「へンくつ日記」

日常や社会全般の時事。
そして個人的思考のアレコレを
笑える話に…なるべく

「夢をあきらめる」のが、正しい生き方…?

2008年02月28日 16時43分50秒 | Weblog


ドラマ「ふぞろいの林檎たち」で有名な
脚本家の山田太一氏が
雑誌で以下のコメントを出した

『「あきらめるな」とよく言います。
 だから誰でもあきらめさえしなければ
 夢がかなうような気がしてきますが、
 そんなことはあまりない。
 頑張れば何でもできると思うのは幻想』

『普通がいいんだと思わなければ、
 挫折感ばかり抱えて心を病んでしまう』

『可能性のよき断念こそ必要』


なんとも後ろ向きな思想というか
“辛い現世は諦めて生きろ”的な
現実逃避宗教のような発想で
僕は支持しない

もし、だ
山田氏の思想が世の主流だったなら
現代社会の生活に必要な
殆どのものは存在しなかった
地球上にある、自然以外の殆ど全てのものは
(携帯電話の中の小さなネジひとつにしても)
人類の飽くなき挑戦の賜物なのだ

それを、「あきらめ思想」の人が
「挑戦の賜物」を享受しているとすれば
なんとも皮肉なことではないか

「人生とはそんなもの」と大人ぶって
山田氏のような意見を言う人を
僕は「生きる屍」と思ってしまう

山田氏は「挫折」を悪いもののように言う
しかし、宇宙は「挑戦と勝利」と「挫折と敗北」の連続だ
だが宇宙は成長することを「あきらめない」
人間の体内も、山田氏が意識するしないに関わらず
外敵の病原体と白血球は、壮絶な戦いを続けている
その闘いを白血球はあきらめない

山田氏は自身の白血球に言うがいい
「いつか僕は死ぬ。だから無駄な闘いだよ
 あきらめて良いよ」と…
そして「最初から生きるな」と言えばいい

彼がもっともらしく、インテリぶって説く
「あきらめ」は、人をどんより暗くさせ
輝かしい生きる光を消している
彼の説は「悪い言論」と言いたい


感動した話がある

1924年6月8日、英国人の登山家ジョージ・マロリーは
エベレスト登頂を目指したが、途中で行方不明になる



彼は以前、記者から質問を受けた
「何故、山に登るのか」

彼は答えた「そこに山があるからだ」

その彼がエベレストで行方不明になったのだ

それから75年後の1999年5月
標高8,160m付近で、凍りついたマロニーは発見された
頂上まで、後700mほどの地点だ
彼は、あと一息の所で力尽きたのだ

その姿は、うつ伏せで
頭は頂上を向き、手は上の岩を掴んでいた
彼は死ぬ寸前まで、登頂をあきらめなかったのだ




山田氏に言わせれば
彼は挫折した人間なのだろう
しかし、僕はそうは思わない
彼は、不屈の精神で
最後まで登攀をあきらめなかった英雄だ
英雄の生き様は、人に感動を与える
人に生きる希望を与える

だから、あきらめない生き方が正しいのだ

と…思うが、どうです、山田先生?



日記@BlogRanking ←諦めてたまるか!

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ブロガー(blogger)がアカデミー賞を獲得!

2008年02月26日 14時04分39秒 | Weblog
             コーエン兄弟


第80回アカデミー賞受賞式が煌びやかに開かれた
ご存知のとおり、作品・監督・脚色・助演男優賞に
ノーカントリー」が選ばれた


  渋い俳優 トミー・リー・ジョーンズ


 助演男優賞のハビエル・バルデム

初の監督賞・作品賞・脚色賞を獲った
ジョエル・コーエンとイーサン・コーエン兄弟は
僕の大好きな映画人だ
彼らの作品「ファーゴ」「レディー・キラー」
そして「オー・ブラザー」は特に気に入っている

NYに向かう機中で、米国大陸の中心に
「ファーゴ」の地名を見つけたときは
思い切りはしゃいでしまったことも懐かしい…

「オー・ブラザー」でジョージ・クルーニーらが歌う
カントリーソングが大好きで
いまでも気分のいい時は、つい歌ってしまう



そんな作品を作った彼らが
アカデミーの主要な賞を獲得したのは
僕としては大いに嬉しい
3月15日公開とか
是非、観にいきたい




さて、今回のタイトルだが
作品賞などにもノミネートされた
「JUNO/ジュノ」が脚本賞を獲った
作家は無名の新人ディアブロ・コディ女史
彼女は元ストリッパーで
根無し草のような生活をしていたという

