医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

あなたの病気が治る本当の確率. 誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

心臓の血管内の血圧が測れる(FFR)ワイヤーは有用でなかった研究

2017年05月08日 | 循環器
昨年の米国の学会で発表された結果ですが、研究者たちの名前で検索してもその論文が出てこないので、ここでお伝えします。

Functional Testing Underlying Revascularization: The FUTURE trial
Rioufol G, Mewton N, Rabilloud M, et al.


上の図の左のように、最近心臓の血管に入れてその中の圧力を測定することができるワイヤーが開発されました。日常の診療でも使用できるようになりましたが、値段は13万円以上と高いです。

心臓の血管に狭いところがあるとその部分より先の方の圧力は下がります。当然のことながら狭い程度(狭窄度といいます)がきついほどその先の圧力は低下します。このワイヤーを使用した場合のその狭窄部位を治療した方がよい目安は奥の圧力が手前の圧力の80%以下であった場合とされています。

その評価方法で本当に患者の将来的な予後が評価できるか、を検証しようとした臨床研究です。

左冠動脈前下行枝の狭さが半分以上で多枝病変の安定狭心症で、1,728人の患者が研究の対象となる予定でした。1つの群はこのワイヤー(functional flow reserve ワイヤー:FFRワイヤー)を使用して、狭い所の奥の圧力が手前の圧力の80%以下であった場合ステンと治療や風船治療を行う群です。

もう1つの群では、狭さが半分以上で(通常は4分の1以下まで細くなると狭心症などの心臓の筋肉の血液不足の症状が出るとされています)「人間の目」でみて判断してステンと治療や風船治療が行われました。心筋シンチグラムなどの非侵襲的な検査はこの群には可能とされました。

結果ですが、真ん中の図のように、FFRワイヤーを使用して判断した群の方が、全ての死因による死亡が増えてしまったので、936人が研究に参加している時点で倫理委員会からこの研究への新たな患者の参加を中止するように勧告を受けました。

そして最後まで(1年後まで)経過を追われたのが797人でした。その結果上の図の右にあるように、「死亡、脳卒中、心筋梗塞、治療の再試行」は両群で同じでした。

結果が同じなら、このワイヤーを高いお金を出して使用しなくても、心筋シンチグラムや「人間の目」でみて判断して治療方針を決めれば良いということです。


このワイヤーは業者が儲かるため、数社の業者が参入して、「科学的理由」ではなく「商業的理由」で学会などで取り上げられることも多くなってきて、医者もそれらの業者の広告塔として巻き込まれています。

この研究結果を踏まえて、もう一度、考え直した方が良いと思います。

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演技性人格障害

2017年03月23日 | 雑感
皆さ~ん、あまり籠池さんに関わらない方がいいですよ。

小保方さんと同じ臭いがします。

演技性人格障害

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製薬会社の金儲け手法の勝利

2017年03月03日 | 循環器
相変わらず診療と研究、論文の執筆に忙殺され、ブログの更新が遅れております。申し訳ありません。
でも身体はいたって健康、バリバリ感満載で頑張っております。

さて、私は5年前に
真実を曲げてしまう要素(その1)

を書きました。皆さんもこの記事のアンケートに、あらかじめご自分の意見を決めて参加してみて下さい。

先月のHeart Viewという、心臓の内科の分野では専門家が最新の情報を伝えてくれる参考書で、新しい抗凝固薬が特集されていました。

その中の9ページにこんな記載があります。

「つまりCHADS2-VAScスコアーが1点の例に抗凝固療法を行う場合はワルファリンではなくダビガトランはどのDOAC(新しい抗凝固薬)を選択したい」と書かれています。

しかし、私はこれまで多くの根拠を示しながら、それは誤りで、製薬会社の陰謀であることを示してきました。

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その1)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その2)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その3)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その4)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その5)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その6)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その7)

心原性脳塞栓症予防の最前線 広がる誤った情報

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その8)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その9)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その10)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その11)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬イグザレルトの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その1)

心房細動に対する新しい抗凝固療薬イグザレルトの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その2)

でも、新しい抗凝固療薬に関して、間違っているのにそれが正しいと宣伝され、参考書までが間違った事を堂々と書くようになってしまっているのです。

さて、「なので」はどうでしょうか?
「なので」という言葉は、中学生の時に結構頑張って国文法を勉強した私にとって、なんとも不思議な言葉です。

国文法で説明すると、「なので」は助動詞「だ」の連体形または形容動詞の連体形語尾「な」に、原因・理由を表す接続助詞「ので」の付いたもので、文頭に置いて接続詞としては使えない言葉です。「なので」という言葉は「明日は雨なので、傘を持っていったほうがよい」というふうに用いる言葉です。ですから、当然広辞苑には、「なので」という接続詞は載っていません。

「なので・・」には柔らかい響きがあるので、女性に好まれて使われているのかもしれませんが、正しくは「だから・・」か、「ですから・・」です。
広辞苑には、
「だから」は、(接続詞)前に述べた事柄が、後に述べる事柄の原因・理由になることを表す語
「ですから」は、(接続詞)「だから」の丁寧な言い方、と書いてあります。

「なので」は国文法的に間違っているのに、今やほとんどの人が正しいと思って使っている状況を鑑みると、間違っていることも2年間ぐらい正しいと言い続ければ(思い続ければ)「正しい」こととなってしまうのかと、私はとても悲しいです。


効果がほとんど同じなのに、約10倍も高価な薬を患者に売っている。
これは、「医者の科学者としての側面」「製薬会社の金儲け手法」に敗北した瞬間でもあります。

私はこれからも製薬会社の陰謀と戦い続けます。

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アパホテル頑張れ

2017年01月18日 | 雑感
さすが、アパホテル社長!

