少し古いですが、ショッキングな報告。
喫煙者は気道の上皮細胞の遺伝子、特に癌抑制遺伝子が変化し、しかもその変化は予想以上に長期にわたることがBoston University Medical Schoolで発見された。彼らは気道の上皮細胞の遺伝子を同定し、喫煙によってどのように遺伝子発現が変化するか、またタバコをやめることで修復するかを観察したところ、喫煙者では遺伝子の発現が97%変化していた。そ . . . 本文を読む
オーストラリアの Peter MacCallum癌センター放射線科からのCancerの報告。
すでに治療が不可能となった進行した非小細胞肺癌患者のうち、2337人が放射線の緩和治療を受けた。そのような患者の平均生存期間は通常5ヶ月未満である。
しかしーーー
この中で24人-100人に1人-が5年以上生存した。18人はその期間癌が悪化することはなかった。また、その24人中3分の1はその後さらに5年生 . . . 本文を読む
1月26日Sutent (sunitinib)(Pfizer Labs社)が、稀な胃癌GIST(消化管間質腫瘍)と進行腎臓癌治療にFDA初2つの適応への同時承認となった。
Sutentは、現在の治療薬グリベックに奏効しない、または忍容できないGIST患者に承認となった。中間解析の結果、無進行期間の中央値はSutent投与群で27週、投与しない群は6週であった。
進行腎細胞癌(RCC)患者の承認 . . . 本文を読む
Medscape Hematology-Oncologyより少しだけ紹介です。(再掲)
ラパチニブ(lapatinib)はEGFR(ErbB1)とHer2/neu(ErbB2)両方を阻害する2重チロシンキナーゼ阻害剤で小分子の経口薬。
乳癌、頭頸部癌、肺癌、中皮種、結腸直腸癌など多くの固形癌において試験中で、パクリタキセル、ドセタキセル、カペシタビン、レトロゾール、ハーセプチンなどの薬剤、ま . . . 本文を読む
癌細胞は、リンパ節転移、他臓器転移、血管新生のために、白血球マクロファージと交雑(ハイブリダイゼーション)することが、The Lancet Oncology12月号で発表された。この説はドイツの病理医Otto Aichel氏によって1900年代初期から提唱されていたが、Yale大研究者の10年以上にわたる研究の末、十分なエビデンスを得るに至った。
白血球マクロファージはわれわれのもつ最も動きの早い . . . 本文を読む
致死的な癌とされる膵臓癌の唯一の治癒方法である腫瘍の完全切除を目指した療法。通常の膵臓癌治療は手術後、化学療法と放射線療法であるが、Norris Cotton癌センターでは逆の方式をとった。化学療法でまず腫瘍を可能な限り縮小させることが肝要である。手術不能の患者も手術可能なサイズに縮小、その後手術を行った。
施設では24人の患者に高容量のドセタキセル、ゲムシタビン後、放射線と週2回の低容量ゲムシタ . . . 本文を読む
表在性膀胱癌に、切除術後のBCG膀胱内投与のみに比べ、BCGに加えてElectromotive (膀胱腔内電流)Mutamycin®(マイトマイシン)を加えることで有効な結果を得た。ステージpT1 の212人の被験者、追跡期間中央値88ヶ月の第2相試験。
従来から表在性膀胱癌治療に腫瘍切除後のBCG膀胱内投与は行われてきたが、高率での再発が問題であった。Electromotive Muta . . . 本文を読む
コレステロール降下剤スタチンは、癌の予防効果があるとして研究され始めていたが、JAMAの1月4日号によると、1996年から2005年の26のランダム化コントロール試験のメタアナリシスで、いかなる癌に対しても癌と癌死に対する減少効果はみられないと報告された。(JAMA. 2006;295:74-80) NCIスタチンと癌予防Q&A
追記:1月19日別の臨床試験で次の結果がでています。
「スタチンは . . . 本文を読む
サリドマイドとanthracycline系治療を受けている多発性骨髄腫患者において、低容量アスピリンが出血の合併症なく血栓のリスクを大きく減少させることがわかった。81 mg/dのアスピリンによって深部静脈血栓(DVT)または肺塞栓症が78%減少するとメイヨー・クリニックからの報告。
Dvd-T(ドキソルビシン/ビンクリスチン/デキサメタゾン+サリドマイド)療法を受ける患者を3つのグループに分けた . . . 本文を読む
56歳の女性がマンモグラフィーを受け、異常なしと診断された2週間後、MRIでくるみサイズの腫瘍が発見された。
乳癌検診のゴールド・スタンダードであるマンモグラフィー検査は乳腺密度の低い乳房(*一般に高齢女性)に有効であるが、乳腺密度の高い乳房では、ぎっしり詰まった細胞と腫瘍のX線による区別が不能になりうる。反対にMRIは乳腺密度の高い女性に有効であるが、保険が利かないため費用が高く、後に癌になる可 . . . 本文を読む