春陰や伊豆殿堀の今もなほ
春の曇りがちの空をいう。
「花曇」の花時に限らず、初春から晩春まで使われる。
中国北宋の詩人蘇瞬欽の「春陰野に垂れて草青青たり」などの漢詩に由来する。
近代以降に使用されるようになった季語である。
「伊豆殿堀」は野火止用水のことで、知恵伊豆と呼ばれた松平伊豆守信綱がこの用水路を造ったことによる。
春陰のもと、伊豆殿堀には今もなお清らかな水が流れていた。
春陰や雑木林の横長に