アパホテルの社長が書いた本当のことが中国人の勘に障ったらしく、中国人は今後アパホテルに泊まらないという。それなら私にとっては好都合なので、今後アパホテルに泊まろうと思います。

私は学会で発表しなければならないことが多く、国内をはじめ海外にも出張しなければならないことが多いのですが、中国人の振る舞いは不快で仕方がないです。

このブログの趣旨は、「根拠・エビデンス」を示して真実を追求するブログですので、なぜ私が「中国人の振る舞いが不快で仕方がない」のか、その根拠・体験を示したいと思います。

先日も、どうしても「中国東方航空」を使用しなければいけなかったのですが、その中国東方航空の飛行機は離陸体勢に入るまで機内のエアコンを切っていたので、機内は暑くて耐えられなくなり、遂に中国人の一人が大声を上げて、私の目の前で客室乗務員と喧嘩を始めました(客室乗務員もひるんでいなかったのが凄かったなぁ。中国語だから理解できなかったけど、「エコノミークラスなんだからそれぐらい我慢しろ」と言っていたのか、「節電なんだからしょうがない」と言っていたのか、「それなら料金を値上げするぞ」と言っていたのか)。その中国東方航空の飛行機の中にはハエが飛んでいました。あ~あ、という感じです。

中国東方航空のサービス、きめ細やかなサービスならハエなど飛んでいないと思うんだけど。

私はその搭乗時、「飛行機が時速800キロ、ハエが時速4キロで前に飛ぶと、地上からみればハエは時速804キロで飛んでいるように見えるのだろうなぁ」と気を紛らわせるようにしていました。

日本国内の電車のチケットを買うのに中国人から割り込みされたこともありました。彼らは電車の通路にも平気でスーツケースを置きます。私から注意すると問題になるかも知れないので車掌さんに注意するように頼んだこともあります。JALの国際線のエコノミー席で、前の客が中国人で、離着陸時以外、飛行中10時間以上、食事どきもずーっと席を後ろにリクライニングさせたままなので、食事もままならなかった事もありました。JALにとってはその中国人もお客様だからなのか、JALの客室乗務員は私が目で合図してもその中国人に一言も注意してくれなかったのが印象的でした。さすがJALでしたね。このように私は結構百戦錬磨なんです。つらい思いをいっぱいしました。

「四声」というらしいですが、中国語は同じ語句でも4種類の発音の仕方があり、それが異なると意味も異なるので、必然的に声が大きくなります。日本国内のホテルでも、廊下で大きな声で会話しています。私はその大きな声で時々夜中に目が覚めます。先日は大阪の日航ホテルで起こされました。あのホテル、中国人で酷いことになっていますね。

中部国際空港の東横インは、そういった事を避けるためにオレンジサイドとグリーンサイドといって団体客と個人客を分けていますが(その辺は素晴らしいアイデアです)あの1階の朝食バイキングの処では、どうしても彼らと一緒になってしまい、食べ散らかして騒がしいので、朝食付きの宿泊代が損失になっても、あそこで食べる気がしません。

そして最近、そんな中国人たちが原因でもあり、特に京都などでは学会時に安いホテルが予約し難くなっています。そして中堅クラスのホテルの値段が上がっています。私たち研究者にとって辛い状況です。

そんな中国人が今後アパホテルに泊まらないというなら、私にとっては好都合です。中国人がいないホテルって理想的です。それにアパホテルは日本人にとって予約しやすくなるということです。私はこれから学会の時は、できるだけアパホテルに泊まるようにしたいと思います。

アパホテルの社長、応援しています!


