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現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ロン 僕のポンコツ・ボット

2022-02-18 15:34:17 | 映画

 2021年公開のイギリス・アメリカ合作映画です。

 友達のいない少年と、彼が手に入れたポンコツのロボット型デバイス(Bボット)との友情を描いた3Dアニメです。

 作品世界では、Bボットが友達を作るには必須のアイテム(現実世界のスマホのようなもの)なのですが、主人公だけは持っていません。

 やっと手に入れたBボットのロンは不良品で、友達ができないだけでなく、いろいろな問題を起こします。

 しかし、二人でいろいろな苦労をしているうちに、いつしか友情が芽生えます。

 そう、友達を作るのではなく、ロン自身が主人公の友達になったのです。

 最後は絵に描いたようなハッピーエンドですが、映像は綺麗で迫力があり、一見の価値はあります。

 

 

 

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チャンシルさんには福が多いね

2022-02-16 08:46:30 | 映画

 2019年公開の韓国映画です。

 支えつづけていた映画監督が急死したために、映画プロデューサーの職を失った40才の女性の話です。

 気がつけば、職だけでなく、お金も、家も、男も、子供もなく、青春は過ぎ去っていました。

 彼女と、その周辺の人々(大家さん、女優、そのフランス語の家庭教師など)との交流を、軽いコメディ・タッチで描いています。

 女優の家政婦をしながら、本当にやりたいことを探すのですが、なかなかうまくいきません。

 お決まりのように家庭教師に恋心を抱くのですが、あっさりと振られてしまいます。

 けっきょく、映画に回帰して、脚本を書きはじめるところでお話は終わります。

 この作品は監督(女性で、長く特定の監督のプロデューサーをやっていて、本作が監督としては初作品のようです)の実体験に基づいているようで、レスリー・チャン(香港の大スターで自殺しています)の幽霊が出てきたり、小津安二郎の「東京物語」の話がでたりと、かなりマニアックな映画ファン向けの作りになっています。

 こうした淡々とした日常を描く作品も、韓国映画にはあるんだなあとやや意外な感がしました。

 

 

 

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パラサイト 半地下の家族

2022-02-15 18:01:38 | 映画

 2019年公開の韓国映画です。

 建物の半地下に暮らす貧しい家族が、裕福な家族に寄生していく話です。

 ひょんなことから、兄が裕福な家の、娘の英語の家庭教師になり、そこから、芋づる式に、妹が下の子の絵画療法の先生に、父親が運転手に、母親が住み込みの家政婦になっていくプロセスは、格差社会への批判やユーモアがあって、非常におもしろかったです。

 しかし、すでにその豪邸の秘密の地下室に寄生していた別の夫婦が登場してからは、お互いに殺し合いに発展していくなど、あまりに荒唐無稽でついていけませんでした。

 特に、ラストで、裕福な家族の主人を殺害した父親が、そのまま秘密の地下室で生き延びるに至っては、韓国の警察はこんなに無能なのか(実際は違うと思いますけれど)と、驚愕しました。

 この作品が、カンヌ映画祭のパルムドールと、アカデミー賞の作品賞をダブル受賞したとは、とても信じられません。

 

 

 

 

 

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ワン・モア・ライフ!

2022-02-10 16:06:02 | 映画

 2019年公開のイタリア映画です。

 バイクで信号無視をして車にはねられて死んだ男が、天国の手違い(スムージーを飲んだ効果が計算されていなかった)で、1時間32分だけ生き返る話です。

 この時間設定が作品のミソで、それをほぼリアルタイムで描いて、男に人生を振り返らせます。

 しかし、浮気癖のあるさえない中年男に、振り返るべきたいした人生はなく、最後は家族(妻と娘と息子)との別れを惜しんでタイムアップです。

 ラストでは、再現事故を巧みな運転で切り抜け、家族のもとに無事に帰り着きますが、彼の浮気癖は直らないようです。

 人生なんて取るに足らないもの、しかしその取るに足らないものの中に幸せがあることを、この映画は主張しているのでしょう。

 他のイタリア映画の記事でも書きましたが、彼らは日本人とはかなり違ったメンタリティーの持ち主のようです。

 

 

 

 

 

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カメラを止めるな!