彼女の趣味はブログ
日々、いろいろなことを書き綴っていた
そんな彼女のブログの愛読者にある映画人がいて
彼から「脚本を書いてみないか」と誘われ
初めて書いた作品が「JUNO」だったという
凄いシンデレラ・ガールだ
才能の芽は、どんな荒野に芽吹こうと
必ず発見され、表舞台で花咲くもの…
素晴らしいエピソードだ

別に作家になるだけが栄光の道ではないが
多くのブロガーにも励みになるお話しだ

大切なのは何事も「希望を捨てるな」かも
「希望」こそが人生の光だ
「絶望」は人生の闇

そういえば、ダンテの「神曲」の地獄編に出てくる
「地獄の門」には、以下の言葉が書かれている
“この門を潜る者は、全ての希望を捨てよ”と…


   ロダン作 「地獄の門」

アカデミーの話から地獄の話になってしまった
ま、これも商業文ではない
個人ブログの気ままな所
「ま、いいか」なのである


日記@BlogRanking ←ま、いいよね

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ヤ、ヤクが切れた…

2008年02月24日 08時22分17秒 | Weblog


イカン
花粉症の薬(ヤク)が切れた
買い置きがない
薬屋さんが開くまで
クシャミと鼻水との戦いだ

ファ~クション!

いゃあ、参った…


日記@BlogRanking ←花粉症の皆さん お大事に~
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HEROES

2008年02月23日 03時42分20秒 | Weblog


ヤバッ
軽い気持ちで借りて観たら
スゴク面白っ…



病み付きになるかも…



日記@BlogRanking ←ヤッター!


しかし、24にしてもLOSTにしても
結局、途中で止めて続かなかったから
これも同じ運命かも…

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日本人のマナー

2008年02月21日 18時35分37秒 | Weblog

ある大学教授の説によると
旅行者のマナーが悪い国民の
ワースト3は…

1 フランス人

2 中国人

3 韓国人

という…

だが、アジアを旅する旅行者で
もっともマナーの悪いのが
日本人 らしい 





特にタイでの日本人マナーは最低という
盗まれてもいない貴重品の
「盗難被害届」を出し、その書類を持ち帰り
日本で保険金を受け取る詐欺が横行しているらしい
犯行世代は、ごく普通の若い女性から年寄りまで、という

被害届を出した日本人観光客に対し
「ホテルの部屋に確認」すると言うと
多くが「じゃあ、結構」となるとか…
高価なパソコンが盗まれたというのに、だ

タイ警察の発表によると
日本人の盗難被害の半数が「詐欺」だったとか…
欧米の観光客に虚偽の被害届は殆どない
これがタイでの日本人の実態だ
こうなるとマナー以下
恥を知れ、だ


さらに「麻薬の運び屋」も
軽い気持ちで引き受けて
空港で見つかり逮捕され
懲役25年を言い渡された例もある
(現在28歳の彼女は服役中
 仮釈放のメドはたっていない)
タイでは麻薬犯罪は最悪死刑になる重罪だ

どうしてタイでは日本人が
犯罪者になるのか…
その理由に
「タイ人より日本人が上と思っている」
「タイ人は劣っているから 犯罪もバレない」
という差別意識があるからという

どんな環境にいても
毅然とした気品と誇りを持つ…
そんな意識は、日本人には薄いようだ

バレなきゃいい…

この発想は犯罪者の発想だが
タイだけでなく、日本にいる時でも
こう考える「下品な」日本人は多くないだろうか?

いずれにしても情けない限りだ

日本人のアジア蔑視の思想は
福沢諭吉の思想に由来する、との
学説を論ずる学者もいる
「西洋が上で東洋は下」という
福沢の思想は明治政府に浸透し
それが現代に続いている…と
その真偽は不明だが
日本人のアジア蔑視は
確かにある

「差別は下品」
「蔑視は自らを腐らせる」という意識を
もっと徹底させるべきだが
石原都知事のような○○主義者が
反対するかも…ね


日記@BlogRanking ←人間に甲乙・上下はない あると思うのは、自分に自信のない弱い人間の作り出した妄想だ  ただし、生き方には甲乙・貴賎はあるが…


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ダメ映画ベスト10発表!