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こちらの記事もどうぞ。キャロライン・ケネディー駐在大使が18日夜帰国しましたね。この記事、いろいろな意味で今の状況とリンクしています。→アメリカの図書館に献本してきました
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心房細動に対する新しい抗凝固療薬イグザレルトの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その2)

2016年12月28日 | 循環器
レイト・グレイキング・クリニカル・トライアルの会場は満員でした。 私は立ち見で ↑ここから聴いていました。


米国心臓協会学会で発表するためにニューオリンズに行ってきました。
レイト・グレイキング・クリニカル・トライアルの会場で以下の臨床研究の結果を聴きました。

名付けて「パイオニア AF-PCI研究」というのだそうです。

Prevention of bleeding in patients with atrial fibrillation undergoing PCI
N Engl J Med November 14, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1611594
(インパクトファクター★★★☆☆、研究対象人数★★★★★)

これは、心臓の血管に対してステント治療や風船治療をすると動脈系のさらさら療法として2種類の抗血小板薬を内服しなければならないのですが、そんな患者が心房細動の場合、静脈系のさらさら療法として抗凝固薬を内服しなければならなくなり、合計3種類内服しなければならないけれど、このような場合でも新しい抗凝固薬であるイグザレルトの効果は従来の薬ワーファリンと比較してどうか、という臨床研究です。

結果は、ワーファリンと比較して出血性の病気が少なかったので、新しい抗凝固薬であるイグザレルトの方が良い場合がある、ということでした。

原文はこちらです。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1611594

以前、心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その2)の記事で、新しい抗凝固薬であるエリキュースの臨床試験を計画した医者や製薬会社の人間は、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなどでは上手にワーファリンでコントロールできないことを知っていて、自社の薬の成績を良く見せるために意図的に医療後進国臨床試験に組み込んだということをお伝えしました。


上の図はこの臨床研究のデザインです。レイト・グレイキング・クリニカル・トライアルの会場で表示されていました。これを見ると、「あれ~っ?」と思えるのです。それは、この臨床研究で使用されているリバーロキサバン、すなわちイグザレルトの欧米での通常容量は1日20mgです(日本では15mgです)。でもこの研究では、動脈系のさらさら療法として2種類の抗血小板薬と静脈系のさらさら療法として1種類の抗凝固薬の合計3種類内服しなければならないので、さらさらになりすぎて出血性の病気が起きるのを懸念して、イグザレルトは1日15mgに減量していることが、上の左の図を見るとわかります。

でも、なぜかワーファリン群に対してはそんな懸念がおかまいなしで、さらさらの程度を表すPT-INRという血液検査の値は従来の2.0~3.0のままであるということも、上の図からわかります。

イグザレルト群がさらさらになりすぎるのを懸念して減量するのなら、なぜワーファリン群もさらさらの指標を低くして1.6~2.6とかにしないのでしょうか?不思議ですね。科学的とは言えないです。「パイオニア研究」とは、名前負けしていませんか?

よほど、ワーファリン群の成績を悪くしたかったのでしょうね。あ~あ、という感じです。


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それでは皆様、よいお年を!
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心房細動に対する新しい抗凝固療薬イグザレルトの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その1)

2016年12月19日 | 循環器
米国心臓協会学会で発表するためにニューオリンズに行ってきました。
レイト・ブレイキング・クリニカル・トライアルの会場で以下の臨床研究の結果を聴きました。

Prevention of bleeding in patients with atrial fibrillation undergoing PCI
N Engl J Med November 14, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1611594
(インパクトファクター★★★☆☆、研究対象人数★★★★★)

これは、心臓の血管に対してステント治療をすると動脈系のさらさら療法として2種類の抗血小板薬を内服しなければならないのですが、そんな患者が心房細動の場合、静脈系のさらさら療法として抗凝固薬を内服しなければならなくなり、合計3種類内服しなければならないけれど、このような場合でも新しい抗凝固薬であるイグザレルトの効果は従来の薬ワーファリンと比較してどうか、という臨床研究です。

結果は、ワーファリンと比較して出血性の病気が少なかったので、新しい抗凝固薬であるイグザレルトの方が良い場合がある、ということでした。

原文はこちらです。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1611594


以前、心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その2)

の記事で、新しい抗凝固薬であるエリキュースの臨床試験を計画した医者や製薬会社の人間は、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなどでは上手にワーファリンでコントロールできないことを知っていて、自社の薬の成績を良く見せるために意図的に医療後進国臨床試験に組み込んだということをお伝えしました。

上の図の右側が今回の臨床試験に参加した国です。レイト・ブレイキング・クリニカル・トライアルの会場で表示されていました。

でました!国家ぐるみでドーピング、ハッキングしてもシラをきるロシアが265人も参加しています。参加人数はドイツの295人に次いで二番目です。その他、例のごとく、ルーマニア、メキシコ、ウクライナ、ブラジル、チリなんて国も参加しています。

よほど、ワーファリン群の成績を悪くしたかったのでしょうね。あ~あ、という感じです。

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LDL(悪玉)コレステロール値は160mg/dlでも大丈夫

2016年11月08日 | 生活習慣病
総コレステロールの値とその後17.3年間の死亡危険率の関係
(総コレステロール値160mg/dl-180mg/dlを1として比較した場合)

黒棒は補正なしの危険率です。
白棒は肝臓病でもコレステロールが下がるため、肝臓病を除外した場合の危険率です。
グレーの棒は、ガンになっているのを知らないでコレステロールが下がっていた場合を除外するために、17.3年間の観察のうち最初の5年間で死亡した人を除外した場合です。