2022-02-05 17:11:48 | 映画

 2017年公開ですが、国内外のいろいろなマイナーな映画祭で受賞を重ねて話題になり、2018年にメジャーな公開がされています。
 前半は、廃墟でソンビ映画を撮影していたチームが本当のゾンビに襲われるというB級ホラー映画で、その終了時には実際にエンドロールも流れます(ところどころ放送事故のようなおかしな場面があって、出来栄えはイマイチなのですが、それが後半の伏線になっています)。
 中盤は、その映画の監督一家(夫は再現シーンなどのマイナーなフィルム専用の妥協ばかりしている監督、妻は元女優、娘も監督志望だが一切妥協しないのでADとして問題ばかり起こしている)を中心に、この映画(実は、30分ノーカットで生中継もされる)に関わる、いずれも一癖あるプロデューサー、スタッフ、キャストなどの紹介(それぞれのキャラクターが後半の伏線になっていますが、ここが一番つまらない)。
 後半は、ノーカット生中継のゾンビ映画などという無茶苦茶な設定と、いろいろなアクシデント(何かと撮影で手抜き(ゲロはNG、涙の代わりの目薬など)を要求する主演女優のアイドル、やたらとリアリティにこだわる主演男優のイケメン俳優、監督役の男優とメイク役の女優が実は不倫中で一緒の車で撮影現場に来る途中に事故を起こし来れなくなり、実際の監督と元女優の妻が代役をすることになる。監督は、次第に夢中になって、日頃と違って妥協しなくなる。元女優の妻は、やたらと役にはまり込んでしまって、本番中に暴走する(もともとそのために女優を辞めさせられていた)。アルコール依存症のカメラマン役の男優が差し入れの日本酒を飲んでしまって、本番前に泥酔してしまう。硬水が飲めない体質の音声役の男優が誤って硬水を飲んで本番中に下痢を起こす。クレーンカメラが落下して壊れてしまい、代わりに人間ピラミッドを組んでその上で撮影するなど)を乗りこえて、生中継をなんとか最後まで乗り越えていく様子を、ノンフィクションタッチで描いています。
 前半のゾンビ映画でのおかしな場面や、中盤で紹介されたいずれも一癖あるメンバーなどのすべての伏線が、後半のドキュメンタリーですべて見事に回収されていく腕前には感心させられ、上映中の満員の館内のあちこちで絶え間なく爆笑が起きていました(私自身も抱腹絶倒でした)。
 なお、八月ごろにこの映画の原案になった舞台関係者と一時トラブル(原案ではなく原作で著作権を侵害しているといった内容のようでした)になりましたが、その後解決したようです(この作品の面白さはどう見ても映画的な所ですし、興業的に大ヒットして大手の配給会社も関係するようになったので、金銭的にも納得のいく線で保障できたのでしょう)。

【映画パンフレット】カメラを止めるな! ONE CUT OF THE DEAD
クリエーター情報なし
アスミック・エース
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スペシャルアクターズ

2022-02-05 17:07:58 | 映画

 2019年公開の日本映画です。

「カメラを止めるな!」を大ヒットさせた上田慎一郎監督の作品なので、この映画も無名俳優だけによる素人感満載の映画です。

 依頼人に頼まれた状況に合った芝居をするという特別な芸能プロダクションによるプロジェクトに、主役の精神的な病気(緊張すると失神してしまいます)を持つ売れない役者が巻き込まれます。

 そのプロジェクトは、インチキ教団から旅館を守るという芝居なのですが、最後にもう一回り大きなプロジェクトが仕掛けられたというオチが用意されています。

 下手な芝居に目をつぶれば、結構笑えます。

 

 

 

 

