全ては この絵から始まった
「老いた庭師」1885年
ベルギーの画家 クラウス・エミールの作である
今から20年ほど前だったと思う
ベルギーのリエージュ美術館所蔵の美術展が
東京で開催された
さして 絵画に興味はなかったが
女友達に誘われ 軽い気持ちで見に行った
入り口付近に、その絵はあった
たしか畳1枚ほどの大きさだったと思う
その絵の中の老人は 僕に声をかけたのだ
「兄さん、そこで何をしている」
庭から建物に入る、その場所に、僕は立っていた
庭師が仕事の途中で建物に入ろうとして
「僕」を発見したのだ
咎められ、僕は狼狽した
そして…僕と庭師は、無言で対峙した
対峙している間、彼は自分の越してきた人生を語った
雇い人から受けた理不尽な体験についても教えてくれた
労働の辛さ、花が咲いたときの喜び
やりがいについても語った
気がつくと、女友達の姿がない
僕がその絵の前に立ち 声をかけても返答せず
冗談のような長い時間立ち尽くしていたので
怒って帰ってしまったのだ
それほど、この絵との出会いは衝撃的だった
それから美術館巡りが趣味になった
(NY メトロポリタン美術館)
絵画鑑賞は、もっとも贅沢な趣味じゃないかと
個人的に そう思う
優れた絵画には 壮大なドラマがあり
素晴らしい音楽さえ聞こえてくるから…
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