Cleveland (0-4) | 16-23 | Baltimore (3-1) |
New England (2-2) | 52-28 | Buffalo (2-2) |
San Francisco (3-1) | 34-0 | N.Y. Jets (2-2) |
Seattle (2-2) | 13-19 | St. Louis (3-1) |
Carolina (1-3) | 28-30 | Atlanta (4-0) |
Minnesota (3-1) | 20-13 | Detroit (1-3) |
San Diego (3-1) | 37-20 | Kansas City (1-3) |
Tennessee (1-3) | 14-38 | Houston (4-0) |
Oakland (1-3) | 6-37 | Denver (2-2) |
Miami (1-3) | 21-24 | Arizona (4-0) |
Cincinnati (3-1) | 27-10 | Jacksonville (1-3) |
Washington (2-2) | 24-22 | Tampa Bay (1-3) |
New Orleans (0-4) | 27-28 | Green Bay (2-2) |
N.Y. Giants (2-2) | 17-19 | Philadelphia (3-1) |
Chicago (3-1) | 34-18 | Dallas (2-2) |
観戦した試合の中で、FGの成功不成功で勝敗が決した試合が4試合あった。逆転のFGを決めたのはアトランタとワシントン。逆にFGを外したのはニューオーリンズとNYジャイアンツ。結果的にキッカーが勝敗の明暗を左右することになったが、そこに至るまでに負ける要因があったとも言える試合だった。
実力と戦略・戦術がはっきりと試合結果に反映されるアメリカンフットボールという競技だが、それらが伯仲の場合は運が影響を与えることになる。NFLのレベルでは接戦において最後にボールを保持している側が圧倒的に有利だ。FGは運任せの部分があるとはいえ、それまでの過程の中でいかにして運の要素を排除できるかどうかが重要になってくる。
ニューオーリンズはFGの場面で痛恨のホールディングの反則を犯し、その罰退が失敗をもたらした。ジャイアンツもその前のプレイでオフェンスのパスインターフェアを犯し、罰退したことが失敗に繋がった。これらの反則による罰退はモメンタムを失わせ、キッカーにより大きなプレッシャーを与えてしまう。特に今期まだ勝利のないニューオーリンズにとっては致命的だった。
タンパベイは一度は逆転したものの、プレイコールやQBフリーマンにタイムコントロールの意識が低く、十分に時間を残して攻撃権を渡してしまったことが敗因となった。フリーマンはルーキーQBのグリフィンIIIにクォーターバッキングの面で著しく見劣りしたのが残念。
カロライナはアトランタ相手に金星を挙げる寸前まで追い詰めた。ツーミニッツに入って敵陣でのフォースダウン1ヤード。アトランタのタイムアウトは既に無く、ファーストダウンを獲れば勝利が確定する場面。カロライナの選択はハードカウントでオフサイドを誘発するというものだったが、結局パントを蹴り敵陣1ヤードまで押し込んだ。だが、残り59秒から次々にパスを通して、残り10秒でカロライナ陣22ヤードまで進んだ。
確かにこの試合カロライナの守備は健闘していた。開幕から3連勝のアトランタを相手に7つのサックを奪うなどよく戦ってはいた。しかし、それでもカロライナは守備のチームではない。またアトランタのQBライアンはツーミニッツオフェンスが得意な印象があった。パントで押し込んだ時は勝利のチャンスがあるかとも思ったが、すぐにレッドゾーンを抜け出し、立て続けにパスを通した姿は流石と思わせるものだった。
フォースダウンで攻撃し、成功する確率と、パントをして守備で防ぐ確率。これまでNFLを見てきた限りでは、すでに述べたようにボールを持っている側が有利だと言える。もちろん残り時間やそれまでの展開、ホームかロードか、QBの能力など様々な要素が絡むので一律に判断はできない。ただ波乱を起こしたいのであれば、相手主導となる展開ではなく、自分たちが主導でプレイしないと難しいとは言えるだろう。
カロライナはこの試合で198ヤードのランをゲインした。優秀なRBがいるし、何よりQBニュートンの身体能力は傑出している。失敗すればヘッドコーチの判断は批判されるだろうが、無難な選択が勝利を呼び込むことは少ないのも事実だ。
格下と見られるチームがリードを守り切るのは難しい。たいていの場合積極性がリードをもたらすが、リードを守ろうとするとその積極性が消え、相手に勢いを与えてしまう。実力上位のチームがモメンタムを掴むとわずかのリードなどあっという間に消し飛んでしまう。
第3クォーター途中で21-7とリードしていたバッファローは、後半だけで45点奪ったニューイングランドに大敗した。バッファローがニューイングランドのランに対応できなかったせいではあるが、驚きの展開だった。もう少し手は打てなかったのか。地力の差と言えばそれまでだが、ここまで大差がつくとは前半を見た者は誰も予想できなかっただろう。
攻撃側優位のルールへと変更されていき、実力差以上のワンサイドゲームになりやすくなった面もある。この週の試合でも、一度流れが傾けば、大差が生まれている。アップセットを生むには、接戦を維持し、最後までモメンタムを相手に与えないことが必須となる。(第2週のアリゾナのように相手のミスに助けられて勝つことはあるが、運頼みは長続きはしないだろう)
どれほどの不運が振り掛かろうとそれを跳ね除けて勝つチームこそが、アメリカンフットボールの勝者と言えるだろう。