いずれの場合も総コレステロール値が260mg/dlまで死亡率が上昇していない事がわかります。

さて、2007年に改定された動脈硬化性疾患予防ガイドラインを熟読していたら、奇妙なことに気がつきました。LDL(悪玉)コレステロールの件に関して、ガイドラインの中には「LDLコレステロールはその値が高くなるほど動脈硬化性心臓病が増える」とあり、その根拠として2007年に発表された次のこの論文が参考にされています。

The relationship between serum total cholesterol and all-cause or cause-specific mortality in a 17.3-year study of a Japanese cohort.
Atherosclerosis. 2007;190:216.
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)

1980年に30歳以上の日本人10,546人が調査の対象となり、17.3年間その予後が調べられ、最終的に9,216人のデータが揃いました。

総コレステロールの値が240mg/dlの場合はLDLコレステロール値はだいたい160mg/dlと考えることができるらしいのですが、上の図を見ると、LDLコレステロール値180mg/dlまでは生命の予後を悪化させていません。

欧米人と異なり、日本人の場合、一次予防(まだ心筋梗塞や狭心症を起こしていない場合)、悪玉コレステロール値は160mg/dlでも良いということです。

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悪玉コレステロール値は80未満でも100~119でも動脈硬化性心臓病の発症は同じ

2016年10月21日 | 循環器
以前、京大の医者は本当に私たちに有益なデータを公開してくださるというお話をしました。。
私が「循環器内科の良心」と認識している京大K教授、素晴らしいです。CREDO-Kyoto研究の益々の発展をお祈りしています。そんな京大からの報告です。

東大の場合は製薬会社の広告塔になっていかに名誉と講演料を増やすか考えている医者が障壁となりますから(全員ではありません)東大からはこういうデータはほとんど出ません。


これは「二次予防」すなわち一度狭心症や心筋梗塞にかかった方が次の発症を予防するためのデータです。
Intensity of Statin Therapy, Achieved Low-Density Lipoprotein Cholesterol Levels and Cardiovascular Outcomes in Japanese Patients After Coronary Revascularization
Circ J 2012;76:1369
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)

原文もここからダウンロードできます

https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/76/6/76_CJ-11-1356/_pdf

この研究では心臓の血管に風船治療やステント治療を受けた(二次予防)患者で、初めて治療をうけ退院の時点で悪玉コレステロール低下薬を内服している患者7,299人が対象となり、その後2年間の、動脈硬化性心臓病の発症率が調査されました。

その結果、
図A、悪玉コレステロール値80mg/dl未満の患者と80~99mg/dlの患者で、その発症に差がありませんでした。

図B、悪玉コレステロール値80~99mg/dlの患者と100~119mg/dlの患者で、その発症に差がありませんでした。

図C、悪玉コレステロール値120mg/dl以上では80~99mg/dlの患者と比較して、その発症が増えました。

すなわち、悪玉コレステロール値100~119mg/dlであれば、それ以下すなわち80~99mg/dlや80mg/dl未満の場合と動脈硬化性心臓病の発症率に差がありませんでした。

欧米人と異なり、日本人の場合、二次予防であっても、悪玉コレステロール値は100~119mg/dlで良いということです。

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心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その11)

2016年10月21日 | 循環器
アリストテレス研究のコマーシャルスライドでは、ワーファリン群の脳出血はもっと多いです。

多すぎですよね、ロシアとかメキシコとかルーマニアでは、日本のようにワーファリンで上手にコントロールできなかったのでしょう。

日本の医者がワーファリンを使用すれば、脳出血の発症率は以前お伝えしたように、
心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その8)

血液のさらさら度を示すPT-INRを1.6~1.99でコントロールすれば、年間0.25%です。

外国のお医者さん、ワーファリンでの治療の仕方が下手すぎませんか?

それを日本の医療に当てはめることはできませんね。

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心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その10)

2016年09月07日 | 循環器
欧州心臓病学会で発表するためにローマに行ってきました。今回は3題の口頭発表をしました。診療、論文執筆、原稿執筆、論文審査で多忙なうえ、発表の準備で睡眠時間を削る毎日です。

口頭発表する準備の時間もあまりありませんので、ほとんどアドリブ状態になってしまいます

さて、私はこれまで心房細動に対する新しい抗凝固療薬の臨床研究のワーファリン群の脳出血が多すぎる件を9回にわたりお伝えしてきました。

今回の欧州心臓病学会でも、この件に関する発表がありましたので、お伝えします。

上の図が、ネットで発表された学会のステートメントです。私なりに和訳してみます。
「43,000人の調査で、新しい抗凝固療薬を使用した場合の脳梗塞の発症率は年間2.0%~2.5%でワーファリンを使用した場合と同じだったが、脳出血の発症率は新しい抗凝固療薬を使用した場合は年間0.3%~0.4%で、ワーファリンを使用した場合の年間0.6%より少なかった」

でも、ちょっと待ってください。日本の医者がワーファリンを使用すれば、脳出血の発症率は以前お伝えしたように、
心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その8)

血液のさらさら度を示すPT-INRを1.6~1.99でコントロールすれば、年間0.25%です。

外国のお医者さん、ワーファリンでの治療の仕方が下手すぎませんか?

