がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

米国臨床腫瘍学会(ASCO)ピックアップ(NCI)

2009-06-10 | 癌全般
 2009年ASCO年次総会からのピックアップ記事
米国国立癌研究所(NCI)キャンサーブレティンより

 卵巣癌再発予防目的の早期化学療法では生存期間の延長はみられず
奏効が得られた卵巣癌女性のうち、血中タンパク質CA125値に基づき再発防止のための化学療法を開始した患者では、再発の症状が発現したあとに化学療法を開始した患者と比べ、生存期間の延長はみられなかった。全文

癌研究ハイライト___
 肺癌検査で偽陽性と判定される割合が高い
CTを使用して肺癌の検診を行うと、偽陽性の判定がでる割合が高く、追跡検査や侵襲的な検査まで行うことになることがある。CTを用いた肺癌検診のリスクと利点はこれまでにも取り上げられていたが、今回の報告は偽陽性の結果が得られるリスクを定量化した初めての研究である。

 併用療法により胆道癌患者の生存期間が伸びる
シスプラチンとゲムシタビンの併用療法は、ゲムシタビン単独投与に比べて、進行・手術不能の胆道(胆嚢、胆管)癌患者の生存期間を数カ月延長させる(8.2ヵ月対11.7ヵ月)。

 乳癌治療薬が胃癌患者を救う
乳癌治療薬であるトラスツズマブ(ハーセプチン)により、進行胃癌患者の生存期間が延長したことが示された。標準的化学療法にトラスツズマブを加えた治療を受けた患者は、化学療法のみの患者と比較してより長期間生存するとの知見。

 HPVの状態から中咽頭癌の治療結果が予測可能
喉頭上部域に進行性腫瘍のある患者は、腫瘍がヒトパピロマウィルス (HPV)陽性の場合、良好な治療結果が得られている。食道癌(中咽頭癌)患者のHPVの状態と治療結果の関連性は他の試験でも示唆されているが、今回得られた第3相臨床試験の新たな結果はもっとも明確なエビデンスの提示となる。

 ベバシズマブは大腸癌の再発防止にならない
早期大腸癌治療で術後標準治療に分子標的薬であるベバシズマブ(アバスチン)を1年間追加投与した群と標準療法群とを3年間追跡調査したところ、ベバシズマブ追加投与群の無病生存期間(再発が生じない期間)を改善できなかった。

 DNA修復阻害剤に、進行性乳癌を治療できる可能性
2つの小規模の臨床試験から得られた知見によると、腫瘍細胞が持つ、損傷を受けたDNAを修復する能力を阻害する(PARP阻害)新しいタイプの標的薬が、治療の困難なトリプルネガティブ乳癌で有益である可能性がある。
______

 癌治療ワクチンが臨床試験で良好な結果 BiovaxID(濾胞性リンパ腫)、gp100:209~217(210M)ペプチドワクチン(メラノーマ)、Prostvac(前立腺癌)  全文



コメントを投稿