ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

馬鹿な、だから後進国と言われる

2019年03月28日 | カンボジアの生活



学生の一人が、卒業前に急死した。

私の講義は2回受講していて、うち2回目は一緒にプルサットにクメールルージュの調査で行った学生。

死因は末期ガンで、亡くなる数日前になって「もうダメだ」と家族に通知があり、本人も多分もうダメだと気付いたのではないかと。

カルメット病院で亡くなったそうなんだけれど、最後の15時間は苦しみぬいたそう。医者は巡回してくれたtけれど、「もうダメだから」と何もしてくれなかった。
ご両親が付き添って、苦しむ娘を支えたそう。



数日あまりもショックで沈黙していたのだけれど、一人で抱えててもダメだしと思って、医者の家庭で育った日本にいるベンツ氏にメールすると、「馬鹿な。だから後進国と言われる」という回答。
家族は医者を訴えるべきだ、との主張。ベンツ氏は奥様ががんで治療中なのでカンボジア旅行も延期していて、癌にそうとうセンシティブなのだ。

学生の初七日に行ったら、亡くなった学生の上司(私の元学生でもある、狭い社会なので)がいたので、ガンの話をしていたら、「実は私の義理の姉も昨夜乳がんで亡くなった」
胸にしこりがあって、おかしいと思いつつ、最後の最後まで隠していた。亡くなる数日前に顔がむくれて大変なことになり、カルメット病院に連れて行ったら、乳がんの末期だったそう。
「姉は、恥ずかしくて、夫にも病気を言えなかったみたい。乳がんって言葉を知らなかったかもしれない」

ちゃんとした病院に行っていれば、亡くなった学生も、もうちょっとちゃんとした治療を受けられたかもしれない。伝統医療に頼ったせいで、生き残られたかもしれない時間を失ってしまった。


↓たまに食べるとおいしい、いきていくって大変なことだ


「亡くなった人は、すべて終わったんだから、幸せと思いたい」と同僚は言っていたけれど、22歳の娘を失ったご両親の心痛は想像を絶する。

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