日本のお医者さんがワーファリンで治療すれば、脳出血の発症率は年間0.25%で、新しい抗凝固療薬を使用した場合と同じです。

なんだかなぁ~この発表、という感じです。

日本のお医者さんは世界で最高レベルです。こんな発表の結果など、日本の場合参考になりません。


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心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その9)

2016年08月04日 | 循環器
私が「循環器内科の良心」と認識している京大K教授、素晴らしいです。そんな京大からの報告です。
東大からはこういうデータがなかなか出てきません。

Anticoagulant and antiplatelet therapy in patients with atrial fibrillation undergoing percutaneous coronary intervention.
Am J Cardiol. 2014 Jul 1;114(1):70-8.
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)


本来この臨床研究は、心筋梗塞や狭心症で心臓の血管にステント療法を受けた患者のその後を調べようと行われているCREDO-KYOTOというものですが、その患者が心房細動の場合にどれぐらいワーファリンによる抗凝固療法(静脈のさらさら療法)が行われ、脳梗塞や脳出血の発症率はどうなのか5年間調査されたものです。素晴らしいです。

以前、心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その1)の記事で、プラザキサ、イグザレルト、エリキュースの3種類の臨床試験でのワーファリン投与群というのは、コントロールの仕方がとても下手で、ほとんどワーファリンを投与していない群に近い群であるということをお伝えしました。

そして以前、心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その2)の記事で、エリキュースのこの臨床試験を計画した医者や製薬会社の人間は、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなどでは上手にワーファリンでコントロールできないことを知っていて、自社の薬の成績を良く見せるために意図的に医療後進国臨床試験に組み込んだということをお伝えしました。

今回のCREDO-KYOTOという臨床研究では、心筋梗塞や狭心症で心臓の血管にステント療法を行われた患者を対象にしており、治療後、抗血小板療法(動脈のさらさら療法)を2種類の薬で行わねばならない患者で、医者としては、すでに2種類の薬でさらさら療法をしているのに、さらに3剤目で静脈のさらさら療法を行わなければならない「3種類もの薬でさらさらにして大丈夫?」という心理が働く患者を対象にしています。

図の上は、これまで説明してきたアリストテレス研究での脳梗塞・脳出血の年間発症率です。そして、下の右側は今回のCREDO-KYOTOからで、「3種類もの薬でさらさらにして大丈夫?」という医者の心理を反映してワーファリンでコントロールするうえで弱めにしてしまって、TTRが65%以下が3分の2以上であることを示しています。

図の下の左ですが、これは5年間での数値です。年間にするには5で割らなければなりません。どうでしょうか?上の方、心房細動があるほうが当然脳梗塞は多いです。2.2%対0.88%です。心房細動がない患者は今回関係がないので、心房細動がある患者で考えます。

心房細動がある患者1,057人のうち、ワーファリンによる抗凝固療法を受けた場合と受けてない場合で、脳梗塞は2.3%/年対2.1%/年でほとんど変わらないのは印象的です。「3種類もの薬でさらさらにして大丈夫?」という医者の心理が働いて弱めにしてしまうからです。

心房細動がある患者1,057人のうち、ワーファリンによる抗凝固療法を受けた場合と受けてない場合で、脳出血は0.6%/年対0.3%/年です。

ここで、あれ~?っと思いませんか?上のアリストテレス研究では脳出血の発症率はエリキュースという新薬群で0.24%/年、ワーファリン群で0.47%/年です。

心筋梗塞や狭心症で心臓の血管にステント療法を行われた患者を対象にして、治療後、抗血小板療法(動脈のさらさら療法)を2種類の薬で行わねばならない患者で、医者としては、すでに2種類の薬でさらさら療法をしているのに、さらに3剤目で静脈のさらさら療法を行わなければならない「3種類もの薬でさらさらにして大丈夫?」という心理が働き弱めにワーファリンを投与している患者群で脳出血は0.6%/年(動脈硬化による病気の発症リスクが非常に高い患者群です。すでに2種類の薬でさらさら療法をしていて脳出血は起こりやすくなっています)で、アリストテレス研究のワーファリン群0.47%/年とほとんど差がありません。

つまり、アリストテレス研究でのワーファリン群というのは、「どれだけ下手に治療したんや~」群なのです。脳出血の発症が多すぎるのです。

さすが、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなど医療後進国を参加させているだけあります。本当に「恐るべし、ファイザー製薬」であります。そしてそのファイザーの広告塔になってその薬の都合の良いことだけいう医者たちも恐るべしであります。

京大の先生方、今回も素晴らしい報告ありがとうございました。CRODO-KYOTO研究の益々の成功をお祈りしたします。

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心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その8)

2016年07月06日 | 循環器
それでは本題に戻します。
以前、心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その2)

の記事で、エリキュースのこの臨床試験を計画した医者や製薬会社の人間は、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなどでは上手にワーファリンでコントロールできないことを知っていて、自社の薬の成績を良く見せるために意図的に医療後進国臨床試験に組み込んだということをお伝えしました。

