![]() | このライトノベルがすごい! 2012 価格:¥ 500(税込) 発売日:2011-11-19 |
ランキングの集計方法が変更され、順位に大変動が発生した。
これまで協力者アンケート、HPでのアンケート、モニターアンケートの3つを単純に集計してランキング化していたが、今回は「母数」の比率で換算し、その合計で順位をつけている。HPアンケート数がここ数年飛躍的に増えて人気投票的になってしまったことへの反省から生まれた集計方法ではあるが、最も母集団の少ない協力者アンケートの結果が強く影響するようになった。
HPアンケートは1434人、協力者アンケートは65人、モニターアンケートは103人。60位までの61作品についてはそれぞれのポイントが記載されているので、一人当たりのポイントを再変換して計算してみた。HPアンケートは1434/65倍、モニターアンケートは103/65倍して集計したランキングであえて61作品を取り上げてみたい。(61作品以外はデータがないのでHPアンケートランキングとは異なるはず)
☆作品(シリーズ)部門
■1位 「とある魔術の禁書目録」シリーズ
総合2位/HP 82.5(1)/協力者 15.4(51)/モニター 84(1)/再集計 1968.6
著者:鎌池和馬/イラスト:はいむらきよたか/電撃文庫/11年1位/10年9位
![]() | 新約 とある魔術の禁書目録(インデックス)〈2〉 (電撃文庫) 価格:¥ 536(税込) 発売日:2011-08-10 |
総合2位となったが、昨年同様の集計方法であれば2連覇達成できたのではないか。HPアンケートは「ソードアート・オンライン」と並ぶものだった。御坂美琴は女性キャラ部門で3連覇。本編は22巻刊行後、「新約」として再スタートした。TVアニメ2期目まで放送され、劇場版の製作も発表されている。
女性キャラ1位:御坂美琴,15位:インデックス,24位:打ち止め(ラストオーダー)
男性キャラ2位:上条当麻,4位:一方通行(アクセラレータ),23位:浜面仕上
イラストレーター2位:はいむらきよたか
■2位 ソードアート・オンライン
総合1位/HP 82.5(1)/協力者 43.1(24)/モニター 58(4)/再集計 1955.1
著者:川原礫/イラスト:abec/電撃文庫/11年4位/10年14位
![]() | ソードアート・オンライン〈8〉アーリー・アンド・レイト (電撃文庫) 価格:¥ 683(税込) 発売日:2011-08-10 |
総合1位を獲得。HPアンケートでもトップタイとまだアニメ化していない状況で堂々たる評価。アニメ化・ゲーム化も決定した。既刊8巻。キャラクター人気も上昇中。
女性キャラ2位:アスナ,12位:シノン
男性キャラ1位:キリト
イラストレーター3位:abec
■3位 僕は友達が少ない
総合6位/HP 59.2(3)/協力者 32.3(33)/モニター 42(9)/再集計 1404.9
著者:平坂読/イラスト:ブリキ/MF文庫J/11年2位/10年23位
![]() | 僕は友達が少ない7 (MF文庫J) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2011-09-21 |
1位を取るかもと期待されたが総合は6位。「残念」が売りだから仕方ないか。現在TVアニメ放送中。新たなファン層の獲得なるか?既刊7巻
女性キャラ3位:柏崎星奈,10位:三日月夜空,26位:志熊理科
男性キャラ13位:羽瀬川小鷹
イラストレーター1位:ブリキ
■4位 「物語」シリーズ
