もっこす亭の生きざま日誌

 「自然と人・人と人」の“いいかげん・いいあんばい”な生き方を求めています。

妻の闘病記 8

2011-03-26 13:26:20 | Weblog
 

 昨日の雨は明け方に湿っぽい雪になり、粗目上に積もる。
 日が昇るにつれて解ける。

 今朝も熊本の同級生F君から励ましの電話あり。
 昨日も水道通水ならず。朝から工事続く。

 ◇妻の闘病記 8
 昨日夕方、担当医から病状と今後の治療の見通しを訊きたいと面談を設定してもらった。
 こちらから頼んだことだが、正直に言うと恐い。逃げ出したい気持ち。
 しかし、いずれ確認せねばならないこと。 

 妻は集中治療室から4人部屋に移され、軽いいびきをかいて眠っていた。
 足はやっぱりすっぽんぽんだったが、温かかった。
 腰にはコルセットがつけられていた。

 しばらく待って、担当医と思われる男性からナース室に呼ばれる。
 頭の断層写真が並ぶ投影板?の前に座る。
 初対面、自己紹介なしに「どんなことを訊きたいのですか」と言うので、担当医だと判断。
 担当医として答えることは決まっていると思ったが「現状とこれからのこと」と応える。
 
 「あの人の、肺と骨盤はこのままで大丈夫です。問題は脳です。」
 とCTの写真を指しながら「最初の出血の塊は小さくなりましたが、MRIで診ると」と隣の黒っぽい写真を指し、
「全体的に損傷が見られます。脳挫傷といい、激しい衝撃で脳が強く揺さぶられてできたもので、一箇所からの大量出血より快復が難しいのです。びらん性じくさく損傷です。」
「あの人の場合、右側に軽い麻痺が見られます。左脳のダメージが強いと考えられます。だから右腕を上げられないでいます。また、言葉が出ないということは、言語中枢がやられていると思われます。あの人は失語症になるかもしれません。」
 
 これらのことは大体想定内のことだったが、医者に言われると真実味を帯びてくる。

 「他に訊きたいことは?」と言うので、「これからのことです」と応えると、
 「リハビリです。今流動食ですが、固形食にするなどの刺激を与えることが大事です。
あと一月くらいでリハビリ専門のところに移ってもらいますが、あの人の場合どこまで快復できるか・・・。どこか近くにありますか?」と訊くので
「山下の国立療養所」と答えると、後ろにもう一人の医者が来ていて「川崎町の   と二つある。」とアドバイス。
 
 そして、「あの人の場合、多分大丈夫だと思いますが、このセンターはまだ水道が快復していないので、100人の患者に転院してもらわなければならなくなりました。病棟によっては臭くなっている所も出てきました。清潔を保てなくなったのです。もし声がかかったら協力をお願いします。」と。窮状は分かるけど・・・?

 最後に説明した記録にサインを求められる。

 「分かりました。とにかくリハビリにかけるしかありませんね。」
 と言いおいて病室に。
 目を覚ましていた。「お~い、来たぞ。元気になっているなぁ」と声をかけて、手足をさすって後にした。
 
 それにしても、患者を“あの人”と呼ぶのが気になった。
 若いようだから我慢して聞いていたが、大事なことが欠けているのように思えた。
 
 外は氷雨。
 車の中で担当医の説明をぐるぐる思い出し、『想定内のことだけど、妻の人生のあんなことこんなことが消えるかもしれないと思いながら』前車のテールランプを見つめながらのろのろ帰った。

 自分の心の落ち着きどころを決めかねて、整備屋のSさんに寄ってみたものの見つけることはできなかった。 
                                空 虚
 夜、子どもたちから電話あり。
 
 今朝、妹から女は強いからね。医者の診立てどおりにならないかもよ!
 とはっぱが届く。


 
 
 


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