そして以前、エリキュースの臨床試験の論文と、医療後進国の、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなどが参加していない日本国内だけの研究結果を比較ました。以前は年齢別になっていない全体の比較だったのですが、心房細動で脳梗塞、薬を飲んで脳出血なんていう話はほとんど高齢者での話ですので、日本国内だけの研究では70歳未満と70歳以上のデータに分けても分析されていて素晴らしいです。

今回はその結果についてです、比較対象のエリキュースの臨床試験は年齢の中央値が70歳ですから、つまり70歳未満が半数、70歳以上が半数の分析ということになります。70歳未満の若い人は脳梗塞にも脳出血にもなりにくいので、70歳以上を解析した日本の研究と、若い人も入れて解析してあるエリキュースの研究では、日本の研究の方が不利になる条件での比較です。

上の図の上は、エリキュースの臨床試験の論文に載っている結果です。
Apixaban versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation
N Engl J Med 2011;365:981-992.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)

赤色で私が囲ったところが脳出血です。アピキサバンすなわちエリキュース群では年間0.24%、ワーファリン群では0.47%です。

一方上の図の下は、日本国内だけの研究J-RHYTHM研究の結果です。
Target International Normalized Ratio Values for Preventing Thromboembolic and Hemorrhagic Events in Japanese Patients With Non-Valvular Atrial Fibrillation
–Results of the J-RHYTHM Registry–
Circ J 2013;77:2264-2270.
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)

無料でダウンロードできますので、原文も見てください。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/77/9/77_CJ-13-0290/_article


これは2年間の結果ですから、私が計算して年間の脳出血の発生率を記載しました。ワーファリンを内服していないと年間0.11%、ワーファリンを内服して血液のさらさら度を示すPT-INRが低いと年間0.22%、PT-INRがちょうど良く1.6~1.99にコントロールされると年間0.25%です。

エリキュースの臨床試験のワーファリン群での0.47%は発症率が日本の研究の結果より1.5倍高いことがわかります。基準値内とはいえ、2.0~2.59ではさすがに日本でも発症率は年間0.70%になります。

さて、脳梗塞についてですが、
青色で私が囲ったところが脳梗塞です。アピキサバンすなわちエリキュース群では二項目合わせて年間0.97%、ワーファリン群では1.05%です。

ところが、日本国内だけの研究J-RHYTHM研究の結果を見ると、
これは2年間の結果ですから、私が計算して年間の発生率を記載しました。ワーファリンを内服していないと年間1.96%ですが、ワーファリンを少しでも内服して血液のさらさら度を示すPT-INRが1.6に達していなくても発症は年間1.13%に有意に抑制させることができているのがわかります(これは私が自分でカイ2乗検定をして確かめていますし、この解析でも明らかになっています)。そして、PT-INRがちょうど良く1.6~1.99にコントロールされると脳梗塞の発症率は年間0.77%です。これはエリキュースの臨床試験のエリキュース群0.97%、ワーファリン群1.05%より良好な数字です。

これらの結果から、本当はPT-INRが1.6~1.99が一番良い(つまり脳梗塞も抑制できているが2.0以上にすると脳出血が少し増えてくるから)し、1.6に達していなくても1.4や1.5でもワーファリンの効果は十分あるということがわかります。ガイドラインでは「1.6~1.99が一番良い」とすると、PT-INRの範囲が狭いためコントロールしにくいと苦情が出ることを予想して、少し広めの範囲で1.6~2.6と決定されたと推測できます。

私はこの研究の結果を知っているので、70歳以上の患者の場合1.5~2.0でコントロールしています。例えば1.5であってもワーファリンを増量しません。それでも私のTTRは約85%です。

70歳以上であってもPT-INRが1.6~2.0にコントロールされていれば、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなどでは上手にワーファリンでコントロールできない国のデータではなく、「上手に処方できる日本のお医者さんによる」ワーファリンの処方であれば、値段が10倍する新薬エリキュースよりもワーファリンの方が脳出血も脳梗塞も少ないことが一目瞭然です。

プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナを販売している、日本ベーリンガーインゲルハイム、バイエル、ファイザー、第一三共が、これらの新薬はワーファリンより脳出血が少ないと宣伝しているのにはトリックがいっぱいなのです。これは、公共性、公益性、真実性に誓って言えることです。


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心原性脳塞栓症予防の最前線 広がる誤った情報

2016年05月22日 | 雑感
臨床診療に加えて原稿・査読の依頼、論文の執筆などで多忙をきわめ、ブログの更新がまたしても遅れてしまい申し訳ありません。

忙しいけれど、今日は頑張って日本内科学会 生涯教育講演会Aセッションを聴きに東京国際フォーラムに行ってきました。最新の情報を聴くことができますので2,200人の参加者は皆真剣です。