総合34位/HP 47.8(4)/協力者 0(54)/モニター 10(21)/再集計 1070.4
著者:西尾維新/イラスト:VOFAN/講談社BOX/11年12位/10年2位
![]() | 鬼物語 (講談社BOX) 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2011-09-29 |
総合34位だがHPアンケートでは4位で人気は衰えていない。現在11冊目で、次巻『恋物語』で完結予定。また、『傷物語』の劇場アニメ化、『偽物語』のTVアニメ化が予定されている。
女性キャラ7位:戦場ヶ原ひたぎ,29位:忍野忍
男性キャラ3位:阿良々木暦
イラストレーター24位:VOFAN
■5位 ベン・トー
総合3位/HP 42.5(5)/協力者 130.8(2)/モニター 0(32)/再集計 1068.4
著者:アサウラ/イラスト:柴乃櫂人/集英社スーパーダッシュ文庫/11年5位/10年8位
![]() | ベン・トー 7.5 箸休め ~Wolves, be ambitious!~ (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) 価格:¥ 660(税込) 発売日:2011-07-22 |
疾走する「バカ」ライトノベルが総合3位に。現在TVアニメ放送中。既刊は本編7冊と短編集2冊。
女性キャラ16位:著莪あやめ,26位:槍水仙
男性キャラ5位:佐藤洋
イラストレーター19位:柴乃櫂人
■6位 バカとテストと召喚獣
総合5位/HP 37.2(6)/協力者 27.7(44)/モニター 82(2)/再集計 978.3
著者:井上堅二/イラスト:葉賀ユイ/ファミ通文庫/11年3位/10年1位
![]() | バカとテストと召喚獣9.5 (ファミ通文庫) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2011-06-30 |
安定してベスト10圏内をキープする「バカテス」。TVアニメ2期目も放送された。既刊は本編9巻短編集4冊。12月に10巻が発売予定。
男性キャラ6位:木下秀吉,9位:吉井明久
イラストレーター11位:葉賀ユイ
■7位 俺の妹がこんなに可愛いわけがない
総合11位/HP 37(7)/協力者 24.6(47)/モニター 46(7)/再集計 913.8
著者:伏見つかさ/イラスト:かんざきひろ/電撃文庫/11年8位/10年12位
![]() | 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 9 (電撃文庫 ふ 8-14) 価格:¥ 578(税込) 発売日:2011-09-10 |
総合11位とベスト10からは陥落したが、TVアニメ放送後も人気は衰えず。既刊9巻。
女性キャラ4位:黒猫,7位:高坂桐乃
男性キャラ7位:高坂京介
イラストレーター9位:かんざきひろ
■8位 「涼宮ハルヒ」シリーズ
総合8位/HP 35.8(8)/協力者 15.4(51)/モニター 61(3)/再集計 901.9
著者:谷川流/イラスト:いとうのいぢ/角川スニーカー文庫/11年刊行なし/10年刊行なし
![]() | 涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小冊子付き) (角川スニーカー文庫) 価格:¥ 1,260(税込) 発売日:2011-05-25 |
4年ぶりの刊行となった『涼宮ハルヒの驚愕』は”事件”だった。総合でも8位でインパクトの強さがうかがえる。既刊11冊。さて、次はいつ読めるのだろう?
