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【アニメ】ガンパレード・オーケストラ~白の章【インプレッション】

2005年12月15日 00時20分34秒 | アニメ・コミック・ゲーム
アニメ版ガンパレード・オーケストラの白の章の分第9話までを見ての感想を。

ゲーム版の発売を控えての放映ということで、制約もあっただろうが、出来としては『絢爛舞踏祭ザ・マーズ・デイブレイク』よりはましかなという感じ。発売前ということで、先入観などなく見れたのは良かったが、アニメ自体の出来はそう褒められたものではなかった。

テーマは単純明快。やや平和ボケしている地方の小隊に小隊長として赴任してきたエリートの少女の成長。わずか9話しかない中で、表現しやすくて分かりやすいこのテーマはプラスに作用した。ガンパレ世界と共通ということで、世界設定などの説明は全くと言っていいほどなかったが、ガンパレを知らない人にはやや不親切だったかもだが、余計な情報がなくて良かったと思う。ゲーム用の大量のキャラクターを全て出しながら個別に掘り下げる時間もないのでほとんど出番のなかったキャラクターもいたが、ゲーム発売前ということで思い入れや固定観念に縛られずにこれで良かったと思う。キャラクターもゲームからの流用で、それは制約でもあるが、ありきたりになり過ぎずに良かった。
これらは、アニメスタート時のデフォルトの部分で、これにアニメ製作によってなんらかの上積みがあったかと言えば、ほとんどなかった。ストーリーの演出は稚拙。主人公に対する反発の描き方は、ガキっぽ過ぎた。時間がなかったとはいえ、キャラクターの掘り下げはなく、主人公ですらムードでしか描けていない。
全体的に、メリハリのなさが顕著だった。見せ場や緩む所がなく、一本調子で9話が終わったという印象。士翼号などのかっこよさも描かれずじまい。外しようがない原作をただそのままアニメにしただけという結果で、残念と言えば残念だ。安直だが、戦死者でも描けばもう少し変わったかもしれないが・・・。

それでも、あのガンパレの世界観は魅力的。学兵という微妙な立場。未熟な指揮官の苦悩。そして、何より人間関係の妙。

ゲームの発売も近付いてきたが、期待と不安が交錯するのは絢爛舞踏祭の時と同様。今にして思えば、ゲームに作品性を求めいてた私と、ツールとしてのゲームとして磨かれた絢爛舞踏祭は不幸なめぐり合わせだったとも言えよう。本来、ゲームデザイナーである芝村氏はゲームに作品性でなくツール性を作り込んでいる人であり、ガンパレはガヴァナー矢上聡一郎氏の名で築かれた部分が特別な作品性を生み出す要因となったと思うと、ガンオケへの不安は拭い去れないのだが。

アニメの方は続いて緑の章へ。芝村一族登場でよりガンパレっぽさが出てくるのかが期待だが、それ以上に今頃放映して、発売はいつやねん!ってツッコミを入れていいのかどうかが現在の関心事である(ウソ。