昨日の雨は止み、淡雪はすっかり解けた。
蔵王山で雪を落した雲が、ちぎれながらゆっくりと太平洋へ向かっていく。
ある新聞の投稿詩。
普段は目をやらない欄なのに「地下足袋」が呼んだ。
地 下 足 袋
冬が来てシルバーの除草の仕事が無くなり
それまで履いていた地下足袋を
正月あけに洗い始めた
外の水道でバケツに洗剤を入れて
地下足袋を浸して置き
束子でこすりだすと
山仕事に地下足袋を履いていた
父が思い出された
この山間の村で生まれ
一生この村を出ることもなく
八人家族を養うために働き
敗戦の戦後の食糧不足から結核を病み
「俺が死んだらあの世でも働くから棺桶に地下足袋を入れてくれ」
と言って死んだ父
「おとっちゃ今年も俺は負けないぞ」
作者金井利正さんとおとっちゃの思いが、土の香りとなって伝わってくるようだ。
蔵王山で雪を落した雲が、ちぎれながらゆっくりと太平洋へ向かっていく。
ある新聞の投稿詩。
普段は目をやらない欄なのに「地下足袋」が呼んだ。
地 下 足 袋
冬が来てシルバーの除草の仕事が無くなり
それまで履いていた地下足袋を
正月あけに洗い始めた
外の水道でバケツに洗剤を入れて
地下足袋を浸して置き
束子でこすりだすと
山仕事に地下足袋を履いていた
父が思い出された
この山間の村で生まれ
一生この村を出ることもなく
八人家族を養うために働き
敗戦の戦後の食糧不足から結核を病み
「俺が死んだらあの世でも働くから棺桶に地下足袋を入れてくれ」
と言って死んだ父
「おとっちゃ今年も俺は負けないぞ」
作者金井利正さんとおとっちゃの思いが、土の香りとなって伝わってくるようだ。
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