がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

前立腺癌Xinlay(atrasentan)(ASCO報告)

2005-05-30 | 前立腺癌
ホルモン不応性前立腺癌にXinlay(atrasentan) が、第3相臨床試験において生存率や無進行期間を改善させたとASCO2005で発表された。Xinlayは、経口の選択的エンドセリン-A受容体拮抗薬で、ホルモン薬でも化学療法薬でもない新しいクラスの薬である。1日10mgのXinlay対プラセボとの無作為試験でQOLを大いに改善、結果的に生存率(危険率0.49)や無進行期間(同0.57)、骨 . . . 本文を読む

サメの軟骨:無効、QOL悪化

2005-05-24 | 支持療法
血管新生を阻害する弱い作用が細胞レベル、マウスレベルで認められていたサメの軟骨であるが、ようやくヒトでの臨床試験で効果の検証がなされた。メイヨー・クリニックが行った無作為化二重盲験プラセボ対照試験で進行した乳癌と結腸直腸癌患者に投与した結果、全生存率やQOLに効果は全くみられなかった。むしろ、毒性がQOLを悪化させた。Cancer2005年7月1日号で発表される。John Wiley & Sons . . . 本文を読む

βグルカンがモノクロナール抗体の効果を増強

2005-05-23 | 癌全般
ベータグルカンが、リツキサンをはじめとするモノクロナール抗体やワクチンの効力を増強するかもしれないとの期待がもたれている。ベータグルカンは、日本でおなじみのきのこ類(レンチナン(1,6-.beta.)、PSK、シゾフィランは免疫賦活剤として日本で認可されている)、酵母のほか、オート麦、麦(1,3-.beta. and 1,4-.beta.)などに含まれる成分で免疫反応を高める。 メモリアル・スロー . . . 本文を読む

PI3K経路を阻害するSF1126(AACR報告)

2005-05-20 | 癌全般
PI3キナーゼ(PI3K)経路は、血管新生、アポトーシス、拡散、浸潤、転移などの多様な細胞機能制御する細胞シグナリングの決定的な遮断ポイントである。一つの経路を遮断すると代わりとなる経路が腫瘍の成長を刺激することがしばしば起こるが、PI3Kを阻害することで、その可能性を最小限に抑えることができると期待されている。また、このPI3K経路の活性はハーセプチンや他の治療薬、または放射線への抵抗性と関連が . . . 本文を読む

REVLIMID (lenalidomide) 多発性骨髄腫、MDS、CLL(ASCO発表)

2005-05-18 | 血液、リンパ腫etc
5月15日ASCO会議で、再発または難治性の多発性骨髄腫治療におけるいくつかの臨床試験で、REVLIMID(R) (lenalidomide) 併用療法は、無進行期間を劇的に改善したことが発表された。REVLIMIDとdexamethasone、プラセボと dexamethasoneを比較した2つの第3相無作為試験で、REVLIMID投与群の無進行期間は、60.1週と53.4週、プラセボ群では20 . . . 本文を読む

標的治療薬、いつまで服用し続けるべきか?

2005-05-16 | トピック
これまでの抗癌剤と異なり、スマートドラッグ(癌細胞だけを攻撃する治療薬)は、正常細胞への毒性が少なく癌抑制効果を発揮する。そのために新たな問題が台頭している。 何年もこれらの薬によって制癌効果を得ている患者は、あとどのくらい薬を使い続ければいいのかといった質問を投げかける。少ないとはいえ副作用に耐え、1ヶ月の薬代はグリベックやタルセバは$2400~$2100(25万円位)、アバスチンは$4400( . . . 本文を読む

子宮頸癌撲滅の可能性-2つのワクチン

2005-05-07 | 卵巣癌、子宮癌
子宮頸癌予防の2つのワクチンが子宮頸癌を根絶させるかもしれないと期待されている。 子宮頸癌の大部分はヒトパピロマウィルス(HPV)に感染することで発症する。GlaxoSmithKline社のCervarixとMerck社のGardasilは臨床試験において、若い女性らに注射し、子宮頸癌の原因とされる数種のHPVに対してあらかじめ免疫をつけることで子宮頸癌を予防した。Cervarixは昨年秋100% . . . 本文を読む

mTOR阻害剤AP23573

2005-05-06 | 癌全般
新たな経路であるmTORを阻害する薬剤AP23573(ARIAD Pharmaceuticals, Inc.)が、軟部組織および骨肉腫治療に4月20日FDAからファストトラック指定を受けた。 FDAからの承認は、再発または難治性、もしくはその両方の肉腫患者における第1、2相試験に基いている。 AP23573は、癌の成長を制御する主要なシグナリング蛋白であるmTORを阻害し癌を枯渇させ、VEGFをタ . . . 本文を読む