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NFL2008 week11 正念場

2008年11月23日 22時09分30秒 | アメリカンフットボール
オープンデイトもなくなりいよいよプレーオフへのカウントダウンが始まった。生き残りを賭けたチーム、プレーオフへの勢いをつけたいチーム、そして再建への道筋を欲するチームと立場はそれぞれだが残り少ないシーズンをいかに戦い抜くかが問われる時期となる。

◎NY Jets(7-3) 34-31 New England(6-4) OT

4連勝でついに地区単独首位に立ったジェッツ。敵地での価値ある勝利だが、決してチームの地力が上回っての勝利とは言えない。RBトーマス・ジョーンズが30回104ヤード1TDとしぶとくボールキープして39分18秒のタイムオブポゼッションを獲得した。QBブレット・ファーヴは短いパスを主体にして26/33で258ヤード2TDと高い成功率を保った。特にインターセプトを許さなかったことが勝利に繋がった。レシーバーではWRジェリコ・コッチェリーが5回87ヤード1TD、TEダスティン・ケラーが8回87ヤードと活躍した。
総ネットヤード511ヤード稼ぎながら敗れたニューイングランド。QBマット・キャッセルは30/51で400ヤード3TDと投げまくった。一方で、ラッシングはキャッセルの8回62ヤードがトップで、RBケヴィン・フォークは8回38ヤード止まりだった。WRウェス・ウェルカーが7回108ヤード、TEベンジャミン・ワトソンが8回88ヤード、WRジャバー・ギャフニーが7回86ヤードと活躍したが、WRランディ・モスは3回26ヤードに終わった。

◎Denver(6-4) 24-20 Atlanta(6-4)

地区制覇に向けて順調に歩を進めるデンバー。決して攻撃は好調ではないが、それでも勝利をもぎ取ったことは非常に価値がある。QBジェイ・カトラーは19/27で216ヤード1TD。ランはFBペイトン・ヒリスの10回44ヤード2TDがベストだったが、RBのP.J.ポープ、テイタム・ベルの3人でなんとか100ヤードを越えた。
ホームで強かったアトランタだが手痛い一敗を喫した。RBマイケル・ターナーは25回81ヤード2TDと合格点の内容。QBマット・ライアンは20/33で250ヤード1INTで、このインターセプトが勝敗の帰趨を決めることとなった。WRロディ・ホワイトが5回102ヤードと健闘した。

◇Detroit(0-10) 22-31 Carolina(8-2)

NFCではジャイアンツから1差をキープするカロライナ。ホームで理想的な勝利を見せつけた。RBジョナサン・スチュワートが15回130ヤード1TD、RBデアンジェロ・ウィリアムスが14回120ヤード2TDと二人の100ヤードラッシャーが出た。QBジェイク・デロームは10/19で102ヤード1TDと数字は物足りないが、彼に頼らずに済む試合展開を作り上げた。
タイムオブポゼッションでは上回りながら、4つのターンオーバーで自滅したデトロイト。いまだ勝ち星がない泥沼状態が続く。QBダンテ・カルペッパーは20/35で207ヤード1TD2INT。RBケヴィン・スミスが24回112ヤードと走ったものの勝利には繋がらなかった。果たして勝利を手にできるのか。

◇Philadelphia(5-4-1) 13-13 Cincinnati(1-8-1) OT

NFLで引き分けは2002年以来となる。敵地で4つのターンオーバーを喫しながら負けなかったことを称えるべきか、1勝しか上げていない相手に勝てなかったことを悔やむべきか。フィラデルフィアはこの引き分けで地区最下位になったことを考えれば後者が妥当だろう。QBドノヴァン・マクナブは28/58で339ヤード1TD3INTと大荒れ。ラッシングもRBブライアン・ウェストブルックが14回60ヤードとあまり機能していない。8サックを上げたディフェンスは評価できるが、勝ち切れなかったことは後に響きそうだ。
QBライアン・フィッツパトリックはプレッシャーの中で29/44の261ヤード1TDとまずまずの数字を残した。ただ8サックがOLの責任かQBの責任かはスタッツだけでは分からない。WRのT.J.ハッシュマンザーダが12回149ヤード1TDと大活躍。一方、ランは相変わらずの低調さでRBセドリック・ベンソンの23回42ヤードがベスト。