2008年02月21日 14時55分06秒 | Weblog

日本版ラズベリー賞
(米国の“つまらない映画”に与える賞)
ともいえる「きいちご賞」(BY 週刊文春)が
発表になった

さて、その2007年度の最低映画は…



第1位:蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜(澤井信一郎監督)



第2位:恋空(今井夏木監督)



第3位:ラストラブ(藤田明二監督)



第4位:愛の流刑地(鶴橋康夫監督)



第5位:監督・ばんざい!(北野武監督)

第6位:どろろ(塩田明彦監督)

第7位:西遊記(澤田鎌作監督)



第8位:俺は、君のためにこそ死ににいく(新城卓監督)

第8位:HERO(鈴木雅之監督)

第10位:インランド・エンパイア(デヴィッド・リンチ監督)

第10位:殯の森(河瀬直美監督)


同じような趣旨で作られた
蛇いちご賞(スポーツ報知)を見てみると…

第4回(2007年度)

作品賞 「蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜」

男優賞 田村正和 (「ラストラブ」)

女優賞 菊川怜(「蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜」)
    長谷川京子 (「愛の流刑地」)

新人賞 Ara(「蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜」)
    松下奈緒(「未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜」)

監督賞 井筒和幸(「パッチギ! LOVE&PEACE 」)
    松本人志(「大日本人」)

特別賞 沢尻エリカ[3][4]

となっている…

いずれにしても
皆さんおめでとう
今後も日本映画の
低レベルのために
頑張ってください

※黒澤監督が生きていたら 
 これら映画をどう評価しただろう…
 日本アカデミーの表彰式で
 誇らしげに賞を受ける面々を
 恥ずかしくて見ていられなかったのは
 僕だけ…?

日記@BlogRanking ←日本映画 バンザイ…
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カミサンが卒業

2008年02月19日 02時12分32秒 | Weblog

通信制で大学に学んでいたカミサンが
5年間かかり、ようやく卒業する
立派な「法学士」だ
働きながら、家事をしながらの勉強
大変だったと思う
卒業式は3月21日だ
僕も父兄として参加する

やれやれ、という感じだが
今日、とんでもないことをのたまわった
「今度は教育学部で学びたい」だって…

う~ん
学ぶことは 良いことだ
協力する…と答えたが
さらに2年間…
僕の家事の手伝いは続く
トホホホ…

日記@BlogRanking ←この春卒業する皆さん おめでとうございます!
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コソボ独立宣言

2008年02月18日 09時29分40秒 | Weblog


バルカン半島・セルビア南部のコソボ自治州が
セルビアからの独立を宣言した
欧米諸国や日本は、独立を認める方向だが
当のセルビアは強く反発している

また、紛争が起こらねばいいが…

コソボには、イスラム教を信じるアルバニア人と
キリスト教一派のセルビア正教を信じるセルビア人が
住んでいる
その比率は、アルバニア人が9割と圧倒的に多い

歴史的にみると、コソボ自治州はセルビア領土で
この地は民族発祥の地・聖地だった
だが14世紀の後半、オスマン・トルコが攻めてきた
オスマンの圧倒的な軍事力に、セルビアは大敗を期す
敗戦後にやってきたのが、アルバニア人だった

負けたセルビア人にとってコソボは
「キリスト教を守るために
 イスラム教と戦い、犠牲になった地」なのだ

いわば宗教の怨念の地だ
だから、特別の思い入れがある
「イスラムからキリストを守れ」という
大義名分もあり、アルバニア人を弾圧もした



そのセルビアに対し
NATO軍が空爆をかけた
紛争に拍車がかかった
お互いに殺しあった
多くの罪のない市民が死んだ…

人を幸せにするためのはずの宗教が
人々を殺す原因になっている
人が「宗教の道具」になってしまった結果だ
宗教が堕落した結果だが
それを権力者は利用している

実は、上記の「過去の怨念」や
「宗教対立」「民族」云々を声高に言い出したのは
権力者が自らの権力保持のために言い出したことだ
その結果、旧ユーゴは分裂し
美しかったバルカン半島が
“欧州の火薬庫”と化した

(堕落した宗教と醜い権力が結びつくと
 こうなるのは、繰り返される歴史の教訓だ
 過去に日本でもあった
 国家神道と軍部権力者だ)

