『慶長五(1600)年九月十五日。霧の中、石田三成・徳川家康は一大決戦に臨もうとしていた。未明、松尾山の小早川秀秋の陣から、主の裏切りの気配を伝える密使が来た。三成は、小早川の陣と毛利の陣へ使者を送る。一方、家康は親・豊臣の福島正則らの動向に不安を抱いていた。主家・豊臣家の為、義に生きるか。旗色の良い側に鞍替えするか。裏切りを決めた主に忠誠を尽くすのか、叛旗を翻すのか。天下を取る。友情に殉じる。生きて妻のもとに帰る。十数万の兵たちの欲が激突する、血の一日が幕を開けた。戦国時代に情熱を注ぎ続けた著者の遺作長編。 』
関ヶ原についてはあまたの本になっているわけで、どう処理するのかと思ったら、群像劇に仕立てた。
月刊誌の連載だったので、きっと手を入れて出版されるおつもりだっただろうが、急逝によりそのまま出版。
ラストシーン、山本さんはどう答えさせるのか、家康の返答が聞きたいと思う。