God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

萌え~~

2006-02-19 19:53:40 | 歴史/民俗/伝統芸能
といっても、アキバ系ではなく、神保町・お茶の水系の黴臭い話です(爆)

仕事柄、結構本を買うことがある。
考古学の世界も日進月歩で、新しい資料の発見によって
それまでの考えが否定されたり、あるいは確定したり。
だから、常に最新の情報を入手していることが理想なのだが・・・・
現実にはそうはいかないので、なんとか直接仕事に関連する部分を後追いしているのが現状。

その手助けになるのが「発掘調査報告書」なるもの。
いちおう、発掘調査が完了したものについては調査報告書なるものが刊行される。
これはその発掘調査でどんなものがどんな風に出ているのかを記録したものである。
もちろん、専門書のたぐいに入るもので、記録の羅列であり、一般向けの解説なんかは入らない。
で、この発掘調査報告書は一般に配布する場合があるが、もちろん一般書店では売っていない。
教育委員会や関係組織、専門書書店で入手するのが常だが
学会の会場にも時に大規模な、時にささやかな即売会が開かれる。
こんなときは会場に合わせてローカルな調査報告書が出ていたりするのでうれしい(笑)
そのほかいわゆるトレードつまり文献交換という手もある。こちらで刊行した報告書を送ると、先方で報告書を刊行したときに送ってくれたりもする。
このへん、あんまりフィギュアとか同人誌とかわんない(笑)
これらの報告書は販売部数が極めて少なく(10~50冊ぐらいか?)もちろんほとんど再版はしない。

その一方で、古典的名作というか、基本資料というのもある。
たとえば、縄文土器はおよそ10000年の長きにわたって日本全国で使われていたものである。
もちろん地域によって、時代によってさまざまに異なった土器があり、これらのほとんどには名前が付けられてる。
いわく、福田Z式やら椴法華式やら大洞A’式やら、花積下層式やら。
これら土器の名前は、主にその土器が初めてあるいはまとまって見つかった遺跡の名前をとって付けられる。

そして、その土器の勉強をするにはこうした土器の基準資料が見つかった遺跡の報告書から始めるのが原則となる。
しかしながら、こういったものは主に高度成長期になされており、
そんな古い本は持っている人に借りてコピーを取るほか無い。
運良く古書店の目録でみつけても、なかなか手の出る金額ではなかったりする。

で、わたしがちょっと気になってる、というか、
やはりこれを読んでいることが前提となっている一冊の報告書がある。(ほんとは何十冊もある)


関山式土器の標識遺跡である関山貝塚の発掘調査報告書である。
昭和49年に埼玉県教育委員会から刊行されたもので、ときたま古書店で見かけても8000~12000円くらいが相場である。
見たい、でも高い! 高い、でも見たい! 内容は同じでも気分的にコピーとオリジナルでは大違い。
これが、ヤフオクで2600円!そうなのだ。結構ヤフオクでは報告書が取引されているのだ!!
というわけで、報告書萌え~~の私は、3500円からはじめて、最終的に4200円で落とすことに成功!
もうすぐ我が家にやってくる。

ああ、報告書コレクター・・・というほどでもない(笑)

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2 コメント

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ほえ~~ (セイ)
2006-02-20 10:51:02
報告書が取引きされているとは驚いた~

欲しい人はみんな業界人で発掘人なんだろうか。

狭い世界だと思うのだけれどなぁ。

ところで、こんな夢想、、

Z会、法華経、法螺、花札、、、

土器は土の下で有意義に過ごしておるな。
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たらい回し! ()
2006-02-20 19:13:18
蔵書印の押されているものや

「贈呈」と書かれているものも

流通していたりして(笑)

自分の書いた報告書がちょっと高かったりすると

頬が緩む!?



バブル崩壊後は市場が冷え込んで、

よほどのものでない限り買い取ってもらえません。

でも、売値はあまり下がらないのは何故でせう(大謎)



いまだに古本屋巡り(ネットでですけど)なんてしてんのは

福島県では私だけかもしれない・・・かな?
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