本来は、セルビア人もアルバニア人も
人懐っこく陽気で
チトー大統領が生きている頃までは
皆で平和に暮らしていたのだ


さて、コソボを支援する欧米諸国に対し
セルビアを擁護するロシアは対決姿勢を見せている
NATO軍も、当分コソボから離れないつもりという
また、きな臭いことにならなければいいが…


正しい教育を受けた人間は
自分の主張を“言葉”で伝え
理解させようとする
相手が理解しないと、さらに“言葉”を尽くし
さらに、相手の考えも理解しようとする
そうして、相互に理解する努力をする
彼らの目的は“平和”だ

主張を通すため、嫌いな相手を排除するため
軍事という“暴力”を行使するのは
愚かな犯罪者か低脳な野蛮人くらいなもの
彼らの目的は“究極のエゴ・戦争”だ


ブッシュ・アメリカやアルカイダや
チェチェンを攻撃するロシアや
ミャンマー政府やソマリヤのソマリ族や
ルワンダのツチ族やフツ族や
キム・ジョンなんだか
その他エトセトラ…
彼ら、正しい教育を受けた人間のはずの目的は
果たして…?


日記@BlogRanking ←暴力は絶対反対


矛盾するようだが
スタローンの「ランボー」や
セガールの「沈黙」シリーズなどの
暴力解決映画で興奮するのも事実
彼らが粘り強く「話し合い」で紛争を避け
平和な結末を迎えたら
観客は納得するだろうか…

エイリアンや侵略者にも
彼らなりの理屈があると
理解を示す結末は
人々に受け入れられるだろうか…

現実と映画は違う
違うけれど…


 
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友 遠方より来る

2008年02月17日 01時17分14秒 | Weblog


甲子園を目指す日本の高校球児を題材にした
米ドキュメンタリー映画「KOKOYAKYU」が
一昨年の夏、全米で放送された

米国で、日本の高校野球を取り上げた
ドキュメンタリー映画の製作は初めてとのことで
朝日新聞などで報道され
その後、WOWOWで放送された

実は、このドキュメント
僕ら夫婦のNYの親友T女史が
プロデューサーを務めた作品

彼女は日本人だが
監督やスタッフは
全員米国人

撮影のため来日した彼らと
東京で会ったが
皆 若く 創作の息吹に燃えていた
撮影はいろいろと大変だったようで
その他にも、スタッフ間の恋愛問題や
少ない制作費ゆえに食費もままならず
カップめんですごしたこともあったとか

本編では時間の都合でカットしたが
ヤンキースの松井にも取材
そのボツになったテープを見たが
松井が高校野球の素晴らしさを
とくとくと語っていた
カットしなきゃよかったのに…という感じ

さて、苦労の末、ようやく作品は出来上がり
全米での放送にこぎつけたのだ

その評価も好評で
米国マスコミも好意的にとりあげたようだ

作品のHPがこれだ↓

http://www.projectilearts.org/kokoyakyu/




なぜ、一昨年の話をするかというと
実はT女史が一事帰国していて
昨日は我が家に泊まった
僕の手作りのオデンを食べながら
夫婦と彼女3人で
楽しくワイワイ話したのだ

彼女は今朝 所用で関西に向かった
来週は再びNYに帰るという
彼女の住まいはブルックリンの一軒家
お邪魔したことがあるが
素晴らしいところ
我があばら家に泊まってもらうのは
本来なら恐縮してしまうところだが
夫婦の親友なので お互い気にしていない

次はどんな作品を作るのか楽しみだ
できれば僕の書いた作品を撮ってくれない?

題材?
そうねぇ…これから書くけど
痔の手術の話なんかどう?
手に汗握るサスペンスって感じで…


日記@BlogRanking ← 気が向いたら投票宜しく…

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ご覧になりますか?

