God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

さて、馬だ その3 附さて牛だ

2006-11-27 22:13:01 | 歴史/民俗/伝統芸能
前回の貴族の話、結局よくわかりません
やんごと無い人を 殿上人、下々のものを地下(じげ)人といいます。
つまり、地面に触れずにつねに建物のなかにいるものと、地面の上で暮らすものと
はっきりと分かれていたのです。殿上人は家から家へ牛車で移動します。
それはいわば廊下を歩くようなものです。それゆえ、馬に乗るときも
廊下の延長なので、特に緊急事態でなければ沓など履かなかったのかもしれません。
ま、これは勝手な想像ですけど。根拠はありません(笑)

では、中世の地下人や庶民たちはどんな馬に乗っていたのでしょうか?

こんな感じです。そまつな鞍の下にわらで編んだ敷物を敷いています。
そして、重要なことは轡(くつわ)をはめていないことです。
口の周りに環をかけて、そこから手綱を出しているので、いわゆる
噛み
の部分がありません。

アップですが、わかりますか?甚だしいものは、こんな感じで

口に籠をかぶせたものもあります。名付けて口籠、そのまんま(笑)
なので、馬に人を乗せるときには、多くの場合口取りをする人が一緒についていきます。
つまり、馬に乗れば楽は出来るけど、人が歩く以上の早さでは進まないということです。
なので、一般に馬は乗り物としてよりもものを運ぶために使われていました。


こんな感じですね。馬4頭に対して馬子が3人ついております。
俵がそれぞれ二つずつのせられていますが、それでは馬が運送の主力であったかと言うと
必ずしもそうではありませんでした。短距離の場合はこうです。

馬が一頭につき二俵なのに対して、牛は荷車を使って五俵運んでいます。
そうなんです、農耕にしても運搬にしても主力は牛だったのです!!
馬が活躍するのは山越えや長距離の運送など、牛に適さない条件のときが
多かったのではないでしょうか。もちろん、そうした傾向は近世までつづくのでしょう。

牛の、なんと力強いこと!!

ちなみに牛も馬も一般には放し飼いに近い状態だったりもしますが、
やんごと無いところではこうです。

牛も馬も家の中で普通に飼われています。曲屋なんかではなく、
しかも床ばりです。おそらく牛は牛車用の牛でしょう。
猿は馬小屋の必需品です。猿を見ると馬が落ち着くというような
迷信があったような話を聞いたことがあります。
お腹に縄をまわすというのは、柵なんかよりも簡単で効果的なようです。

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2 コメント

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Unknown (ひす)
2006-11-29 18:15:16
へ~!
となると・・
馬はバイクで牛は自動車?
な~んて。(=^^=)ゞ

坊さんこんにちは!
猫もお猿もつながれてるね!
なんて思っていいたら、
「落ち着く・・」
へ~、真偽はどうあれ面白いな~♪
馬のおなかの日も回しは賢いですね!
犬にも応用できないだろうか?

殿上人の移動のくだりで思い出したけど、
外国の誰かが以前、下駄を「移動用廊下」、雪駄を「携帯用畳」と表現していて、すごく納得しちゃいました。
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僕らはみんな生きている ()
2006-11-30 06:03:47
ひすさん、たくさんのコメント
ありがとうございます!!

猫がつながれていて犬が放し飼い
今とまったく逆ですね。

貴族に飼われている牛馬も
農民に飼われている牛馬も
それぞれ大切にされていた
事がわかります。

鹿は大事にされたり
狩られたりですが、
やはり殺生に対する
負い目のようなものが
あったともいます。
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