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Sports, Games, News and Entertainments

クレネルがCleveland Brownsヘッドコーチに(NFLな・・・)

2005年02月08日 21時23分45秒 | スポーツ
激戦となったスーパーボウルから一夜明け、

Romeo Crenell が Cleveland Brownsの新ヘッドコーチに

NFL.com: Crennel accepts offer from Browns

ロメオ・クレネルはNew England Patriotsのディフェンシヴ・コーディネイターとして、チームのダイナスティに貢献した。2001年に就任以来3度のスーパーボウル制覇に携わった非常に優れたコーチだ。基本は3-4だが、状況に応じて巧みに変化させるシステムを作り出し、勝負強いディフェンスを生み出した。
彼は2000年シーズンをClevelandのディフェンシヴ・コーディネイターとして過ごし、前年から17個増の42サックを上げるなど劇的に守備力を向上させた。
2001年Clevelandがヘッドコーチを探していた時も面接を受けたが、その時はButch Davisに白羽の矢が当たった。しかし2001年シーズン途中に辞任し、後任にクレネルの名が有力視されていた。

NFL.com: Romeo Crenell

○New Englandは連覇を達成したが、NFL史上初の三連覇には厳しい試練が待ち構えている。特に、オフェンシヴ・コーディネイターCharlie WeisがNotre Dameの、ディフェンシヴ・コーディネイターRomeo CrenellがCleveland Brownsのヘッドコーチに就任が決まり、システム面での強さを誇るこのチームの根幹にどう影響を及ぼすか未知数だ。

SuperBowl.com: Pats thinking about winning next year

Hall of Fame

NFL.com: Marino, Young highlight Class of 2005

ホール・オブ・フェイムに選ばれたのは、Dan Marion, Steve Young, Benny Friedman, Fritz Pollardの四名。
ダン・マリーノはNFL史上最高のパサー。数多くのNFL記録を持ち、華麗なパスはNFLの人気を高めた。シーズン最多タッチダウンパス記録は今シーズンPeyton Manningに破られ、話題となった。入団2年目のシーズンにスーパーボウル出場。前評判は高かったが、Joe Montanaの49ersに敗れ、以後スーパーボウル出場に手が届かなかった。
スティーヴ・ヤングはNFLではなくUSFLのLos Angeles Expressでプロ生活を始め、その後NFLではTampa Bayに入団しスターターとなった。1987年トレードでSan Franciscoへ。そこでJoe Montanaのバックアップを続けることとなる。1991年からMontanaの負傷を受け先発を務め、自身の手によるスーパーボウル制覇は1度のみだった。マリーノがパサーとしてのQBの頂点に立つならば、ヤングはバーサタイルなQBの代表として知られる。ウェストコーストオフェンスにQBスクランブルを組み込んだシステムは魅力的なものだった。サウスポーとしても有名。

All-Pro teamとPro Bowl team

MSNBC: 2004 NFL All-Pro team roster

NFL.com: AFC Pro Bowl Roster, NFC Pro Bowl Roster

[Offense]
Quarterback
All-Pro: Peyton Manning, IND
AFC: Peyton Manning, IND; Tom Brady, NE; Drew Brees, SD
NFC: Donovan McNabb, PHI; Daunte Culpepper, MIN; Michael Vick, ATL
オールプロではセカンドチームに該当者なしとマニングが突出。NFL記録49TDパスなど文句のつけようがない出来だったので当然だが。旋風となった、ビッグ・ベンことBen Roethlisberger, PITは残念ながらプロボウル選出ならず。

Running Back
All-Pro: Curtis Martin, NYJ; LaDainian Tomlinson, SD
All-Pro, second team: Edgerrin James, IND; Shaun Alexander, SEA
AFC: Curtis Martin, NYJ; LaDainian Tomlinson, SD; Corey Dillon, NE(Edgerrin James, INDの代役)
NFC: Tiki Barber, NYG; Ahman Green, GB; Brian Westbrook, PHI(Shaun Alexander, SEAの代役)
オールプロセカンドチームの二人が奇しくも負傷でプロボウル欠場。ラッシングゲームが目立ったPittsburghとAtlantaは複数のランナーを起用したのでプロボウル選出はならなかった。

Full Back
All-Pro: William Henderson, GB
All-Pro, second team: Tony Richardson, KC
AFC: Tony Richardson, KC
NFC: William Henderson, GB
ともに納得の選出。