2008年02月15日 02時22分51秒 | Weblog


若い頃から“痔持ち”だった
深酒をした翌日など、調子が悪くなる
どんよりと腰の辺りが重いのだ
いつも、その“存在”が憂鬱だった

25歳の頃だったと思う
それは痛飲した翌朝だった
腰のあたりの異常な熱と
例えようもない重い痛みで目が覚めた
寝返りをしようとすると激痛が走った

医者に行けばよかったのだが
まだ若かった僕は
その手の病院に行くのは
何より恥ずかしかったのだ
(今も…だが)
だから僕は、非科学的で原始的な
精神力による“自然治癒療法”で
治そうと決めた

僕は脂汗を流しながら
ひたすら布団の中で痛みに耐えた
少しでも動くと激痛が走る
父も19歳の頃、痔の手術をしたらしい
僕は弱々しい呻き声を上げながら
有難くない遺伝を呪った


そうして、ほぼ2日間
僕は布団から出られなかった
3日目、なんとか熱は下がり
出歩けるまでに痛みは和らいだのだ


そんな経験をしたにも関わらず
僕は相変わらず深酒をし不摂生をしていた
いつ暴れ出すか分からない不気味な“相棒”を
座薬と塗り薬で誤魔化しつつも…


それから10数年…
某有名作家と呑む機会があった
彼はシルクロードの旅から帰って間もなかった
旅の話に花が咲いた
話の最後に“痔”の話になった
とてもつない距離を車で旅した為か
重度の痔ろうになってしまったというのだ

「先生、実は僕も長いこと痔持ちで…」

そう告白すると、彼は
自分が手術をしたという
ある個人病院を教えてくれた

「ぜひ行きなさい
 僕の紹介と言えば
 きっと無痛手術をしてくれるから」と…

「はぁ…」

曖昧に返事をする僕に

「きっと行きなさい
 行ったかどうか
 電話で病院に確かめるよ」



こうなると行かない訳にはいかない
初診だけ受け、来院した事実を作り
そのまま帰るつもりで
僕は紹介された病院の門を叩いた

受付で名前を告げると
すでに作家先生から伝わっていたようで
中年男性の院長は笑顔で診察室に招いた

「じゃあ、パンツ脱いで」

「い、いきなり、ですか?」

僕は狼狽した
最初は、問診から始めると思っていた
それを、いきなり診察台に横になり
尻を突き出した格好になれと言うのだ

僕は人前で下着を脱いだことはない
(その…性的行動以外で、だが…)
医者とはいえ、それも男に
(僕は“組合”の人に好かれるが
 僕の方は大の苦手なのだ)
ついでに初対面の人間に
自分のでん部の、その奥を見せるなど
本来は絶対にあり得ないことだった

しかし…仕方がない

まな板の上の鯉状態の僕に
院長は容赦なく、その人指し指を
グリグリ、グイグイ…

「う、ううっ…」

手ゴメにされた乙女の気分だった
涙が頬を伝った…
「お母さん…ゴメンなさい」


そうして初診が終わった
院長の診断はこうだった

「小指の先ほどの腫瘍…
 ま、簡単に言うとイボ痔ですが
 3つほどありますね
 痛かったでしょう、よく我慢してましたね
 すぐ手術した方がいいでしょう
 ほおっておくと最悪の場合
 悪性に転化するかもしれませんから」

「悪性に転化!?」

驚いた僕は、翌日、手術することに同意した

手術は“壊疽(えそ)”方法だった
つまり、患部を裏返すように
引っ張り出し、突起部分の根元を糸で縛り
壊疽させて、痔を除去する手法だ

説明を聞いて、僕は失神しそうになった
しかし「最悪、悪性に転化」の言葉で
かろうじて勇気を奮い起こした


そして手術…
壁の時計の秒針を見ながら
僕は手術に耐えた
不思議なことに、1秒の進み方が遅い
麻酔を打ったはずだが、痛む
僕は小さく呻きながら
心の中で「もう二度と悪いことをしません」
「本当です。信じてください
 もー、本当に清らかに生きます」と
何度も、何度も誓っていた


後で時間をみると約30分ほどの手術だったが
僕には半日くらいに感じた

僕の手術を待合室で待っていた
カミサンに聞いた話だが
僕の呻き声は待合室にまで聞こえたという
雑誌を読みながら診察を待っていた
何人かの患者は、僕の呻き声に思わず
腰を浮かし、目は宙をさまよい
その後、雑誌に目を落としていても
明らかに、心ここにあらず
また呻き声が聞こえると
腰を浮かす…という感じで
中には、雑誌がさかさまの人もいたとか

