Papa told me~街を歩けば (クイーンズコミックス) 価格:¥ 420(税込) 発売日:2008-04-18 |
先日、古本屋で見かけて慌てて購入した一冊。
『Papa told me』は大好きな作品だが、2004年1月に刊行された27巻を最後に新刊が発売されることはなかった。掲載誌の休刊が原因だが、寂しい思いは募っていた。
この『Papa told me ~街を歩けば~』は今年4月刊。判型がこれまでのものより小さい新書サイズとなり、厚さは変わらないが、28巻ではなく「街を歩けば」というサブタイトルのついたものとなっている。7編収録されているが、これまでのエピソードの連番はない(27巻の最後のエピソード「サマー サテライト」がエピソード149だった)。
7編のうち最初の4編は「Young You」に掲載されたもの。残る3編は「コーラス」「別冊コーラス」に掲載されたものとなっている。
■オーバー ザ レインボー
パパのスランプを見て、知世が「お仕事」に興味を持つ話。過去にも似たようなエピソードがあった。ゆりこちゃんがいい味出している。
■イリス アイリス
人気のファンタジー小説に夢中になる知世。その本はパパも子供の頃に読んだ本で……。『Papa told me』らしいファンタジーな展開だけど、ラストの落ちは素敵に感じた。「子供の頃に読んでいれば~」って話はよくあるけど、実際何度もそう思う機会があるね。
■スモーキー・クオーツ
流星群と鼻歌と鉱石の三題噺。軽めのエピソード。「うさみん」がいい感じ。
■スター・ゲイト
1エピソード30ページ前後が多い中、これは16ページと短い。知世がコスモスを見に行く話と、タクシーの運転手の家族の話。『Papa told me』らしい、接点の薄い二つの流れをうまく絡めている作品だ。
■ウェンディ ハウス
ハロウィーンに街をお散歩する話。街や人の紹介めいたところは、掲載誌変更の影響か。
■ドレスアップ・ドール
ガレット・デ・ロワでお姫さまになる知世。でも、窮屈さに辟易してしまう。そんなショート・エピソード。
■キャッスル オブ ナイト
古本屋の話。本好きにはきゅんとなる話だ。
全体に甘くて軽い話が多かった。ファンタジーの膜を通しつつ現実の一部を貫くような視線がこの作品の魅力のひとつだが、そうした方向性の作品はない。やはり掲載誌休刊の影響があるのではないか。
でも、まずは4年ぶりにこの愛らしい世界に浸れた幸せを喜びたい。そして、これからもこの作品が続くことを切に願っている。できれば判型は元に戻して欲しいものだが。
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