奇想庵@goo

Sports, Games, News and Entertainments

『けいおん!!』第二期は空気系として面白いと言えるのか?

2010年04月23日 22時38分32秒 | 2010春アニメ
「まいじゃー推進委員会!」さんのサイトで紹介されていたライトノベル『GJ部』を読んだ。
コンセプトは四コママンガ。1話4ページから成り、そのあとイラストなどが描かれた見開きが入る。1冊230ページほどに36話のショートストーリーが収録されている。
高校のGJ部という謎の部活の部室内だけが舞台で、ストーリー性は皆無。登場人物も4人の美少女と主人公の男子1人のみ。キャラクターはいかにもハーレム系といった感じ。
『ラノベ部』『僕は友達が少ない』『生徒会の一存』シリーズなど、ストーリー性の低い、平凡な日常を描こうという作品はあったが、更に一歩踏み出した印象の作品ではあった。しかし、残念ながら「空気系」ではない。

改めて、「空気系」とは何か述べておこう。
『あずまんが大王』によって成立したスタイルであり、その本質は美少女ハーレム系の世界から男性主人公を抜き去ったもの。それは単にその存在だけではなく恋愛要素ごと抜き去っている。ストーリー性を極力排除し、恋愛要素も取り去り、「日常」というファンタジーを作り上げた。
『ひだまりスケッチ』や『けいおん!』など四コママンガ発の「空気系」アニメがヒットしているし、そもそも『あずまんが大王』自体四コママンガだが、空気系がすべて四コママンガ発というわけではない。ストーリー性など若干有している『ARIA』シリーズなども「空気系」の範疇だろう。

ただ四コママンガ以外ではどうしてもストーリー性を付け加えようとする傾向となりがちだ。アニメ『恋姫†無双』シリーズでは、終盤になると取ってつけたようなストーリーが描かれる。
ライトノベルでも日常を描く作品はあっても「空気系」として成立している作品はいまだ現れていない。小説は他のジャンル以上にストーリー性が重視されるが、それでもストーリーの排除は不可能ではない。そこまで踏み出す勇気を持った作品の登場が待たれている。

2期となった『けいおん!!』は関西では2話まで放送された。2話は非常にうまくまとまった話だったが、その脚本の良さがかえって「空気系」としては違和感を覚えるものとなってしまった。むしろ投げっぱなしのような取り留めの無さこそが「空気系」の本道であり、上手いと思わせてしまっては「空気系」としては失敗とさえ思えてしまう。
まだ2話しか見ておらず、第2期の評価をどうこう言う時期ではまだないが、力を入れ過ぎては「空気系」の良さは活きないのではないか。杞憂に過ぎなければいいのだが……。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