女性キャラ9位:涼宮ハルヒ,19位:長門有希
男性キャラ8位:キョン
イラストレーター7位:いとうのいぢ
■9位 神様のメモ帳
総合14位/HP 34.4(9)/協力者 30.8(37)/モニター 29(13)/再集計 835.7
著者:杉井光/イラスト:岸田メル/電撃文庫/11年10位/10年13位
![]() | 神様のメモ帳〈8〉 (電撃文庫) 価格:¥ 599(税込) 発売日:2011-09-10 |
夏にTVアニメ化もされた、今や杉井光の代表作と言える作品。既刊8巻。
女性キャラ5位:アリス
男性キャラ11位:藤島鳴海
イラストレーター4位:岸田メル
■10位 「ココロコネクト」シリーズ
総合12位/HP 32.9(10)/協力者 61.5(15)/モニター 4(25)/再集計 793.7
著者:庵田定夏/イラスト:白身魚/ファミ通文庫/11年14位
![]() | ココロコネクト ニセランダム (ファミ通文庫) 価格:¥ 630(税込) 発売日:2011-10-29 |
まだまだ知名度が高いとは言えないが、HPアンケートで10位に入る健闘。SF青春もの。既刊は本編5巻短編集1冊。
女性キャラ6位:稲葉姫子
男性キャラ29位:八重樫太一
イラストレーター8位:白身魚
■11位 アクセル・ワールド
総合21位/HP 24.7(11)/協力者 43.1(24)/モニター 12(20)/再集計 607
著者:川原礫/イラスト:HIMA/電撃文庫/11年24位/10年26位
![]() | アクセル・ワールド〈9〉七千年の祈り (電撃文庫) 価格:¥ 641(税込) 発売日:2011-10-08 |
『ソードアート・オンライン』の川原礫のもう一つのシリーズ。こちらもアニメ化・ゲーム化が発表されている。既刊9巻で10巻は12月刊行予定。
女性キャラ23位:黒雪姫
■12位 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
総合15位/HP 21.8(12)/協力者 72.3(8)/モニター 0(32)/再集計 553.2
著者:渡航/イラスト:ぽんかん⑧/ガガガ文庫
![]() | やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 ドラマCD付限定特装版 (ガガガ文庫) 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2011-11-18 |
再集計評価では新シリーズでトップの順位となった作品。ジャンルは残念系ラブコメ。渡航は『あやかしがたり』でデビュー。既刊3巻。
男性キャラ14位:比企谷八幡
イラストレーター25位:ぽんかん⑧
■13位 変態王子と笑わない猫。
総合17位/HP 20.5(13)/協力者 64.6(13)/モニター 8(22)/再集計 529.5
著者:さがら総/イラスト:カントク/MF文庫J
![]() | 変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2011-09-21 |
高い売れ行きを誇る作品。「本音と建前」をテーマとしたラブコメ。既刊4巻。
女性キャラ13位:筒隠月子,22位:小豆梓
男性キャラ22位:横寺陽人
イラストレーター5位:カントク
■14位 デュラララ!!
総合30位/HP 18.6(14)/協力者 0(54)/モニター 49(6)/再集計 488
著者:成田良悟/イラスト:ヤスダスズヒト/電撃文庫/11年9位/10年27位
![]() | デュラララ!!×10 (電撃文庫) 価格:¥ 578(税込) 発売日:2011-08-10 |
2010年にTVアニメ化された。協力者アンケートの評価が低く総合30位だが、その他のアンケートでは高い評価を得ている。既刊10巻。
女性キャラ28位:セルティ・ストゥルルソン
男性キャラ19位:折原臨也
イラストレーター14位:ヤスダスズヒト
■15位 「生徒会の一存」シリーズ
総合32位/HP 18.1(15)/協力者 0(54)/モニター 44(8)/再集計 469
著者:葵せきな/イラスト:犬神煌/富士見ファンタジア文庫/11年7位/10年5位
![]() | 生徒会の金蘭 碧陽学園生徒会黙示録6 (富士見ファンタジア文庫) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2011-10-20 |
ほぼ会話だけで成り立つインドア系ライトノベル。本編は既刊9巻、番外編が既刊6巻。ただ2011年に刊行されたのは番外編3冊のみで本編の進行が止まっている。まあ本編と番外編にどんな違いがあるのかは疑問だが。
男性キャラ10位:杉崎鍵
イラストレーター15位:犬神煌
■16位 ロウきゅーぶ!
