がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

癌発生にビタミンD低下が関連か

2009-06-22 | 癌の経路・因子
ビタミンDの予防効果研究において、カリフォルニア大学サンディエゴ校ムーアズがんセンターの研究者らは、癌細胞の相互接着能力喪失に左右されるという癌発生の新たなモデルを提唱した。このモデルはDINOMITと呼ばれ、癌における発生の鍵は遺伝子変異であるとする現行モデルとは大きく異なる。 「癌の最初の事象は、特にビタミンDとカルシウムの低下による細胞間伝達の喪失である。新モデルでは、この伝達の喪失が癌に . . . 本文を読む

癌とうつの関連性が生物学的に明らかに

2009-05-28 | 癌の経路・因子
 癌とうつとの関連についてシカゴ大学の研究者らが、動物モデルで初の研究結果を発表した。癌の患者がうつになることが多いのは、長い間、専門家の間でもわかっていたが、それが、癌の診断を受けたことに起因するのか、化学療法などの資料によるものなのか不明であった。 チームは、うつに関連した物質を腫瘍が大量に放出し、脳に伝達していることを発見した。研究によると、腫瘍は、感情をつかさどる脳の海馬における遺伝子発 . . . 本文を読む

新たな血管新生ターゲットM-CSF

2009-05-05 | 癌の経路・因子
 癌治療のVEGFを標的とした血管新生阻害療法は、当初は奏効するが、残念ながら、薬剤を中止したとたん、腫瘍はリバウンドして血液供給を再開した。 日本の研究者らが見いだした方法はより有望な可能性がある。VEGFではないが、同様に腫瘍への血液供給をする因子であるM-CSF(マクロファージ・コロニー刺激因子)を標的とした薬剤を開発した。M-CSFをその薬剤投与でブロックすると、薬剤を中止したあとも腫瘍は . . . 本文を読む

血管新生(VEGF)阻害により腫瘍が増殖

2008-11-15 | 癌の経路・因子
 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を阻害することによって腫瘍の血管新生を阻害して増殖を防ぐアバスチン( ※化学療法併用で4ヶ月生存延長)などの治療が行われているが、研究者らが当初期待したほどの結果ではない。その説明の発見ともなる新たな研究結果がNature11月号でカリフォルニア大学ムーアがんセンターから報告された。 分子生物学者であるCheresh氏の研究によると、VEGFは腫瘍に過剰に発現す . . . 本文を読む

EGFR(上皮増殖因子受容体)の予想外の役割が発見!

2008-05-21 | 癌の経路・因子
糖とシグナル:癌におけるEGFRの2つの役割 上皮増殖因子受容体(EGFR)は多くの癌細胞にみられる表面タンパク質で、薬物の標的として一般的となっており、シグナルを細胞内に伝達して増殖を促進することがよく知られている。今回、研究者らはEGFRの別の役割を発見した。5月6日のCancer Cell誌に掲載された研究によると、EGFRが必須栄養素である適量のブドウ糖の細胞への供給維持を助けているという . . . 本文を読む

MRIー磁気共鳴による効果

2008-05-17 | 癌の経路・因子
補足:MRIが細胞を正常化 低周波パルス磁気共鳴による細胞の再生は、西ヨーロッパで何十年のあいだ用いられてきた。この度、米国でも開始される。 ヒトの細胞は70兆個あり、それぞれが特有の機能をもっている。BioMed Wellness, LLC社代表である医師によると、正常細胞の細胞膜能力(potential)の平均は70~90ミリボルトで、病気によって20ミリボルトまで下がり、細胞の機能を果たせ . . . 本文を読む

ミトコンドリアの役割

2008-05-12 | 癌の経路・因子
PLoS Geneticsに発表された新たな研究で、細胞の中のミトコンドリア(またはWiki英語版の方が詳しい)が細胞分裂を促すドライバーの役割をしていることが示された。細胞のエネルギーの90%を生産するエネルギープラントの役割だけでなく、分裂速度まで指令しているとみられる。「この発見は、「宿主のエネルギー貯蔵庫」としての機能から「細胞分裂の司令塔へ」と、ミトコンドリアに対するこれまでの見解を変え . . . 本文を読む

癌における概日リズム(サーカディアンリズム)

2008-02-28 | 癌の経路・因子
地球の24時間自転周期に似たバイオリズムである概日リズム(サーカディアンリズム)がさまざまな方法で癌に影響を与えていることを示す動物実験や臨床試験によるエビデンスが増えている。 いろいろな種類のマウスによる実験では、概日リズムの混乱により様々な癌の発生率が増加することが示されている。また、疫学的調査では、昼夜シフト制で働くために概日リズムが狂った女性の乳癌と男性の前立腺癌の発生の上昇が判明した。 . . . 本文を読む

ビタミンCの新たな抗腫瘍作用(HIF-1)

2007-09-21 | 癌の経路・因子
30年近く前、ノーベル賞受賞者ライナス・ポーリング博士が癌予防に提唱したビタミンC(VitC)の補給であるが、ジョンズホプキンスの研究者らによって、VitC(おそらく他の抗酸化物質にも)当時探求されたとは別の機序をもって、腫瘍の増殖を阻害することがマウスで示されたことが今週のCancer Cell誌に掲載された。 当時から知られていた抗酸化物質の働きは揮発性活性酸素(フリーラジカル)の分子を捕らえ . . . 本文を読む

細胞内の血管新生阻害は深刻な副作用を起こす

2007-08-27 | 癌の経路・因子
長期間、細胞内部からの血管新生治療を行ったマウスでは、重篤で致死的な有害事象を発症する恐れがあることをカリフォルニア大学ジョンソンがんセンターの研究者らが証明して8月24日Cell誌に掲載された。腫瘍増殖を促進する血管内皮増殖因子(VEGF)シグナリング経路をブロックする新薬アバスチンは、内皮細胞の外部から血管新生を阻害する。アバスチンで約5%の血栓関連事象が起こる。研究者らは、最近第3相まで進ん . . . 本文を読む