◎Chicago(5-5) 3-37 Green Bay(5-5)

厳しいプレイオフ争いを繰り広げるNFC北地区。5勝で3チームが並ぶ展開になった。ホームで負けられないグリーンベイが大勝を飾った。立役者はRBライアン・グラントだ。25回145ヤード1TDと活躍し、タイムオブポゼッションも37分28秒と大幅に上回った。QBアーロン・ロジャースは23/30で227ヤード2TD1INTと安定したプレイが目立った。
大敗の原因は、攻撃が機能しなかったこと以上に守備の崩壊だろう。本来守備のチームだけに今後に不安を残す結果だ。負傷を抱えながら先発したQBカイル・オートンは13/26で133ヤードと精彩を欠いた。RBマット・フォルテも16回64ヤードと助けることが出来なかった。ロースコアゲームならオートンの価値が発揮されただろうが、こういう展開になってしまうと怪我が長引かないか心配になってくる。

◎Houston(3-7) 27-33 Indianapolis(6-4)

テネシーが独走しているためワイルドカード狙いとなるインディアナポリスは勝ち星を積み上げていかなければならない苦しい立場だ。決して楽な勝利ではなかったがひとつひとつ勝っていくしかない。QBペイトン・マニングは30/46で320ヤード2TD。RBジョセフ・アダイが22回105ヤード1TD。WRレジー・ウェインが7回90ヤードと活躍すべき選手がきちんと結果を残した。にもかかわらず接戦となってしまうところに今期の課題が現れている。
RBスティーヴ・スレイトンは71ヤードのTDランを含む14回156ヤード走ったが、タイムオブポゼッションは25分45秒とボールコントロールできなかった。QBセイジ・ローゼンフェルズは13/18で192ヤード1INT。インターセプトを除けばそう悪くない数字だが攻撃のリズムを作れなかった。

◎Tennessee(10-0) 24-14 Jacksonville(4-6)

前半3-14で折り返し連勝が止まるかと思われたが、後半は完全にテネシーが試合を支配し、無傷の10連勝となった。RBクリス・ジョンソンが17回64ヤード、RBレンデール・ホワイトが14回52ヤードと二人合わせれば100ヤードを越えるが、かなりランを出すのに苦労した。それでも要所でQBケリー・コリンズがロングパスを決めてモメンタムを引き戻した。コリンズは13/23で230ヤード3TD1INT。WRジャスティン・ゲイジが4回147ヤード2TDレシーヴと活躍した。
RBモーリス・ジョーンズ・ドリューが17回66ヤード、RBフレッド・テイラーが12回58ヤードとラッシングはテネシーと似たようなスタッツだが、QBの差が試合の明暗を分けた。QBデイヴィッド・ギャラードは13/30で135ヤード1INT。特に後半精彩を欠いて6つのパント、1つのインターセプトと試合を壊してしまった。

◇New Orleans(5-5) 30-20 Kansas City(1-9)

5勝でも地区最下位のニューオーリンズは負けられない戦いが続く。QBドリュー・ブリーズは25/36で266ヤード1TD1INTとまずまず。RBピエール・トーマスが16回88ヤード1TDと活躍してチームを助けた。WRランス・ムーアは8回102ヤード1TDレシーヴ。攻撃力の高いチームだがラッシングがコンスタントに出るかどうかが鍵を握っている。
いい勝負をしながら勝ち切れないカンサスシティはこの試合でも敵陣ゴール前でTDを奪えずFGに終わったことが響いた。QBタイラー・シグペンは19/38で235ヤード2TD1INT。RBラリー・ジョンソンが復帰し19回67ヤード。勝利を呼び込む走りはできなかった。

◇Oakland(2-8) 15-17 Miami(6-4)

