50年代~60年代にかけて、米国では「煙草は健康に良い」と信じられていた
現役の医師が妊婦にも「喫煙」を薦めるというテレビCMも放送されていた
いま考えると恐ろしい「死への導き」だが、それらを影で操作していたのは
煙草業界だったのだ
映画やテレビ番組のスポンサーとして大金を投じ、その見返りに「劇中で魅力
的な喫煙シーン」をふんだんに盛り込めさせた。憧れのスターが重要なシーン
で煙草を吸う姿は若者たちをしびれさせた。「煙草はカッコいい」と思わせる
手は効を奏した。そして、今まで煙草を吸わなかった壮年はもちろん、主婦や
若者層にまで喫煙が浸透した。煙草の売り上げは飛躍的に伸び、比例して経営
陣のボーナスが破格のものとなった。しかし、喫煙習慣化率の高さと比例して
心臓病や肺がんなどの患者も増大したのだ
当時、意気盛んな一部のマスコミが、喫煙とがんの関わりを取り上げたが、煙
草業界は「因果関係は認められない」「喫煙は医師も奨励している」と記事を否定
した。彼らは市民の健康より、自らの利益を優先させたのだ。つまり「儲けの
ため、市民に毒を呑ませ続ける」ことを選んだのだ
後年、その狡猾経営は皆の知れるところとなり、煙草企業トップの“犯罪的”
思考が明らかになったが、当時は「アメリカを代表する大きくて立派な企業が
米国民の命を犠牲にする経営などするはずはない」と信じられていたのだ
「煙草は健康に大きな害を及ぼす」
これが定着したはずのアメリカだが、未だに喫煙率は下がらない。これには
煙草業界の政治家への莫大な献金や嫌煙運動への押さえ込みなどが関係して
いるという意見もあるが、習慣化する嗜好品の手強さも、また感じる
さて「金儲け」だけが目的化し、人々の心身に悪影響を与える商品を売る
悪企業は煙草企業だけではない
その中に「エロ漫画」「暴力漫画」を売る出版社があると思う。無垢な子供
の心に、過激な性的表現、暴力表現の漫画を読ませていいのだろうか
増える校内での暴力事件や幼い子供の早熟な性体験者の急増は、こうした
悪書の影響を否定できるのだろうか
いつか、悪書を売る出版社の“犯罪的”思考による経営が明らかになり
「性的漫画・暴力漫画は子供の心に害がある」というのが定着すれば
日本から悪書はなくなると思いたいが、経営者の思考が健全にならない
かぎり、悪書は生き延びるのかもしれない
煙草と悪書、もちろん薬物が消える社会となるには、一人ひとりの
心的変革しかないのだろう…
暑いから、まとまりのない散文となってしまった…