2020年公開の日本映画です。
元SMAPの草なぎ剛が、トランスジェンダーの主人公を熱演して、日本アカデミー賞を獲得しています。
トランスジェンダーの主人公が、ネグレクトされていた親戚の女の子を預かり、次第に母性に目覚めてゆくという、非常に今日的なテーマをいくつも含んでいる点が評価されたのでしょうが、映画のできは言われているほど良いものではありませんでした。
女の子と主人公、女の子と実の母親との関係の描き方が粗雑過ぎて、両方の間で揺れ動く女の子の気持ちが良く掴めません。
また、その過程で、女の子はバレエの才能を開花させてアメリカに留学するまでになるのですが、どうも御都合主義的で、その成功を素直に喜ぶことができませんでした。
全体に、煽情的なシーンが多く、こうしなければトランスジェンダーの問題を描けないのか、疑問に思いました。
また、二つの死(主人公と、女の子の親友)が暗示される描き方にも感心しませんでした。
とにかく話題先行的で、真の映画としての魅力には欠ける作品でした。