総合28位/HP 17.9(16)/協力者 21.5(50)/モニター 30(11)/再集計 463.9
著者:蒼山サグ/イラスト:てぃんくる/電撃文庫/11年19位/10年15位
![]() | ロウきゅーぶ!〈9〉 (電撃文庫) 価格:¥ 557(税込) 発売日:2011-10-08 |
ロリが売りだがけっこうまともにスポ根している作品。夏にTVアニメ化もされた。既刊9巻。
女性キャラ14位:湊智花
男性キャラ20位:長谷川昴
イラストレーター18位:てぃんくる
■17位 ゴールデンタイム
総合18位/HP 17.5(18)/協力者 67.7(10)/モニター 0(32)/再集計 453.8
著者:竹宮ゆゆこ/イラスト:駒都えーじ/電撃文庫
![]() | ゴールデンタイム〈3〉仮面舞踏会 (電撃文庫) 価格:¥ 536(税込) 発売日:2011-08-10 |
『とらドラ!』の竹宮ゆゆこの新シリーズ。ライトノベルでは珍しい大学が舞台のラブコメ。既刊3巻。
イラストレーター29位:駒都えーじ
■18位 「文学少女」シリーズ
総合46位/HP 17.6(17)/協力者 0(54)/モニター 23(16)/再集計 424.7
著者:野村美月/イラスト:竹岡美穂/ファミ通文庫/11年6位/10年3位
![]() | 半熟作家と“文学少女”な編集者 (ファミ通文庫) 価格:¥ 630(税込) 発売日:2011-04-30 |
本編終了後も短編集や外伝が次々と発表されていたがついに完結。本編8冊、短編集4冊、番外編4冊となった。09年1位。
女性キャラ16位:天野遠子
イラストレーター6位:竹岡美穂
■19位 緋弾のアリア
総合40位/HP 14.1(19)/協力者 0(54)/モニター 35(10)/再集計 366.5
著者:赤松中学/イラスト:こぶいち/MF文庫J/11年26位/10年28位
![]() | 緋弾のアリア Ⅹ (MF文庫J) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2011-07-22 |
2011年春にはTVアニメ化もされた。既刊10冊で11巻は12月に発売予定。
イラストレーター17位:こぶいち
■20位 狼と香辛料
総合19位/HP 12.4(22)/協力者 52.3(19)/モニター 19(18)/再集計 356
著者:支倉凍砂/イラスト:文倉十/電撃文庫/11年27位/10年19位
![]() | 狼と香辛料〈17〉Epilogue (電撃文庫) 価格:¥ 557(税込) 発売日:2011-07-08 |
2006年にスタートした異世界ファンタジー。本編に続き最終17巻の短編集で完結した。TVアニメ化2期。
女性キャラ19位:ホロ
イラストレーター27位:文倉十
■21位 羽月莉音の帝国
総合16位/HP 12.3(23)/協力者 81.5(7)/モニター 0(32)/再集計 352.9
著者:至道流星/イラスト:二ノ膳/ガガガ文庫/11年38位
![]() | 羽月莉音の帝国 9 (ガガガ文庫) 価格:¥ 660(税込) 発売日:2011-10-18 |
経済を扱った独特のライトノベル。スケールの大きさとスピード感が魅力。既刊9巻。
■22位 とある飛空士への恋歌
総合37位/HP 13.4(21)/協力者 40(26)/モニター 0(32)/再集計 335.6
著者:犬村小六/イラスト:森沢晴行/ガガガ文庫/11年17位/10年32位
![]() | とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫) 価格:¥ 660(税込) 発売日:2011-01-18 |
『とある飛空士への追憶』に続く「飛空士」シリーズ第2弾。全5巻。
イラストレーター26位:森沢晴行
■23位 のうりん
総合24位/HP 12.3(23)/協力者 61.5(15)/モニター 0(32)/再集計 332.9
著者:白鳥士郎/イラスト:切符/GA文庫
![]() | のうりん 2 (GA文庫) 価格:¥ 630(税込) 発売日:2011-11-16 |
