌を殺傷する時間を長く与える方法が試 . . . 本文を読む

脳腫瘍幹細胞に対するウィルス療法Delta-24-RGD

2007-09-18 | 脳腫瘍
放射線療法、化学療法にも抵抗性で、手術後再燃する致死的な癌を引き起こす脳腫瘍幹細胞をテイラードウィルスが破壊することがJournal of National Cancer Institute誌9月18日号にM.D.アンダーソンがんセンターから発表される。 ウィルスは最も悪性度の高い多形性膠芽腫に対してテストされた。 研究者らはDelta-24-RGDを腫瘍の分子的弱点を狙い、正常細胞では複製しな . . . 本文を読む

NOVO-TTF-脳腫瘍に電場治療

2007-07-03 | 脳腫瘍
イスラエルのYoram Palti医師によって開発されたNOVO-TTF(Tumor-Treating Fields)機器が電場(エレックトリカルフィールド)を用いる治療が、増殖の速い脳の癌細胞に顕著な有効性を示した。電場は癌の細胞分裂を妨げ、細胞を死滅させる。正常な脳細胞はほとんど分裂せず、異なった電気特性を持っているため、この治療は癌細胞だけを標的にする。Proceedings of the . . . 本文を読む

神経膠芽腫(GBM)治療に血管新生阻害剤AZD2171とワクチンCDX-110

2007-04-27 | 脳腫瘍
血管新生阻害剤AZD2171 今回の有望な臨床結果は、血管新生阻害剤の価値は腫瘍に養分を供給する血管形成を停止させるだけでなく、血管を「正常化」させて標準治療の腫瘍への送達を向上させることが可能であるという理論の根拠が画像やバイオマーカーの分析によってさらに明確に示された。 この研究チームは、化学放射線療法による標準的治療施行後に再発した神経膠芽腫(GBM)患者31例を含む第II相臨床試験の最新デ . . . 本文を読む

テモダール日本承認

2006-08-03 | 脳腫瘍
7月31日 シェーリングプラウ社のテモダール(テモゾロマイド)カプセルが日本で承認された。適応は、未治療の新たに診断された患者(放射線併用)、および以前に治療を受けた悪性神経膠腫の患者。 通常の初回投与方法は、未治療の新たに診断された患者では1日1回75mg/m2を放射線治療と併用で42日連続服用。4週間の休薬期間の後、テモダール単独治療1日1回150mg/m2を5日間連続服用を28日サイクルで . . . 本文を読む

脳腫瘍(GBM)治療ワクチンDCVax-Brain

2006-05-08 | 脳腫瘍
最も悪性度の高い脳腫瘍GBMに対するワクチンの劇的な好結果が届いています。 MDアンダーソン癌センターとデューク大学医療センターで行ったGBM治療のワクチンの第2相臨床試験の中間結果発表によると、23人の生存期間中央値は現在19ヶ月以上であり、これまで死亡したのは4人だけである。これは最も有効性が高いとされる現在の化学療法と放射線療法で治療をうけたGBM患者の中央値14ヶ月、無治療では4ヶ月を、 . . . 本文を読む

脳転移の全脳照射+増感剤2種

2006-02-24 | 脳腫瘍
主に肺癌、乳癌からの全脳照射(WBRT)の2種類の増感剤の第3相臨床試験結果。 前回の試験で特に肺癌患者の脳転移に良好な結果が期待されていたXcytrinだが、今回のSMART試験で主要、二次エンドポイントともに達成できなかった。2005/12 肺癌、乳癌などの患者の脳転移に対する全脳照射にEfaproxyn(efaproxiral)を加えた第3相試験REACHにおいて、Efaproxynは肺 . . . 本文を読む

GBM治療にグリベック+Hydrea、アバスチン

2005-10-05 | 脳腫瘍
GBM(多形性膠芽腫)は脳腫瘍の中でも最も悪性度が高く、致死的な癌である。標準治療は、切除可能な場合は手術、放射線、化学療法で、1999年にテモダールがFDA承認されてから最も毒性が少なく効果的な治療が可能になったが、テモダールが奏効した患者(25%)であってもほとんどが再発に至る。 その後の治療にアバスチン+CPT-11の治療が効果があったとの報告がある。現在ジェネンテックがDuke大学で臨床試 . . . 本文を読む

再発GBM(多形性膠芽腫)のCCI-779とIL13-PE38QQR

2005-08-07 | 脳腫瘍
2005年ASCOで発表されたメイヨークリニックとNCCTG(the North Central Cancer Treatment Group)の開発したCCI-779(temsirolimus)は、副作用が少なく、試験に参加した再発GBMのうち36%もの患者で腫瘍反応が画像確認された。CCI-779は、腫瘍細胞だけをターゲットに、腫瘍成長を抑えるスマートドラッグである。GBMは、最も悪性度の高い . . . 本文を読む