もっこす亭の生きざま日誌

 「自然と人・人と人」の“いいかげん・いいあんばい”な生き方を求めています。

詩「地下足袋」

2011-02-10 11:52:57 | Weblog
  昨日の雨は止み、淡雪はすっかり解けた。
 蔵王山で雪を落した雲が、ちぎれながらゆっくりと太平洋へ向かっていく。
 
 ある新聞の投稿詩。 
 普段は目をやらない欄なのに「地下足袋」が呼んだ。
 
       地 下 足 袋
                         
冬が来てシルバーの除草の仕事が無くなり
それまで履いていた地下足袋を
正月あけに洗い始めた

外の水道でバケツに洗剤を入れて
地下足袋を浸して置き
束子でこすりだすと
山仕事に地下足袋を履いていた
父が思い出された

この山間の村で生まれ
一生この村を出ることもなく
八人家族を養うために働き
敗戦の戦後の食糧不足から結核を病み
「俺が死んだらあの世でも働くから棺桶に地下足袋を入れてくれ」
と言って死んだ父
「おとっちゃ今年も俺は負けないぞ」 
    
 作者金井利正さんとおとっちゃの思いが、土の香りとなって伝わってくるようだ。


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