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パーム・スプリングス

2022-02-04 18:07:28 | 映画

 2020年公開のアメリカ映画です。

 タイムスリップもののラブコメディです。

 タイムループに閉じ込められた男女が、他人(男にとっては恋人の親友、女にとっては妹)の結婚式当日の一日(目を覚ますたびに、その日の朝に戻ってしまいます)から抜け出すために四苦八苦する姿(よそへ逃げたり、自殺したりします)が結構笑えます。

 初めは、他人だった二人が、協力し合ううちに、二人の間に愛が芽生える姿にも納得がいきました。

 ただし、タイムスリップによるパラドックスの処理や最後にタイムループから抜け出す手段は、かなりいい加減です。

 

 

 

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アバウト・タイム 〜愛おしい時間について

2022-02-03 18:49:14 | 映画

 2013年公開のイギリス映画です。
 タイムトラベル(ただし自分の過去に戻れるだけ)の能力を持つ男性(父親も含めて一族の男はすべて、21歳になるとその力を持ちます)を主人公にしたファンタジック・コメディです。
 恋愛でも仕事でも、失敗したら何度でもやり直せるのですから、ある意味無敵で、かわいい彼女をゲットして幸せな家族を作ったり、落ちこぼれで身を持ち崩しかけていた妹も救えます。
 そういった意味では、けっこうキワモノなのですが、ストーリーを通して主人公が成長して、タイムトラベルの力を必要としなくなるラストがこの作品のミソでしょう。
 家族愛が非常に強く、特に大人になっても父親と仲良く卓球をしたりする主人公は、現代の日本人には受け入れにくいかも知れません。
 また、SFとしては、タイムトラベルのルールがかなりいい加減で、特にタイム・パラドックスの扱いはご都合主義です。




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パーフェクト・プラン 人生逆転のパリ大作戦!

2022-02-02 16:54:36 | 映画

 2017年公開のフランス映画です。

 モロッコから来た男性が、不法滞在による強制送還を逃れるために偽装結婚をします。

 しかし、その相手が親友の男性だったことから、ハチャメチャの大騒ぎになります。

 ドタバタコメディなのであまり堅いことは言いたくないのですが、LGBTQだけでなく女性や障害者への差別に関してもかなりルーズで関心できません。

 

 

 

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Gガール 破壊的な彼女

2022-01-30 18:11:33 | 映画

 2006年公開のアメリカ映画です。

 平凡な男性が、スーパーヒーローの彼女と知り合うことで、いろいろな事件に巻き込まれる、ハチャメチャなコメディです。

 そのうえ、彼女がとてつもなく嫉妬深くて、スーパーパワーを使って彼を拘束するのです。

 今度は、彼女からのがれるためのハチャメチャ・ストーリーが、彼を待ち受けています。

 徹頭徹尾バカバカしい映画ですが、最後にはそれなりのオチが用意されています。

 

 

 

 

 

 

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ステージ・マザー

2022-01-28 16:30:20 | 映画

 2020年公開のアメリカ映画です。

 テキサスの保守的な田舎町で暮らす主人公の女性は、長年会っていなかった息子の訃報を受け取ります。

 ドラッグ中毒で急死したのです。

 息子はトランスジェンダーでサンフランシスコ(カストロ・ストリートというその業界では有名なところがあります)でドラァグクイーンとして活躍し、そういった人たちが出演するショーパブを経営していました。

 彼女は、息子が亡くなったために混乱していた店やそこで働く人たちの生活を再建するために腕を奮います(人生経験豊富ですし、もともとショービジネスに関心がありました)。

 彼女のおかげで店は軌道に乗り、働く人たちもそれぞれの問題を解決する方向に向かいます。

 敵役の保守的で無理解な夫の存在や、それに代わる老いらくの恋の相手の出現など、かなり御都合主義な感じはしますが、音楽が素敵でドラァグクイーンたちのショーは一見の価値があります。

 

 

 

 