Tight End
All-Pro: Antonio Gates, SD
All-Pro, second team: Tony Gonzalez, KC
AFC: Antonio Gates, SD; Tony Gonzalez, KC
NFC: Alge Crumpler, ATL; Jason Witten, DAL
ゲイツの活躍が目立ったシーズンだった。TEのTDパスキャッチ記録を作ったが、TEポジションだけでなくレシーバーとしてセットすることも多く、TEというポジションの評価の難しさも感じる。NEのDaniel Grahamのように優秀なブロッキングTEももっと高く評価されていいと思うが。

Wide Receiver
All-Pro: Terrell Owens, PHI; Muhsin Muhammad, CAR
All-Pro, second team: Marvin Harrison; IND, Hines Ward, PIT
AFC: Marvin Harrison, IND; Chad Johnson, CIN; Andre Johnson, HOU; Hines Ward, PIT
NFC: Muhsin Muhammad, CAR; Terrell Owens, PHI; Joe Horn, NO; Javon Walker, GB
苦しいチーム状況の中で健闘したムハマッドが、レシービングヤードトップの成績を受けて選出された。またチームに更なる前進をもたらしたオーウェンスも今年強い印象を与えたプレイヤーだ。

Tackle
All-Pro: Walter Jones, SEA; Willie Anderson, CIN; William Roaf, KC
All-Pro, second team: Jonathan Ogden, BAL
AFC: Jonathan Ogden, BAL; Tarik Glenn, IND(Willie Roaf, KCの代役); Marvel Smith, PIT(Willie Anderson, CINの代役)
NFC: Walter Jones, SEA; Orlando Pace, STL; Tra Thomas, PHI
なかなか数字で評価できないオフェンスラインメン。実績通りの選出といった感じか。

Guard
All-Pro: Alan Faneca, PIT; Brian Waters, KC
All-Pro, second team: Will Shields, KC; Steve Hutchinson, SEA
AFC: Alan Faneca, PIT; Will Shields, KC; Brian Waters, KC
NFC: Larry Allen, DAL; Marco Rivera, GB; Steve Hutchinson, SEA
KCのベテランシールズと中堅ウォーターズが揃って選出。ホームズ負傷後もランニングゲームをよく支えた二人だ。

Center
All-Pro: Jeff Hartings, PIT
All-Pro, second team: Kevin Mawae, NYJ
AFC: Kevin Mawae, NYJ; Jeff Hartings, PIT
NFC: Olin Kreutz, CHI; Matt Birk, MIN
ピッツのラッシングゲームを支えたハーティングスがオールプロ。プロボウル常連となったマワイは今年も健在。

Placekicker
All-Pro: Adam Vinatieri, NE
All-Pro, second team: David Akers, PHI
AFC: Adam Vinatieri, NE
NFC: David Akers, PHI
スーパーボウルを戦った両チームから選出。やはり強いチームにはいいキッカーが必要だ。

Kick Returner
All-Pro: Eddie Drummond, DET
All-Pro, second team: Terrence McGee, BUF
AFC: Terrence McGee, BUF
NFC: Allen Rossum, ATL(Eddie Drummond, DETの代役)
ドラモンドのリターンは衝撃だった。プロボウル欠場は残念。

[Defense]
End
All-Pro: Dwight Freeney, IND; Julius Peppers, CAR
All-Pro, second team: Bertrand Berry, ARI; Patrick Kerney, ATL
AFC: Jason Taylor, MIA; Dwight Freeney, IND; Aaron Smith, PIT(John Abraham, NYJの代役)
NFC: Bertrand Berry, ARI; Julius Peppers, CAR; Patrick Kerney, ATL
驚異的なスピードでサックリーダーの座を射止めたフリーニー。ペッパーズもいまやリーグを代表するサックアーティストだ。ベリーはDetroitからサックを期待されて移籍し14.5サックと活躍した遅咲きの選手。

Tackle
All-Pro: Kevin Williams, MIN; Richard Seymour, NE
All-Pro, second team: Jamal Williams, SD; Shaun Rogers, DET
AFC: Richard Seymour, NE; Marcus Stroud, JAC; Sam Adams, BUF
NFC: La'Roi Glover, DAL; Shaun Rogers, DET; Kevin Williams, MIN
オールプロに選出されたジャマル・ウイリアムスがプロボウルに落選。2年目のケヴィン・ウイリアムスは11サックとパスラッシュ能力が高い。シーモア、ストラウド、ロジャースも4年目の選手で世代交代が目立つ。