GA文庫で『らじかるエレメンツ』(2010年45位)『蒼海ガ-ルズ!』(2010年39位)と「このラノ」で評価を受けている白鳥士郎の新シリーズ。農業高校が舞台のギャグ&ラブコメ。既刊2巻。
■24位 烙印の紋章
総合49位/HP 13.7(20)/協力者 23.1(48)/モニター 0(32)/再集計 325.3
著者:杉原智則/イラスト:3/電撃文庫/11年-位/10年-位
![]() | 烙印の紋章 9 (電撃文庫 す 3-23) 価格:¥ 662(税込) 発売日:2011-09-10 |
2008年からスタートしたファンタジー。ランクインは初めて。
男性キャラ15位:オルバ
■25位 IS<インフィニット・ストラトス>
総合45位/HP 12.1(25)/協力者 0(54)/モニター 30(11)/再集計 314.5
著者:弓弦イズル/イラスト:okiura/MF文庫J/11年54位/10年-位
![]() | IS〈インフィニット・ストラトス〉 7 (MF文庫 J ゆ) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2011-04-08 |
2011年1月よりTVアニメ化もされたロボットバトルもの。既刊7巻。
女性キャラ11位:シャルロット・デュノア
男性キャラ27位:織斑一夏
■26位 キノの旅―the Beautiful World―
総合20位/HP 9.5(31)/協力者 23.1(48)/モニター 50(5)/再集計 311.9
著者:時雨沢恵一/イラスト:黒星紅白/電撃文庫/11年21位/10年22位
![]() |
最新の画像[もっと見る]
|
アニメを見て、はがない読んでみたくなったファンがここに一人いますよ!
でも完結するまで買いません(ぉい
完結前に買うと終わらなくなるジンクスが怖いのでw
とりあえず恋物語ですかねー、楽しみなのは♪
http://kiten.blog.ocn.ne.jp/kisouan/2011/11/2011tv2012_591f.html
平坂読は『ラノベ部』もあっさり3巻で終わらせちゃいましたし、あんまりずるずると続けないように思いますけどねw
物語シリーズは早く追いつかなきゃと思いつつ、全然読めなくて(´Д⊂
というか読書の時間が全然取れてませんね・・・P3F終わらないとダメっぽいwww
前者で今回ランクインしてるのだと、青春ラブコメ~はつい最近名前を知っただけで未読だったり、評価を云々できるほど読んでないですけど(苦笑)。
カンピオーネとか、既に相当数出てる作品は読む前から(読もうとすれば、ですが)挫折気味です。
他でも書きましたが、ラノベとしてはマニアックすぎるかなと。
日本では純粋なエンターテイメントへの評価が低いと常々感じていて、これまでもそれについて書いてきました。有川浩が賞と無縁なように、選考されるタイプの賞ではテーマ性だとかオリジナリティだとかが優先されがちです。
ライトノベルへの評価の仕方は様々あると思いますが、まずはエンターテイメントであるべきという思いがあって、それが今回のランキングへの違和感になったと思います。
今回のランキングを見て、エンターテイメントの評価は人気投票で十分なのかもと思ってしまいましたが、どうなんでしょうねw
>SAO
多種多様な作品が受けていますが、それでもやはり少年ジャンプ的な王道バトル路線は強いんでしょうね。(というか10年代に入って回帰してきた感じでしょうか)
>ランクイン
今回ランクインした作品で読んだことのあるのは1/3程度でした。読みたい作品はもっとあるのですが、なかなか読めません(´Д⊂
協力者アンケート上位作品で初めて名前を知ったような作品がいくつかありますが、かえって手を出しづらく感じるのはただの天邪鬼だからでしょうw
難解な設定そのものは構わないとして、それをどう提示するかの違いというか。電撃の「ウィザーズ・ブレイン」の場合、設定は半ば描写に依存させてしまう手法を使っていますが、それならSAOやアクセルワールドの方が潔いかもしれない、とも思えてしまうんですよね。禁書が能力それぞれに一応の説明を個別に提示して、それが受け入れられているのを考えると、キャラの魅力と、能力のインパクトに引いて貰う面もあるのかなとは思うのですが……。