それを、笑い転げながら話すのだ
「どんなギャグ映画より面白かった」と…


さて…
手術をしてから何度か消毒に通院
1週間後、抜糸をして完治となった
今は、早く手術をしておけば良かったと思う
憂鬱が消え、心晴れ晴れなのだ


その後、作家先生夫妻に会う機会があった
丁重に礼を述べる僕に
奥方が心配そうに聞いた
「その後如何です?」

「はあ、お陰さまでスッカリ良くなりまして
 あ、そうだ 手術の跡
 ご覧になりますか?
と、僕はベルトに手をかけた

奥方は慌てて
「い、いえ、結構です…」



日記@BlogRanking ←「ご覧になる?」

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火の粉の原因は…

2008年02月13日 15時55分50秒 | Weblog


健啖家(けんたんか)の僕が言うのも気が引けるが
「大食い」を扱った最近のテレビ企画は
いかがなものか…と思ってしまう

数人前のカツライス(写真)を
ペロリと平らげてみたり
それでも足りず
別のメニューを何人前も食べてしまう…
その「大食い」専門のタレントも
ゾクゾクと出てきた

なんだかなぁ…という感じ

テレビを見ていて思う
「あの凄い量の食べ物で
 何人の命を繋ぐことができるだろう」と…

食べられない人たちが
「食べきれず降参する大食いタレント」を見たら
どんなに悔しい思いをするだろうか…と


1日1ドル以下で暮らす人の割合を
貧困分布地図で調べると、以下のようになる…




日本や米国などは
1日1ドル以下で暮らす人間は
人口の1%以下になっている

※アフリカ中央部と北朝鮮などは
 統計がないため
 グラフに記入できない
 実際は相当ヒドイと思われる


濃緑のメキシコやロシアなどでは
1日1ドル以下で暮らす貧困層が2~5%
インドや中国人は20~40%
西アフリカでは実に60~80%の人が
極貧に喘いでいるのだ

(1ドルあればリッチな方だ
 実際にはその半分以下らしい)

この貧困地図は
教育程度の地図、紛争の地図
疫病の地図、短命の地図と重なる
不幸の最大の原因は“貧困”なのだ

貧困から来た紛争の火の粉は
北半球の西側諸国に飛んでくる
火の元の問題を解決せずにいると
いくらふり払っても
火の粉はいつまでも降ってくる

世界の人々が心を同じくして
本気で「皆を助けよう」
「全員に最低限の食料と医療を」
「全ての子供に教育を」と決めれば
火の元は消えるはずなのだが…


大食いするタレントの口元を見ながら
そんなことを思ったのだった

日記@BlogRanking ←貧困は辛い…
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ヤラセ  またヤッちゃったのね…テレ朝さん

2008年02月13日 04時08分11秒 | Weblog


志賀高原 ホテル銀嶺の関係者が
自身のブログに以下のことを記した

「今シーズンに入り始めて猿が来ました。
 昨日まで1匹も来ていません。
 マスコミが連れて来ました。
 やらせです!! 
 みんな迷惑しています。
 明日から(猿が)味をしめて毎日来ます」



事の次第はこうだ

今年1月下旬、志賀高原での猿害の撮影のため
テレ朝スタッフが辺りにエサをバラまき
猿を呼び集めて、それを撮影したのだ
それまでこの地域にあまり猿は出なかった、のにだ
                
この猿害
2月11日にテレビ朝日
「スーパーモーニング」と「ワイドスクランブル」で放送された

それを知ったホテル銀嶺の関係者が激怒
「環境省 野生動物保護官に告発」するという

明日あたり、おそらく
テレ朝は「一部スタッフの許されない行動」として
自分たちは「監督不行き届き」程度の
罪ですませようとするだろう…

しかし、だ!

現場スタッフに「猿害撮ってこい」と指示するのは
番組のDだ 

現場「撮れなかったらどないしましょ?」

D「どアホ! 何年テレビ屋でメシ食ってるんや!
  どうやっても撮ってこい、アホ、ボケ、カス!」

こうして現場は、無理にでも「いい絵」を撮ってくる

さて…Dはだいたい外受け社員だが
会議には当然、社員のPも同席する
Dは社員Pの眼前で スタッフに指示するのだから
社員が指示するのと なんら変わらない
だから「監督不行き届き」ではなく確信犯なのだ

さあ、どうしますテレ朝さん?
今まで何度やりましたかね、ヤラセ
今度はどんな言い訳をするか
僕としては楽しみなのです、ハイ…


日記@BlogRanking ←「ヤラセ」ほど素敵な商売はない



追記

アララ
告発した人間がしりごみしちゃった…
権力とケンカするのって大変なのよね
これ、僕の実体験…

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そろそろ…来た!?

