奇想庵@goo

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アニメ感想:夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~ 第4話「フリカエル」

2008年11月15日 23時57分00秒 | 2008秋アニメ
話の要所を押さえていないわけではないが、全体に説明が足りない感じを受けてしまう。話の大枠がようやく見えてきて、それが主人公たちの置かれた立場へと繋がっていることは分かる。しかし、理解はできても共感ができない。
秋名とヒメとジンが昔仲が良かったと説明され、そのジンが円神に乗っ取られているということは分かった。昔のエピソードとしてラーメン屋で大食いに挑戦する3人が描かれてはいる。だが、これを見ただけでは彼らの気持ちへ繋がってこない。
ひとつひとつのシーンは丹念に描いている作品なのだが、全体として伝わってこない印象だ。原作を知っていれば別だろうが、原作を知らない者にとっては、もどかしさを感じてしまう。繰り返しになるが、決して説明不足で分からないと言っているのではない。最低限の説明はあるので分からなくはないが、世界や人間関係に入り込むには足りない感じなのだ。
『喰霊-零-』のように長い回想シーンを入れればいいというわけではないが、ジンへの想いを描くにはそれ相応の時間と労力が必要だ。それができないから、秋名やヒメの想いも伝わらない。2話の秋名の揺れや3話のヒメの決意はジンへの想いがあるからこそ意味を持つ。だが、それを知らない状態では2話や3話で描かれた彼らの心情は伝わらなかった。そして、その背景を知った今でもやはり伝わってこない。
見せるという意味では巧みな演出をしていると評価できるが、伝えるという意味では合格点に達しない演出と言わざるを得ない。見せる部分、伝える部分のバランスが良ければ問題なかったのだが、明らかにバランスが悪い。面白い要素も多い作品なだけに本当にもったいなく感じてしまう。センスに走り過ぎたって感じかなあ……。

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アニメ感想:タイタニア 第6話「シラクサ星域会戦」

2008年11月15日 23時56分00秒 | 2008秋アニメ
先に原作を読み直してしまったせいばかりとは言えないが、あまりにも原作の精神から離れてしまっている印象を持った。原作どおりに描く必要はもちろんないが、原作の良さを壊しては台無しだろう。
原作ではほとんど触れられていないこの会戦に2話をかけた。原作は、アリアバートが汚名を返上し、ファン・ヒューリックの戦術を取り入れた戦いをやってみせたことが書かれている。ヒューリックに敗れたアリアバートが実は決して凡将などではないことをここで示しているわけだ。
5話で原作に書かれていたタイタニアのイメージから逸脱し、またタイタニア側の主人公ジュスランを無能に描いていた。この6話でもジュスランのイメージが凡庸にしか見えない。安っぽいヒューマニズムを持ち出したあたりは非常に興醒めしてしまった。
オリジナルの要素が出てから一気につまらなくなってしまったが、今後もこの質であれば見る気は失せる。次回はドクター・リー登場だが、彼のキャラクターがどう描かれるかが注目だ。そして、物語の鍵となる情報がどのようにファン・ヒューリックに知らされるかが評価のポイントになりそうなのだが、そこまで見続ける気力があるかどうかも微妙になってきた。


アニメ感想:黒執事 第7話「その執事、遊興」

2008年11月15日 23時55分00秒 | 2008秋アニメ
新展開。犬を虐待している村の問題を解決するために赴いたシエルたち。彼ら一行の描写はともかく、村人たちやその領主ヘンリー卿らの描写がちょっと図式的過ぎて興趣を削がれた。
確かに端役なんだけれど、世界観が薄っぺらに見えてしまうのが残念に思う。厳密な時代考証なんかは求めていないが、もう少しましな描き方がなかったものか。
今回は鎖に繋がれたシエルを見せるための話なので、セバスチャンが戻るの遅いだとか言うのはなしだろう。ただ見せ場の割にはちょっと淡白な演出だった気もした。もっとピンチっぽく描いたり、耽美な感じを強調したりして欲しかった。
ジャック・ザ・リッパーネタがなかなか面白かっただけに、全体に盛り上がりに欠ける印象は否めない。ただ伏線を張って、単純なオチが実はオチじゃないという話の展開は悪くない。次回とセットで評価すべき話だろうから。

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