日本内科学会 生涯教育講演会Aセッション

全て素晴らしい講演でしたが、その中で少し気になったことがありました。

前回まで私は根拠を明確に示して、「プラザキサ、イグザレルト、エリキュースなどの新薬はワーファリンより脳出血が少ないと宣伝されているが、それは誤りである」とお伝えしてきました。「これらの臨床試験のワーファリン群の脳出血が日本の実情より多すぎる」からです。

それなのに、本日の講演では「プラザキサ、イグザレルト、エリキュースはワーファリンより脳出血が少ない」と紹介されていました。

紹介していた講師は循環器内科医ではなく神経内科医でしたので、この辺の情報に詳しくないのだと思います。でも、詳しくないのなら2,200人も集まった知的好奇心旺盛な医師達の前で間違ったことを言ってはいけませんね。これでは他の分野の医師達は「プラザキサ、イグザレルト、エリキュースはワーファリンより脳出血が少ない」と信じてしまいます。

このように講演の内容に間違っていた部分があったので、ある正義感ある循環器内科医が質疑応答の時間に「先生はプラザキサ、イグザレルト、エリキュースはワーファリンより脳出血が少ないとおっしゃっていましたが、あれは外国のデータですよね。日本のデータはあるとしてもJ-ROCKET studyだけですよね。それなら「日本のデータはあるとしてもJ-ROCKET studyだけ」と明確に区別してお話いただけたら親切でした」と核心をついていました。本当は私がブログで紹介していたことと同じ事を指摘したかったのだけど、オブラートに包んで指摘したのだと感じました。

また別の質問で「ワーファリンを投与する場合、PT-INR(血液さらさらの程度)はどれくらいの頻度で測定すれば良いのでしょうか」という開業医の先生からの質問に、「ワーファリンは不安定ですから2週間に一度は測定した方がよい」と答えていましたが、その答えを聞いたとき私は「あぁ、この講師は神経内科医だから、あまり実際に自分でワーファリンを患者に投与したことがないのだなぁ」と感じました。ワーファリンはそんなに不安定ではありません。安定している患者ではPT-INR(血液さらさらの程度)の測定は1~2か月に1回でいいです。

「間違ったことはこうして広がっていくのだなぁ」と感じた一日でした。

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三菱自動車 謝罪、一方、桝添知事 どこが悪いのかと開き直り

2016年04月29日 | 雑感
(以下、朝日デジタルより引用)
三菱自動車の燃費偽装問題について、消費者庁の板東久美子長官は4月28日の記者会見で、「非常に強い関心を持っている」と述べた。燃費を実際よりも著しくよく見せることが目的であれば、景品表示法違反(優良誤認)にあたる恐れがあり、消費者庁が同社に再発防止の措置命令を出す可能性もある。板東長官は「個別の事案は申し上げられないが、景表法上の問題があれば、必要な調査を行ったうえで適切に対処する」と述べた。
(ここまで引用)

それなら、プラザキサ、イグザレルト、エリキュースも景品表示法違反(優良誤認)ではないか!と思うのは私だけでしょうか?

一方、
(以下、朝日デジタルより引用)
舛添要一・東京都知事の米国出張中(12~18日)の宿泊費が計73万5600円に上り、都条例が定める1泊あたりの上限を最大で3・8倍上回ったことがわかった。都が21日発表した。舛添氏が就任した2014年以降の海外出張全9回分は29泊(キャンセル料、主催者負担を含む)で計約343万円。平均で条例の上限の3・5倍だった。

高級ホテル滞在「削減すればいい、ではない」 舛添氏
米国で舛添氏はニューヨークとワシントンを訪問。両市長らと会談したり全米桜祭りに出席したりした。都によると、計5泊した両市内の高級ホテルは会議室がついたスイートルームで、1泊あたり約14万円~15万2千円。宿泊した部屋で現地メディアの取材を受けたという。航空機代は計約225万円。日米の往復と米国内での移動で計3回搭乗し、いずれも最上位のクラスだった。舛添氏の9回分の海外出張のうち、宿泊費が最も高かったのは昨年10月のロンドン出張で、1泊19万8千円。都市によって異なる条例の規定額との比較では、14年2月のロシア・ソチが5・6倍の1泊15万1800円で、隔たりが最も大きかった。都は出張経費のあり方を精査中で、今年6月末に結果を公表するという。
(ここまで引用)

【全国知事緊急アンケート】海外出張費、舛添都知事が突出 唯一1泊10万円の上限超え ファーストクラス利用は5人

私にとってはまた東大卒か、という感じです。いつも金のこと。とほほ・・ですよね。橋下元大阪府知事(早大卒)が言うように「ルールに沿っているから大丈夫ではなくて、不合理なルールはどんどん変えないといけない」です。

プラザキサ、イグザレルト、エリキュースの広告塔となって「ルールに沿って」講演料をもらい製薬会社の都合の良いことばかり言っている東大卒の医者たちにも肝に銘じてほしい言葉です。

この人たち、正義感が欠如している。受験勉強では正義感は習わないからなぁ


私のところにも製薬会社の都合の良いことだけを講演して欲しいとよく依頼がありますが(このスライドを使用して欲しいとスライドまで持ってくることもあります)、そんなことはできないと、私は断っています。すると次から依頼は来なくなります。

