ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

生まれて初めての体験

2014年07月11日 20時23分57秒 | 雑記
唐突だが、現在グアムにいる。リゾートを楽しみに来たわけではもちろんなく、昨年のフィリピンと同じ、以前漂流したマグロ漁師の取材の一環で、17日頃からマグロ船に20日少々乗船する予定にしている。ということで、17日頃から一カ月ほど連絡が取れなくなるので、用事のある方はお早めにご連絡ください。

それはさておき、グアムまでの飛行機で生まれて初めての体験をすることになった。

今回、使ったのは仁川経由の大韓航空機。途中の仁川でちょっとしたトラブルがあり、トランジットだけの予定が、一度、入管を通って出国しなければならなくなった。トラブルというのは、成田の免税店で買ったお土産のお酒の袋が国際規格の透明なものではなく、このままでは搭乗できないので、一度大韓航空のカウンターに行って預け荷物扱いにしてくれというどうでもいいものだったが、お酒を捨てるわけにもいかないので、とにかく一度出国してカウンターに向かった。

カウンターでチケットを見せて梱包したお酒をあずけたところ、なぜか成田で取った座席が別の席に変更になったという。搭乗時間が来て、その変更になった17Jとかという座席に向かうと、その番号が見たらない。おかしいなと思ってCAにチケットを見せると、実はこの飛行機は最近では珍しいボーイング747で、私の席は二階席なのだという。ほお、二階か、初めてだなあと思って階段を上がったところ、なんとびっくり、そこにはビジネスクラス(ファーストクラス? 使ったことがないので、どっちが何なのかよく分からない)の座席がずらりを並んでいた。そう、いつも通りかかるたびに、こいつら良い座席に座ってんなあと羨望の眼差しで見ていた、あのマッサージチェアみたいなゆったりとした座席である。

もちろん私が買ったチケットは五万円代のエコノミークラス。しかし現実として私が座るべき17Jには、そのゆったり座席が鎮座ましましている。おお! 何たる神のはからい。どういう間違いかよくわからないが、とにかく私はこの立派な座席でグアムまで行けるらしい。貧乏人の悲しいところで、もしかしたら差額を後で請求されるのではないだろうか、確認した方がいいだろうかという不安が一瞬脳裏をかすめたが、まあ、さすがにそれはないだろうと気を取り直し、マッサージチェアに腰を沈めた。

ビジネスクラスのイスはすごいですね。頭部、腰部、脚部の三か所で角度の調節が可能。機能もマッサージ機能がないところをのぞくと、ほとんどマッサージチェアで、全部寝かしたらベッドになる。ただ、それ以外にこれといって感銘を受けたポイントはなかった。機内食もたぶんエコノミーと同じだと思われるものだったし。あれで一体、値段にいかほどの差があるのだろうか。

ビジネスだかファーストだかよく分からないが、とにかくもうあのクラスに乗ることは一生ないだろう。非常にいい体験をした。

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