God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

原始宗教を超えて(笑)

2005-06-25 18:18:33 | 歴史/民俗/伝統芸能
 古墳時代になると、ちょっと原始じゃなくなる(笑)まず、古墳というと仁徳天皇陵!!

こんなイメージでしょうかね??これはでかい。私たちが歴史の授業で習ったのは、このような、畿内を中心に分布する大型の古墳です。確実に刷り込まれています。

でも、こんな古墳もあります。

ぽこぽこ見える土饅頭が古墳です。新沢千塚古墳群と言って、直径10~30mほどの円墳が500以上密集してつくられています。こんな具合です。この黒い点々がすべて古墳!!

古墳は九州から青森まで、沖縄・北海道と離島をのぞく津々浦々に分布しているのです。あなたの家の裏山も、畑の中の高まりも、古墳かもしれません!?

 さて、古墳は弥生時代のお墓がエスカレートしたものであることは(厳密にはちょっと違うのかもしれませんが)前に書きました。ようするに遺体を埋葬する装置でしかありません。穴を掘って遺体を埋める。旧石器時代以来の伝統に、ややギミックが加わっただけでしかありません。ようするに遺体にあわせたサイズか、それよりも大きい墓か、ということです。

 では、古墳に埋められた人はどうなってしまうのでしょう??そうです黄泉の国に下りて行って、それっきりです。だから、イザナギがヨモツヒラサカを下って行って見つけたのは、朽ち果てたイザナミの肉体だけだったのです。
 つまり、古代人は「あの世」のイメージをまったく持っていませんでした。ただくらいところ、朽ち果てたものたちが集うところといった、漠然としたイメージがあるだけなのです。ああ、妖怪ハンター稗田礼二郎の世界にちょっと近づきました(笑)ちなみに「下りて行く」という言葉を使いましたが、古代人にとって下りて行く先は、今すんでいるところの社会をとりまく「山々の上」にあるという矛盾した観念。

 これが、仏教文化の伝搬(仏教伝来でないところがポイント)によって、明確な世界(他界)観が描かれるようになります。
それがこれです。九州の竹原古墳の壁画です。よく見えませんが、船が描かれているのは重要です。舟形埴輪というのもあちこちで出ていますし。



さて、古墳の壁画、
 高松塚はいうに及ばず、

珍敷塚古墳 

王塚古墳 など、抽象と具象のないまぜになったチャーミングなものが少なくありません。この絵の解釈については、暗黒神話をご覧ください。

 でも、何となくこの壁画たちからは仏教の香りはしてきませんよね?仏教文化の伝搬によって墓の概念がかわったというのはウソだったのか??
それは次の機会にご説明しましょう。ああ、また骨壺の話に届かなかった・・・
ネタを探して右往左往!!