ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

剱岳R4

2010年05月05日 10時30分47秒 | クライミング
連休は剱岳R4。日本で5本の指に入る「見た目が格好いいアルパイン・アイスルート」(かくはた選定)の一つである。山を登るうえで、ルートの見た目が格好いいかどうかというのは非常に重要なポイントで、こういうルートを登ると、ああ、おれ今、あの格好いい氷のガリーを登ってるんだなと、大変、自己満足にひたることができる。ナルシストクライマーにはお勧めのルートである。

登ったのは5月3日。R4を登るためにここ18年(15年? 13年? 忘れた)で4度(3度?)だかそれくらい通ったという同行のSさんによると、今年の氷結状態は過去に見たことがないというくらいばっちり氷っていて、なおかつ今後、何年も現れないだろういうくらいの好条件に恵まれた。

ネットの記録を見ると、1P目と2P目で苦労しているパーティーが多かったようだが、今年の氷の状態だと何の問題もなく登れてしまった。むしろ、問題だったのは私の左腕で、神経痛が悪化して伸ばすと激痛が走り、これはひどく問題だった(34歳なのに大変ですね、って誰かに言ってもらいたいなあ)。

実質4ピッチ。登りきると、長次郎の頭から氷雪におおわれたドーム右稜が切れ落ちていて、今度登る時はぜひあそこに継続したい、と思わせる光景だ。

ちなみにR4の下のR7かR8に、すごい氷瀑がかかっていた。登れないこともなさそうだったが、ギアが足りずに断念。今度、ここに来た時にこのルンゼがこれほど氷っていることはないだろうから、もう二度とお目にかかれないのかもしれない。



R7? R8?
コメント (9)
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