価値観の差などを提示していく手段として、円環少女の設定はSFしているな、とは思いました。
>賞
ただ面白い、というのは褒め所を見付けづらい、というのもあるのでしょうね。
ジャンル小説で、技巧やテーマが作品の売れ行きと直結していたりするミステリやSFとは条件が違うかなと思います。伊坂幸太郎は色々な手段で褒める事は可能ですけど、ライトノベルのようなジャンルだと条件が極端でしょうし。
もちろん、語られる面白さ、難解だけど面白い作品はたくさんありますし、それはそれでいいのですが。昔ほどではないにせよ、日本ではエンターテイメントは軽視されています。ジャンル小説として評価するのであればエンターテイメント性以外の部分でどんどん評価すればいいと思いますが、ライトノベルの場合はエンターテイメント性以外の評価基準を強く前面に出すことには抵抗を感じてしまいます。
この辺りは以前から何度も書いていることですが(苦笑
円環は以前から一部で高評価でしたし、SFとしてランキング1位とかなら納得するんですけどね。ライトノベルとして4位というのは腑に落ちないと感じてしまいました。
まあ私が今いちばんおもしろいと感じるラノベは『羽月莉音の帝国』ですが、これがベストテンに入ってたら多分おかしいって思っちゃうかとw
まあ正統なラノベがどんなものかはどんどん変わっていくのでしょうが・・・。
京極夏彦作品は色々な見方はあれ、エンタメとして楽しめる、と思ってます。
羽月は、面白いけれど「なんとなく違う」と言えてしまうのが難しい所ですね(苦笑)。
題材そのものへの共感もそうですけど、いざラノベとして提示されて、それがベストテンに入ってくるとなると既存の作品が構成してきた部分に抵触してしまうのかかもしれません。良くも悪くも続きが気になるし、最終巻でどんなビジョンを提示して終えるのか、ですかね。ドラッカーはできてもこれのアニメ化は多分ないだろうなーと(苦笑)。
「正統派」の定義も徐々に変わってはいるのが現状なんですよね。バトル物は漫画的であることも含めてわかりやすい、というだけの話でもあるので。
十年代から正統派の復権があった……と理解できるほど読んでないのですが、SAOとかAWの支持にはその片鱗を感じています。(舞台から作った)ハイ/ローファンタジーには辛いジャンルにもなりつつあるので、物語重視の作品、という事にはなると思うのですけど。ガガガ文庫だと、飛空士シリーズとかそんな感じかなと思えますね。電撃は大手でも、正統派で息が長く、テーマも王道、と言える作品で目立っているのがランキング上位の作品しかないように感じたり(苦笑)。
日常系が正統派となるには違和感が凄いですけど、ネタさえ強調できるなら、その中の一つには食い込んでくるのかなと思えてます。
エンターテイメント性に突出という意味では有川浩がいま最もそれに近い存在だと思いますが、「シアター!」の作中で語るように、そういった作品を軽く見る風潮は古くから日本ではありました。
読者の側もテーマ性のある作品の方が優れていると思っている人が多いかもしれません。
時に、なんでこんなのが?と思うような作品がヒットすることもあるので、人気投票が優れたエンターテイメントを計る手段足りえるかは難しいところですが、批評家が掲げるテーマ性うんぬんが純粋なエンターテイメントとは相いれないことは間違いないでしょう。
コミックなんかもやっぱり売れている作品が純粋に面白いと言うべきかと最近は感じています。
>羽月莉音
あの作品もライトノベルというよりは一種のアジテータみたいなノリが魅力なので、エンターテイメントの持つサービス精神とはちょっと異なるように感じますね。
とはいえ、ライトノベルのサービス精神はオタク限定に向けられている風潮が最近強くなりすぎていて、そればかりになるとジャンルとして厳しくなっていくかもしれませんが。
