もっこす亭の生きざま日誌

 「自然と人・人と人」の“いいかげん・いいあんばい”な生き方を求めています。

「マグダラのマリア」と重なる「金賢姫さん」

2009-03-13 21:23:39 | Weblog
 12日のマスコミ各社は、金さんと田口さん家族との面会を報じた。

 金さんの呼び方は、当初“元死刑囚”。それから“元工作員”に変わったが、私には、とてもたまらない呼び方に聞こえた。
 特にNHKのニュースは繰り返しくりかえした。聞くに堪え難かった。

 確かに彼女がやった爆破事件は、後世までもずっと許されるものではない。だが、北朝鮮の為政者に翻ろうされた犠牲者でもあろう。それに今は、韓国で一市民として生きる市井の人である。
 
 新聞には、『抱いてもいいですか』の見出しも踊る。
 新聞には、しつこく“元工作員”がついてまわるが、耕一郎さんに日本語で 
 「こんなに大きくなったのね。一度抱いてもいいですか。」と語りかけ、抱き合った。
 そして「希望を持ちなさいよ。」「お母さんは生きている。努力すればあえる火が来ます。」
 更に「(わたしが)韓国のお母さんになります。」と、大変好意的に伝える。
 
 金さんの、この慈悲に満ちた声がけは、私の心にも深く届いた。
 “悪魔”にさせられた彼女は、年を経て今“聖母”になったように思われた。
 まるで“娼婦からマリア”と呼ばれるようになった遠藤周作描く「マグダラのマリア」のように思えたのだった。

 これは、私の受け止め方である。


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