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感想:『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 7 死後の影響は生前』

2010年02月04日 21時51分39秒 | 入間人間
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈7〉死後の影響は生前 (電撃文庫)嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈7〉死後の影響は生前 (電撃文庫)
価格:¥ 536(税込)
発売日:2009-04-10


6巻で主人公死亡?という状況を受けて、大江湯女を語り手としてスタート。アパートで起こった殺人推理ゲームに首を突っ込むが、危機感は希薄。この作品らしい、と言ってしまえばそれまでだが。大江家を出たため、生活費に苦労する様が語られ、これまでにはない生活感が7巻の特徴かもしれない。
みーくん復活後は、死に掛けて解決といういつもの手順。その後のハーレム状態はなんだかなーと思いつつも、一方ではハーレムと呼べるのかも怪しいわけで、ただまーちゃんの出番が相変わらず少ない点は不満も残った。作者の手に負えないようなキャラだから仕方はないだろうけれど。

それにしても、なぜこのシリーズが人気なのか未だに謎である。
”文学少女”や『さよならピアノソナタ』を読んで苦痛を感じたのは、主人公を始めとするキャラクターの思考・行動にイライラしていたから。それは作者の考え方と相容れないと言ってもいい。”戯言”シリーズも同様だったが、そこには文体の魅力があった。その”戯言”シリーズの模倣のようにスタートした『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』だが、クセのある文体はしかしながら西尾維新の足元にも及ばない。未だに読み進めるのが苦痛である。ストーリーも展開もテーマも未熟としか感じない。
それでも手に取ってしまう魅力があるのも事実だ。主人公の思考や行動に対する違和感は先に挙げた作品よりも遥かに薄い。気持ちの悪い他人(家族も含む自分以外の人間に対する不信感)を前提としながらも、それでもまーちゃんという他者のために行動する主人公に惹かれるのだろう。関係性のみで成立しているような作品世界だが、それこそが今の日本の現状のようにも見える。

まーちゃんのヤンデレぶりが人気とも言えるが、むしろこの作品自体がヤンデレなのかもしれない。ところどころにあるデレを楽しむために、病みまくりの作品世界に浸るという。人が、特に若者が壊れているのは当たり前で、壊れ具合を競っているようなところまであるが、まーちゃんが頂点に君臨しているのでインフレを起こしていない点も救いとなっている。(☆☆☆☆)




これまでに読んだ入間人間の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸』(☆☆☆☆☆☆)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 善意の指針は悪意』(☆☆)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生』(☆☆☆☆)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 4 絆の支柱は欲望』(☆☆)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈5〉欲望の主柱は絆』(判定不能)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 6 嘘の価値は真実』(☆☆)


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1 コメント

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58Pの: (Unknown)
2010-06-29 16:43:36
えうえべおえとあづつりすがとても「あううぃどすいなのよ、なのについえすいぇのあが」、が、が、が、ぎ。

あれ、どういう意味ですか?
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