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フィギュアなあなた

2022-01-22 17:10:50 | 映画

 2013年公開の日本映画です。

 何をやってもうまくいかないオタクの男性が、偶然拾った等身大の美少女フィギュアと同棲する話です。

 ストーリー自体はどうでもいいようないい加減な物なのですが、最大の見せ場は佐々木心音(ここね)の演じる美少女フィギュアでしょう。

 ほぼ完璧な肉体と美少女フィギュアに徹した演技(?)は一見の価値があります。

 それに比べると人間になった時の彼女の演技(特に台詞回し)は格段に落ちるので、かなり興ざめします。

 

 

 

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ミッドナイトスワン

2022-01-15 17:19:33 | 映画

 2020年公開の日本映画です。

 元SMAPの草なぎ剛が、トランスジェンダーの主人公を熱演して、日本アカデミー賞を獲得しています。

 トランスジェンダーの主人公が、ネグレクトされていた親戚の女の子を預かり、次第に母性に目覚めてゆくという、非常に今日的なテーマをいくつも含んでいる点が評価されたのでしょうが、映画のできは言われているほど良いものではありませんでした。

 女の子と主人公、女の子と実の母親との関係の描き方が粗雑過ぎて、両方の間で揺れ動く女の子の気持ちが良く掴めません。

 また、その過程で、女の子はバレエの才能を開花させてアメリカに留学するまでになるのですが、どうも御都合主義的で、その成功を素直に喜ぶことができませんでした。

 全体に、煽情的なシーンが多く、こうしなければトランスジェンダーの問題を描けないのか、疑問に思いました。

 また、二つの死(主人公と、女の子の親友)が暗示される描き方にも感心しませんでした。

 とにかく話題先行的で、真の映画としての魅力には欠ける作品でした。

 

 

 

 

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プルートで朝食を

2021-12-25 10:50:56 | 映画

 2005年公開のアイルランド/イギリス合作映画です。

 女装の男性を主人公にしたコメディ映画です。

 といっても、LGBTQの問題を正面から取り上げた作品ではなく、性別を超えた自由人の青年の奔放な生き方を通して、1970年代のアイルランドやイギリスの世相(IRAとイギリス軍の抗争やグラムロックなどの新しい風俗など)を断片的な構成で、鮮やかに切り取っています。

 バックに流れるルベッツの「シュガー・ベイビー・ラブ」などの当時のポップスが、1970年代の雰囲気を醸し出すのに効果的です。

 難役の主人公パトリックを演じているキリアン・マーフィーの好演が光っています。

 

 

 

 

 

 

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セント・オブ・ウーマン 夢の香り

2021-12-25 09:58:47 | 映画

 1992年公開のアメリカ映画です。
 目が不自由で孤独な気難しい退役軍人の老人と、寄宿制の名門の進学高校(サリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(その記事を参照してください)で、主人公のホールデン・コールフィールドが通っていた学校を思い出しますね)に奨学金とアルバイトでなんとか学資を工面している17歳の高校生が、感謝祭期間のアルバイト(面倒を見ている姪家族が、感謝祭で夫の実家へ帰っている間、高校生が老人の世話をします)で知り合い、ニューヨークに出かけて(老人は最後の贅沢をした後で、拳銃自殺するつもりでした)、いろいろな贅沢(豪華なホテル、豪華なレストラン、若い美人とのダンス(タンゴ)、高級娼婦との一夜、高級イタリアスポーツカーでの疾走)を通して繋がりを深め、高校生が老人の自殺をなんとかおもいとどめさせます。
 そのお返しと言ってはなんですが、高校生が卑劣な同級生たち(金持ちのドラ息子たち)や俗物の校長に陥れられそうになった時に、老人は胸のすくような率直なスピーチで彼らの欺瞞を暴いて、高校生のピンチを救います。
 老人役の名優アル・パチーノが、渾身の演技で、ついに念願のアカデミー主演男優賞を受賞しました。

 

 

 

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