マイアミはパントリターンTDから逆転を許したが、最後はFGを決めて辛くも勝利を奪った。地区首位との差は1のまま追走している。QBチャド・ペニントンは16/22で174ヤードと堅実さが目立つ。RBロニー・ブラウンは16回101ヤードと活躍を見せた。獲得ヤードの割に得点に繋がっていないことが課題だろう。12週は同じ6勝のニューイングランド相手だけに真価が問われる。
久しぶりのTDを獲得したもののパントリターンによるもので攻撃の不振は相変わらずのオークランド。QBジャマーカス・ラッセルは15/22で156ヤード。RBジャスティン・ファーガスは17回57ヤード。WRジョニー・リー・ヒギンスのパントリターンTDで第4クォーターに逆転を奪ったものの逃げ切れない勝負弱さが現れてしまった。再建には相当時間が掛かりそうだ。

◎Baltimore(6-4) 10-30 NY Giants(9-1)

守備が売りのボルチモアだったが、その守備が崩壊しての大敗だった。試合開始から3シリーズ続けてTDを奪われては試合の形が作れない。キャッチアップ向きではない攻撃は更に傷口を広げることになった。QBジョー・フラッコは20/33で164ヤード1TD2INT。ランが機能しなかったせいもあるがラッシングリーダーはフラッコの6回57ヤード。WRデレック・メイソンが7回82ヤードとメインターゲットとなった。
OLの強さが目立つジャイアンツ。RBアーマッド・ブラッドショーが9回96ヤード、RBブランドン・ジェイコブスは11回73ヤード、RBデリック・ワードは11回41ヤードと3人で200ヤードを越えた。QBイーライ・マニングは13/23で153ヤード1TD1INTとパッとしなかったが、グラウンドアタックがこれほど出ればかなり余裕を持ったプレイができる。地区首位はほぼ確定的になったがホームフィールドアドバンテージを賭けた戦いはまだまだ続きそうだ。

◇Minnesota(5-5) 13-19 Tampa Bay(7-3)

試合序盤にRBアーネスト・グラハムを故障で欠き、苦しい展開だったが守備の踏ん張りでなんとか勝利をもぎ取ったタンパベイ。QBジェフ・ガルシアは23/30で255ヤードと安定した成績を残した。ランはRBウォリック・ダンの20回53ヤードが最高と苦しんだ。TEジェラミー・スティーヴンスが6回84ヤードと活躍した。5回のFGアテンプトとTDを決め切れなかった点は大きな課題だ。カロライナを1差で追うだけに勝負強さを発揮できるかがこれからの鍵となるだろう。
前半リードを奪いながら後半無得点に終わったミネソタ。北地区は5勝で3チームが並んだ。QBガス・ファーロットは14/20で138ヤード1TDと堅実な数値だが、5回のサックは多すぎる。RBエイドリアン・ピーターソンは19回85ヤード。第4クォーターの2つのファンブルロストが致命傷となってしまった。

◇St.Louis(2-8) 16-35 San Francisco(3-7)

2勝同士の対戦はホームのサンフランシスコに軍配が上がった。前半相手のターンオーバー3つを絡めて5シリーズ連続のTDを奪い一気に試合を決めた。RBフランク・ゴアは18回106ヤード2TDと活躍。QBショーン・ヒルは15/20で213ヤード2TDと安定したパフォーマンスを見せた。
相手を上回る獲得ヤードながら大敗を喫したセントルイス。第2クォーターにファンブルと2つのインターセプトを許し自滅した形だ。QBマーク・バルジャーは34/53で295ヤード1TD2INT。RBアントニオ・ピットマンが14回95ヤードのラン、WRドニー・エイヴリーが9回93ヤードレシーヴ、RBケネス・ダービーが8回83ヤードレシーヴと若手の活躍が目立ったのが救いだろう。

◇Arizona(7-3) 26-20 Seattle(2-8)

