ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

大武川一の沢大滝、だった

2012年02月04日 22時00分12秒 | クライミング
今週は先週のリベンジということで、再び大谷不動を予定していたが、雪の降り具合を鑑みるとどうも得策とは思えないため、ウッチ―と荒川出合1ルンゼに行くことにした。しかし出発五分前に急きょ気が変わり、大武川一の沢大滝に勝手に変更し、土曜日に日帰りで登りに行くことにした。

沢には先週登った人のトレースがついており、おかげで非常に快調に登ることができた。途中で先週の人の幕営地が現れ、そこを過ぎると、間もなく下の大滝というのが現れる予定だった。すると、それっぽい20メートルぐらいの滝が現れたので、間違いないと思い、それを越える。次にはいよいよメーンの大滝が現れるはずだ。すると、確かに滝は現れたのが、少し小さい。30メートルぐらいしかない。これじゃないのかな、とノーザイルで越えると、次にまた滝が。あれに違いないと、登り始めるが、また30メートルぐらいで終わってしまう。しかも、間もなく稜線に出そうな雰囲気になってきた。これは、もしや、どこかで沢を間違った……?

急いで下に戻ると、先週の人の幕営地の先が二股になっており、私たちは本来右股を登らなければならないところを、誤って左股を詰めてしまっていたのだ。間違った理由はいろいろあるのだが、簡単に言うと、雪の少ない南アルプスの日帰り山行ということで、なめたハイキング気分が抜けていなかったということだろう。事前に下調べもろくにせず、大滝がどこにあるのかも知らずに行けば、失敗は目に見えていた。沢をつめれば大滝がドーンと勝手に現れるもんだとばかり思っていたが、現れなかったというだけだ。

結局タイムアウトで下山。先週に引き続き、滝に登れず敗退。しかも今回は自分のミスということもあり、下山中はかなり憂鬱になった。なんであんな間違いをしたのかな。なんで俺ってこんなおっちょこちょいなのかな……。「このところ、おれら全然だめだな」と話すと、ウッチーがいった。「いやー、ぼく雪山は負け癖があるんですよ。昔三回連続で敗退して、会の人から、お前と行くと登れないと言われました」。なんだよ、お前のせいか。ほっとしたぞ。

来週こそ、リベンジ。他の人と行くから、たぶん登れるだろう。

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