ただ大手だとある程度の売り上げがなければ続いていかない状況でも、レーベルによってはある程度の固定客がつけば継続できる可能性もあり、今後電子化などが進めばより多様性のある環境になっていくかもしれません。
作家名だけで売れる場合はともかく、ジャンルのあいまいな作品は売りにくい現状だと思いますが、ライトノベルとその周辺に関しては比較的ジャンル不詳でも出せる環境にあるのではないかと感じています。もちろんファンタジーなど通常のレーベルでは売りにくいジャンルもライトノベルでなら売れるわけですし。
ビッグヒットは無理でも固定客をつかめればそれなりに継続していける環境かなとも思いますし。
王道の部分ではバトルものの復権があるかもしれませんが、ゼロ年代でも「Fate/stay night」などがありましたし、男性向けでは常に一定の需要があるジャンルですしね。
ライトノベルにおける日常系としては、ダベり主体の文化系ラブコメが担っている面もあるかもしれません。空気系と呼べるほどのものではなくとも、最近のはがないの人気など強い支持を得ていますし。
10年代の新たな方向性というのはまだよく分かりませんが、ライトノベルの内部においてはあまり変化しないのかもと思っています。読者が世代交代していくなら、同じタイプのラブコメなどが常に一定の支持を得ていくでしょうし、今までにないような新たな方向性が今後見つかるかどうか疑問ですし。
サブカル全体としては何らかの方向性は見えて来るんでしょうが・・・。
メフィストだと、既に「ミステリでないミステリ」が受容されていた傾向はありますし、他の賞でも、例えばこのミス大賞なんかはエンタメ精度の高さを意識していたように感じます。
以前のネット評だったと思いますが、「伊坂は何人も要らない」とバッサリ切っていた事を考えても、どちらかと言えば「エンタメとしてのミステリ」の意味を考えていたようですし。
と言っても、あれはあれでミステリ的な感受性に訴えてくるので、それ以前、となるのなら話は違うのですけどね(苦笑)。
単純には、ディナー~やガリレオなど、ドラマ化された作品の影響が強いのかもしれませんね。「それっぽければミステリ」ではありませんが、味付けとしてのミステリとして認識が強まっているのかもしれません。
SFでもライトすぎる、というだけならまだしも、SFとしての楽しみ方を完全に削いでしまった「SFっぽいもの」はSF読者としてきついものがありますし、そうした意味もあるのかもしれませんが。
>エンタメ
有川先生は「読者を楽しませること」を最初から意識していた作家であるようには思います。
良くも悪くも、電撃レーベルらしくはなかったかな、と。
以降の風潮があれに続く作品を出していないことを考えると、ジャンル的には鬼子だったかもしれませんね。
『楽しませること』=『多くの人に届けること』であるのなら、電撃のラノベはより狭い、と言えるでしょうし。
サービスが万人に向けてサービスであることはありませんが、読者層の違いも見極めてギリギリでやれるラインはどこになるか、というのもあると思います。
京極先生の場合だと、映画化以前にキャラ人気も含めて各所で取り上げられたり、色々な要素が絡み合っていましたし、当然ながら、最初からエンタメとしての『要素があること』は重要な事だとは感じますけれど。
テーマも、最終的にはエンタメの精度に還元できるようには思います。
というより、エンタメでテーマ性を突出させるなら、最初からそちらの方向に針を振ってくれ、みたいな話になりそうですね(苦笑)。
これだと『テーマとは何か』かもしれませんが、多かれ少なかれ、テーマもなく書かれている小説はほぼありませんし。
東野先生の場合、その辺りが凄くバランス取ってるなーと。
>羽月
と思ったら、こちらはいい例ですねw
エンタメ的/ラノベ的なサービスを本質に置かない、というのはなるほどな、と。
どこからどこまでがサービスか、というのもありますけど、この作品の場合は最初から語ろうとしていることを語りまくっている、という面が強いですしね。
ライトノベルという体裁を持ったままそれをやっているのは面白いと思えます。
電子化は……微妙な状況も絡んできますけど、インフラ整備がどうなるか気になりますね。