2008年02月11日 17時37分20秒 | Weblog

この季節になると
鼻の奥が乾燥してヒクヒクしてくる

そろそろ…来たかな?

そう、花粉症なのだ

2000年の春に
それは突然にやってきた

北海道に産まれた僕は
傷の治りも人より早く
野生児を自認し
ヤワな都会人がなる
花粉症なるものをバカにしていた

それが…だ

クシャミと鼻水が止まらない
この花粉症に突然なり
以来、今日まで
苦しみの期間を過ごすこととなる

当初は風邪と勘違いし
風邪薬を飲んでいたのだが
全く利かないことで
それと判明したのだ

症状が厳しいときは
ハムレットの気分になる

「ああ、忌まわしいこの体
 ドロドロに溶けて
 露になってしまえばいいのに…」と


日記@BlogRanking ←「花粉よ、お前なんか大嫌いだ」
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本当の「タフ・ガイ」

2008年02月09日 04時38分15秒 | Weblog


先日、イギリスで
タフ・ガイ」を選ぶ
イベントが開かれた
写真のように、出場者は
火の中を走り抜け、川を歩いて渡った



報道では、どんな人間が
ベスト「タフ・ガイ」に輝いたか
紹介されていない

けれども…だ

本来の「タフ tough」な人間は
肉体的な屈強さではなく
屈強な精神の持ち主を指す
それは、数十分ばかりの
イベントで分かるはずがない

「タフ」
それは…

人生という過酷なロード・レースで
様々な苦難を乗り越え勝ち越え
“死”というゴールまで
弱音を吐かずに走りぬき
完走した爽やかな笑顔で
テープを切った者だけに授ける
誉れの称号のように思える

「彼はタフ・ガイだった」
「彼女は最後までタフに生きた」

真の「タフ」な人間は
名も知らぬ、市井の人々のなかに
数多くいる


日記@BlogRanking ←タフに生きるゾッ!
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目からウロコ

2008年02月06日 17時24分32秒 | Weblog


マスコミの世界を見渡すと
“ごう慢”人間はウジャウジャいるが
“謙虚”な人間は滅多にいない
謙虚ぶっている人はいるが
チョット突くと“ごう慢”と“特権意識”が
すぐに顔を出す

そう…
政治家や官僚を批判する人間たちが
実は、彼らと“同じ穴のムジナ”だったのだ

だから、マスコミ屋さんを
『正義の味方』と勘違いし信用すると
大きな判断ミスをすることになる

ある大学の教授が言っていた
「ごう慢で目が曇り焦点がズレているから
 正しく事象を捉えられない
 そういうマスコミは信用してはいけない」

そんなマスコミの情報を無条件に信じると
結局は、自分も“ごう慢”人間と同じ
ものの見方、考え方になってしまい
自らの目も曇ってしまう…というのだ

御説 ごもっとも…


ついでながら言うと
マスコミ屋さんにも体質があり
『思い切り右で~す』の目玉グループや
『左向け~左』のお日様グループ
さらには『権力を守れ』グループと
『権力を潰せ~』団体
その他『売り上げ至上主義』出版や
『性を俺らの好きにさせろ~』出版などなど

いちいち彼らに付き合っていたら
右よりの発言で行動は左
お金に目がくらんだハレンチな理想論者…と
なんだか支離滅裂な人格になってしまう
ご用心ご用心…


ま、それはそれとして…
この「ごう慢で目が曇」っていたことを
最近、自分の中にもあったことを意識した

ある高名な作家に対してだ
僕は彼をどこかで見くびっていた
「まあ、そこそこの作家」と…
ごう慢で曇った僕の目は
彼の作品を正しく見ることは出来なかった
まるでアリが象の大きさを測れないように、だ

だが、ある日 突然に
彼の作品の素晴らしさに気づいた
平易な言葉の影に隠れた
人間に対する深い慈愛が読み取れた
今まで何故に気づかなかったのか…

そこで初めて
自分の目が曇っていたことに気づいた
目からウロコとはこのこと
しかし、ウロコが取れて初めて
ウロコが付いていたことを知ったのだった

度の合わない眼鏡から
度の合った眼鏡に替えたときのような

「世界は、こんなにも鮮明で美しいのか…」

という、衝撃にも似た感覚だった



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コメント (2)
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