がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

放射線治療中の体重減少を防ぐ

2005-11-29 | 支持療法
Wake Forest大学バプテストメディカルセンターの研究者らの米国放射線腫瘍学会(ASTRO)会議での発表によると、女性ホルモン、プロゲステロンの合成薬である酢酸メゲストロール(megestrol acetate)が肺癌、頭頸部癌の放射線治療による体重減少を防止、QOLを向上させた。この薬は本来乳癌の抗ホルモン療法に用いられていたが、体重を増加させるという副作用が見つかり、その後の試験でHIV . . . 本文を読む

ハーセプチン早期乳癌への反論

2005-11-28 | 乳癌
New England Journal of Medicineでの2つの論文とEditorialに掲載のハーセプチン(トラスツズマブ)の早期限局性乳癌の有効性の発表に疑問を投げかけるEditorial(論説)がLanset11月号に掲載された。これまでハーセプチンはHer-2陽性の転移進行乳癌の治療に、すでに治療を受けた患者、またはタキソールとの併用初期治療として承認されているが、今回3つのランダ . . . 本文を読む

『がん戦記』三浦捷一医師著

2005-11-27 | トピック
医師主導治験へ導いた三浦捷一医師の癌との闘い総括です。 皆さんには「がん患者大集会」を実現された方としてご存知の方が多いでしょう。 来年度のがん情報センター実現も叶おうとしています。 本日発売につき、是非ご一読ください。表紙の写真は、三浦先生のクリニックでお見かけしたままのお姿です。 病床からメールが届きました。 『今月27日、講談社から「がん戦記」ー末期癌になった医者からの遺言ーが出版されます。 . . . 本文を読む

Zyotaxエストロゲン値の高いNSCLC患者で生存率改善

2005-11-23 | 肺癌
タキソールの新型薬Zyotaxは、タキソールの有効性を保持し副作用が少ない新型薬。この薬剤での利便性は証明されているが生存率には差はなかった。サブグループ解析によると、エストロゲン30pg/ml以上の女性患者では生存率が有意に向上している。 ・STELLAR3試験において高エストラジオール値の女性の生存期間の中央値は、Xyotax群で300日、パラプラチン/タキソール群で167日であった(p=0. . . . 本文を読む

オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)

2005-11-21 | トピック
オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)を伝える記事が11月15日のウォールストリートジャーナルの記事にありました。ほんの触りの内容紹介です。オーファンドラッグの法外な値段設定には驚かされます。原文はこちらから。 オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品): 患者数20万人未満(日本では5万人未満)の稀少な疾病のために設けられた、市場が小さくて採算が取れない医薬品に対する優遇認定制度。誰も治療しないと . . . 本文を読む

膵臓癌に増強化学療法+放射線/ミシガン大

2005-11-15 | 膵臓癌
診断後の平均生存期間が10ヶ月という膵臓癌に対してミシガン大学総合癌センターの新療法により1年を超えることが可能になる、また致死的な癌を治癒可能な癌に変えるかもしれないと期待している。膵臓癌の患者のうち腫瘍サイズが小さく手術可能であるのは1/6である。膵臓癌は他の癌と異なり、放射線+化学療法が有効でないことがその短い生存期間の理由である。 この試験的治療は放射線増感作用を持つゲムシタビンおよび他の . . . 本文を読む

脊椎傍(せきついぼう)ブロック 麻酔で乳癌手術

2005-11-09 | 乳癌
Paravertibral block(脊椎傍(せきついぼう)ブロック)麻酔によって乳癌の腫瘍摘出日帰り手術が可能になり始めている。この麻酔技術はDuke大学で開発された。Duke Univ.記事 胸部の手術は術中術後の疼痛管理が難しく(tricky)、これまでの全身麻酔での乳癌手術は大部分で術後の痛み、嘔気、嘔吐がみられる。この新麻酔技術は局所麻酔を手術後12時間という長い時間可能にし、嘔気その . . . 本文を読む

HER-2neu抗原の癌ワクチン

2005-11-07 | 乳癌
M.Dアンダーソン・キャンサー・センターの報告によると、HER-2neuを抗原とした癌ワクチンがリンパ節転移を有する局所乳癌患者の再発を低下させた。HER-2neuは、EGF受容体の1つで乳癌、卵巣癌、前立腺癌、非小細胞癌、大腸癌などで過剰発現がみられる。この癌ワクチンはHER-2neu腫瘍抗原に対して免疫反応を得るもので、HER-2neu蛋白質由来の抗原性ペプチドE75とGM-CSF(顆粒球マク . . . 本文を読む

MicroRNAとBcl-2蛋白/CLL

2005-11-03 | 血液、リンパ腫etc
オハイオ州立大学からのCLL(慢性リンパ腫)での研究。9/18 小分子MicroRNA(→遺伝子による新癌診断法/ハーバード大)はCLL他の癌に重要な役割を担っていることが報告された。MicroRNAは、Bcl-2蛋白質と密接な関連があることが以前に研究されている。Bcl-2は細胞が自殺する(アポトーシス)のを妨げる蛋白質で、1984年にCroce氏の研究によって発見された。CLLや他の癌患者の細 . . . 本文を読む