現状の業界だと、大手以外はどうにかヒット作を出さないと、という状況は目に見えていますし。
売り上げはメディアミックス展開も含めて、売れるのは売れる、という状況を加速させているので、どうなるかなと。
話題にはならないけどヒットする作品がWEB絡みの自主出版などから出てくる辺り、最近の事情は面白いなと思えてます。
>十年代
『王道』というか、骨太のストーリーを持ったバトル物は強い、と言えるのかもしれませんね。
fate/zeroは、話題のシナリオライター二人の絡んだ作品という意味合いも強そうですが……。
文化系ラブコメは、なんというか新しいジャンル(残念系とか)を常に供給しないと、飽和がすぐに出てくるように見えてくるようになっていたりします(苦笑)。
漸くはがないとかに手を付けてみた最近ですが、バリエーションを付けるのは難しそうだな、と。ラブコメの精度で引っ張っていくと言うのが、この場合は一番ありそうな話ではあるかなと思ってはいますけど。
サブカルだと、まあ、今までの思想に継ぎ足したりとか、クラウド前提の思考とか、その辺りは出てきそうな気はしています。創作レベルだと何とも言えない感じですよね(苦笑)。
毎度ながら、長々と申し訳ありません。
今回も考えていたことをちょっと整理できたように思えますw
ミステリで言えば、「謎解きはディナーのあとで」はミステリの要件を満たしていると感じるのですが、「ビブリア古書堂の事件帖」だと満たしていないように感じてしまいます。それでも売れているようなので、「ミステリ」という枠の問題とともに、売れるのはジャンル性とはまた別の要素ということも感じますね。
>エンターテイメント性
作家の志向の問題以上に評価する側の問題が日本では大きいかと思っています。
桜庭一樹は「私の男」で直木賞を取りましたが、あの作品は桜庭作品の中で最もエンターテイメント性に欠ける作品と言えるでしょう。逆にテーマ性や刺激的な要素は散りばめられていて批評しやすい作品だったのも確かです。
文壇で評価されたければある種の難解さであったり、批評家に受けの良いテーマ性だったりが必要とは昔から言われていることですが、そういうものをありがたがる風潮は今でも根強く残っていると思います。
一方で、純粋なエンターテイメントを語る言葉がないために、語られにくい、評価されにくいという面もあります。人気投票的なものをバカにするような人もいますが、エンターテイメントの評価に関しては正直なところ批評家による評価よりも現時点では人気投票の方が確かなのかもと思ってしまいます。
>多様性
先日、押井守が最近のアニメを批判しているという記事を読みましたが、別にそれは最近に限ったことではなく、昔から「表現」と呼ぶに値しないアニメは数多くありました。
スタージョンの法則の通りと言ってはなんですが、優れた作品は全体のごく一部なのは今も昔も、アニメ界に限らず様々なジャンルにおいて真理だと思っています。
そして、質を高めることよりも底辺を広げることの方が良質な作品を多く生み出すことになるとも思っています。
その意味ではライトノベル業界はレーベルの増加や多様性において現時点では健全な状態にあるように思っています。個人的な「好み」と一致するかどうかはまた別ですが。
>10年代
今のところまだこれが10年代の方向性だというものは見えてきませんが、画期となる作品が現れるのを心待ちにしています。
サブカルにおけるゼロ年代の代表作のひとつ「涼宮ハルヒの憂鬱」はラノベ発祥ですが、10年代もラノベからそういった作品が出て来るかどうかは分かりませんが、出て来て欲しいですね。
ゼロ年代はまた、「Fate/stay night」「ひぐらしのなく頃に」「東方シリーズ」といった同人発、初音ミクのようにWeb発といったムーヴメントがありました。
Web小説からラノベへの流れもここ数年顕著ですし、それ自体は今後も加速するかもしれませんが、それが新たな方向性となるにはややパワー不足かなとも感じますが・・・。
Webをベースとしたシェアワールドなどでブレイクするような動きが起きたりすれば面白そうにも思いますがw