地区内独走のアリゾナが同地区のシアトルを一蹴した。QBカート・ワーナーは32/44で395ヤード1TD1INTと傑出した数字を残した。課題のラッシングはRBのJ.J.アーリントンが8回40ヤード、RBティム・ハイタワーが11回35ヤードと結果を残せなかった。レシーバーではNFLを代表するタンデムであるWRアンクワン・ボールディンが13回186ヤード、WRラリー・フィッツジェラルドが10回151ヤードと大爆発。ラッシングがもう少し安定すればより高い目標も見えてくるだけに注目したい。
QBマット・ハッセルベックが復帰したものの3インターセプトと完調とは言えない出来だった。17/29で170ヤード1TD3INT。ラッシングはひどい有様でRBジュリアス・ジョーンズは10回19ヤード止まり。総ネットヤードが458ヤードのアリゾナに対してシアトルはわずか196ヤードだったが、それでも1ポゼッションゲームまで持っていった点は評価できる。

◎San Diego(4-6) 10-11 Pittsburgh(7-3)

直截的な敗因はQBフィリップ・リヴァースにある。2つのインターセプトにセーフティとロースコアリングゲームでは致命的なミスをしてしまった。ただ失点こそ少なかったもののヤードと時間を許したディフェンスにも大きな問題が残っているし、全体に疑問のプレイコールが目立ったのも確かだ。タレントはリーグ屈指なのにそれを生かせないコーチ陣に問題があるのは間違いない。リヴァースは15/26で164ヤード2INT。RBラダニアン・トムリンソンは18回57ヤード1TD。デンバーとは2差に広がり次のインディアナポリス戦で敗れるとほぼプレイオフ進出は絶望となりそうだ。
410ヤードを稼ぎターンオーバーを許さなかったにも関わらず11点しか取れなかったピッツバーグ。勝利したものの課題は残る。QBベン・ロスリスバーガーは31/41で308ヤード、RBウィリー・パーカーは25回115ヤード、WRハインズ・ワードは11回124ヤードレシーヴ。攻撃の軸となる3人が素晴らしいスタッツを残しているにも関わらず得点に繋がらない。第一の問題は13回115ヤードというペナルティだ。相手が2回5ヤードなので突出している。ロスリスバーガーがサックを浴びすぎることやスペシャルチームがもうひとつ振るわないなど細かな課題が目に付いた試合でもあった。

◎Dallas(6-4) 14-10 Washington(6-4)

ダラスはQBトニー・ロモの復帰戦を勝利で飾り、プレイオフ争いでもなんとか踏ん張った。勝利の立役者はRBマリオン・バーバー。24回114ヤード1TDのランと6回39ヤードのレシーヴはどちらもリーダー。ロモは19/27で198ヤード1TD2INTとまだ本調子には見えなかった。敵地でのライバル対決で負ければプレイオフがかなり厳しくなっただけにこの勝利はチームの勢いに繋がるかもしれない。
ワシントンにとってはもったいない試合だった。前半は優位に試合を運んでいたにもかかわらず、後半は無得点に終わり逆転を許した。QBジェイソン・キャンベルは22/34で162ヤード1TD1INTと物足りない数字。特にインターセプトが試合の流れを変えてしまった。RBクリントン・ポーティスは15回68ヤード。もう少しランを出したかった。

◎Cleveland(4-6) 29-27 Buffalo(5-5)

第1クォーターに3つのインターセプトを喫しながらあと一歩まで迫ったバッファロー。しかし、これで4連敗となり地区最下位に転落した。スタッツはほぼ互角ながら4つのターンオーバーが響いた。QBトレント・エドワーズは16/26で148ヤード1TD3INT。ランが出ないせいで彼に負担が掛かっていたけれども、この試合ではRBマーショーン・リンチが23回119ヤードと活躍した。RBフレッド・ジャクソンも12回60ヤードとランはかなり機能した。クリーヴランドのディフェンスの弱さが要因だが。Kライアン・リンデルが47ヤードのFGを外してゲームセット。勝ち切る力がなかった。
QBブレイディ・クインに初勝利をプレゼントしたクリーヴランド。クインは14/36で185ヤードととても合格とは言えない数字。パスドロップの目立つWRブライロン・エドワーズが8回104ヤードと活躍した。72ヤードのTDランを決めたRBジェローム・ハリソンが3回80ヤードとリーダー。RBジャマール・ルイスは18回65ヤードだった。