そうすると、都合の良いことを言ってくれる医者にその依頼が移っていくだけなのか?なかなか根深い問題です。

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心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その7)

2016年04月25日 | 循環器
以前心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その2)

の記事で、エリキュースのこの臨床試験を計画した医者や製薬会社の人間は、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなどでは上手にワーファリンでコントロールできないことを知っていて、自社の薬の成績を良く見せるために意図的に医療後進国臨床試験に組み込んだということをお伝えしました。

そして前回、医療後進国の、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなどが参加していない日本国内だけの研究結果を紹介しました。

Target International Normalized Ratio Values for Preventing Thromboembolic and Hemorrhagic Events in Japanese Patients With Non-Valvular Atrial Fibrillation
–Results of the J-RHYTHM Registry–
Circ J 2013;77:2264-2270.
(インパクトファクター★★☆☆☆、研究対象人数★★★★★)

無料でダウンロードできますので、原文も見てください。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/77/9/77_CJ-13-0290/_article


これは2年間の結果ですから、私が計算して年間の発生率を記載しました。ワーファリンを内服していないと年間0.15%、ワーファリンを内服して血液のさらさら度を示すPT-INRが低いと年間0.24%、PT-INRがちょうど良く1.6~1.99にコントロールされると年間0.32%です。

エリキュースの臨床試験のワーファリン群での0.47%は発症率が日本の研究の結果より1.5倍高いことがわかります。

ところが、日本国内だけの研究J-RHYTHM研究の結果を見ると、
これは2年間の結果ですから、私が計算して年間の発生率を記載しました。ワーファリンを内服していないと年間1.45%ですが、ワーファリンを少しでも内服して血液のさらさら度を示すPT-INRが1.6に達していなくても発症は年間0.87%に有意に抑制させることができているのがわかります(これは私が自分でカイ2乗検定をして確かめています)。そして、PT-INRがちょうど良く1.6~1.99にコントロールされると脳梗塞の発症率は年間0.57%です。これはエリキュースの臨床試験のエリキュース群2.16%、ワーファリン群2.66%より断然良好な数字です。

これらの結果から、本当はPT-INRが1.6~1.99が一番良い(つまり脳梗塞も抑制できているが2.0以上にすると脳出血が少し増えてくるから)し、1.6に達していなくても1.4や1.5でもワーファリンの効果は十分あるということがわかります。ガイドラインでは「1.6~1.99が一番良い」とすると、PT-INRの範囲が狭いためコントロールしにくいと苦情が出ることを予想して、少し広めの範囲で1.6~2.6と決定されたと推測できます。

私はこの研究の結果を知っているので、70歳以上の患者の場合1.5~2.0でコントロールしています。例えば1.5であってもワーファリンは増やしません。それでも私のTTRは約90%です。

今回はその研究のサブ解析で、サラサラ度を示すPT-INRをもう少し細かく分類して、どの領域が一番いいかを調べた研究です。
Warfarin anticoagulation intensity in Japanese nonvalvular atrial fibrillation patients: A J-RHYTHM Registry analysis.
Yamashita T, Inoue H, Okumura K, et al.
J Cardiol 2015;65:175.

(インパクトファクター★☆☆☆☆、研究対象人数★★★★★)

ご覧になってわかるように、脳梗塞・全身性塞栓症の予防ではPT-INR 1.8~2.0と比較してPT-INR=1.4までは効果がありませんが、1.4より上では効果が認められています。しかも前回お伝えしたように、日本人の医者が上手にコントロールしていますので、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナよりも発症率は低いのです。

脳出血の予防ではPT-INR 1.5~2.0と比較してPT-INR=2.5までは発症が増えます。

この2つの結果から、日本人の医者がコントロールすれば、1.4~2.5の間が一番予防に効果的で、その発症率はプラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナよりも低いのです。

これが私の患者でPT-INRが1.5と、1.6以下になってもワーファリンを増やさずに1回様子を見る理由です。

どうですか?医療後進国の、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなど参加させずに、日本人の医者がコントロールすればワーファリン群は脳梗塞も脳出血もエリキュース群より少ないのです。

この論文の著者は、これらの製薬会社の断トツの広告塔だったのに自分でこのサブ解析をやって、どうも自分が言っていることの間違いに途中から気がついたようで、広告塔としてのトーンを急に弱めましたよね。そう感じた医者の皆さんも多かったと思います。

プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナを販売している、日本ベーリンガーインゲルハイム、バイエル、ファイザー、第一三共が、これらの新薬はワーファリンより脳出血が少ないと宣伝しているのにはトリックがいっぱいなのです。そしてそれに乗せられた広告塔医師たちが誤った情報を流布しているのです。

国民に不利益になる(効果がそれほどでもない薬を高い値段で買わされるという(真実性))コメントが間違って公言されることがあれば、それは(公共性)(公益性)という観点からも大問題です。



まだまだエビデンスはたくさんありますので、順次お伝えします。

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