俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

寒禽

2012-01-21 | 俳句・冬・動物


寒禽の木に集まつて暮れてきぬ

渡り鳥、留鳥にかかわらず冬に姿を見かける小鳥の総称。寒さに悴んでいる鳥を特に「かじけ鳥」という。何鳥かは遠くてわからなかったが、百羽ほどの寒禽が木に飛んできて止まった。じっとして動かず、いつしか日暮となっていた。

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乾きたる畑を歩(あり)くや冬の鳥


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枯野

2012-01-20 | 俳句・冬・地理


枯野きて悔いといふもの捨てにけり

草の枯れ果てた蕭条とした冬の野をいう。草の枯れた野は寒々として寂しい。枯野の中にぽつんといる人を「枯野人」と呼ぶ。枯野が広がっていた。このようなところは今ではなかなか見られない。枯野にきて、わだかまりとして残っていた悔いを忘れ去った。

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真つ向に夕日ありたる枯野かな


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冬菜

2012-01-19 | 俳句・冬・植物


電柱の影の起伏や冬菜畑

冬の菜類の総称。白菜、油菜、小松菜、水菜などがある。枯れ果てたなか、冬菜だけが目に沁みるように緑が鮮やかである。冬菜畑があった。近くの電柱の影がその畑に落ちていて、畑の起伏に沿って折れ曲がっていた。

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古戦場跡の冬菜に夕日かな


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寒鴉

2012-01-18 | 俳句・冬・動物


寒鴉夕日の中を翔けゆけり

冬の鴉のこと。寒さ極まる頃、鴉は餌を求めて人家に近づく。ごみ置き場などをあさったり、枯木や電線に止まって大きな声で鳴く。寒鴉が夕日の中を声を立てずに翔けて行った。その姿は大きく黒く、一種の神々しささえあった。

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声もなく頭上を翔けぬ寒鴉


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寒林

2012-01-17 | 俳句・冬・植物


寒林の黒黒とある夕べかな

葉の落ちて寒々とした冬の林をいう。「冬木立」と似ているが、「寒林」は林という広がりと寒さを含んだ季語。寒林があったので中に入ってみた。枯葉や枯枝を踏む音だけがしてしんと静まり返っていた。夕暮れの日に雑木はシルエットとなり、天へ伸びていた。

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寒林に燃ゆる入日となりにけり


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