Outside Linebacker
All-Pro: Takeo Spikes, BUF; Derrick Brooks, TB
All-Pro, second team: Keith Brooking, ATL; Joey Porter, PIT
AFC: Takeo Spikes, BUF; Terrell Suggs, BAL; Joey Porter, PIT
NFC: Keith Brooking, ATL; Marcus Washington, WAS; Mark Fields, CAR(Derrick Brooks, TBの代役)
オールプロの常連ブルックスに、6、7年目で油の乗ったスパイクス、ブルッキング、ポーターが選出。サッグスは2年目の若手で更なる成長が期待される。代役出場となったフィールズはホジキン病を克服しての選出だ。

Inside Linebacker
All-Pro: James Farrior, PIT; Ray Lewis, BAL
All-Pro, second team: Donnie Edwards, SD; Tedy Bruschi, NE
AFC: James Farrior, PIT; Tedy Bruschi, NE(Ray Lewis, BALの代役)
NFC: Dan Morgan, CAR; Jeremiah Trotter, PHI
オールプロ選出は4人で全員AFC。そのためエドワーズはプロボウルに出れず、ブルスキも代役選出となった。3-4体型のチームが増えたこともあって印象に残るインサイドLBが目立つシーズンだった。

Cornerback
All-Pro: Ronde Barber, TB; Champ Bailey, DEN; Lito Sheppard, PHI
All-Pro, second team: Chris McAlister, BAL
AFC: Champ Bailey, DEN; Tory James, CIN; Nate Clements, BUF(Chris McAlister, BAL)
NFC: Ronde Barber, TB; Lito Sheppard, PHI; Dre Bly, DET
顔ぶれが様変わりしたような印象だが、若手の台頭というより中堅陣が評価されてきた感じか。ベイリーはトレードがあっても高いパフォーマンスを披露。2年目のシェパードの成長は非常に目立った。

Safety
All-Pro: Ed Reed, BAL; Brian Dawkins, PHI
All-Pro, second team: Troy Polamalu, PIT; Rodney Harrison, NE
AFC: Ed Reed, BAL; John Lynch, DEN; Troy Polamalu, PIT
NFC: Michael Lewis, PHI; Brian Dawkins, PHI; Roy Williams, DAL
PHIの二人は素晴らしいの一言。ベテランドーキンスと若手ルイスの存在は相手チームの脅威だ。ルイスと同じ3年目のリードは強力ディフェンスを誇るBALの顔的存在にまで成長した。2年目ポラマルはPITの今シーズンの躍進を支えた一人だ。大ベテランハリソンに代わって、プロボウルには同じく大ベテランリンチが選出された。

Punter
All-Pro: Shane Lechler, OAK
All-Pro, second team: Brad Maynard, CHI
AFC: Shane Lechler, OAK
NFC: Mitch Berger, NO
攻撃力の高いチームにいると出番がなかったりするパンター。弱いチームから選出されることも多い。レックラーはずば抜けたキック力で常連。メイナード、バーガーは常に安定した力を発揮するベテランだ。

Special teamer
AFC: Larry Izzo, NE
NFC: Ike Reese, PHI
スーパーボウル出場チームから選出されたベテランLBの二人。激しいタックルとリーダーシップの高さが共通点だ。

Long snapper
AFC: Kendall Gammon, KC
NFC: Brian Jennings, SF
ともにneed playerとして監督推薦での出場。最近はLSの能力が重要な局面も多く、もっと評価されるべきポジションだろう。


第39回スーパーボウル観戦記

2005年02月07日 14時17分33秒 | スポーツ
Super Bowl XXXIX

★New England Patriots vs Philadelphia Eagles at Jacksonville

○日本での放送開始は午前8時5分から。故レイ・チャールズを偲んで、アリシア・キーズによる「アメリカ・ザ・ビューティフル」斉唱。

○アメリカ国歌は、マイケル・ダグラスの司会で、第2次世界大戦終結60年を記念して当時軍役についていた方々を迎え、クリントン前大統領、ブッシュ元大統領をゲストに、アフガニスタン、イラク、ドイツの米軍キャンプを映像で結び、各軍士官学校などによる合唱という形になった。いまだ「戦時下」のアメリカを印象づけるものだった。

○コイントスは地元のジュニアのフットボールプレイヤー。New Englandのロドニー・ハリソンのヘッドのコールに、コインはテイルでPhiladelphiaのチョイスとなった。コイントスをした子供に(コイントスで勝って)真っ先に握手しに行ったドノバン・マクナブが印象に残った。

○第1クォーター、New Englandのキックオフで試合開始。Philadelphiaの攻撃は、WRテレル・オーウェンスにパスが通ったもののサードダウン3ヤードを残す。ここでマクナブが捕まりファンブルロスト。HCアンディ・リードはチャレンジを行い、コールが覆って、ファンブルは取り消された(サックは受けた)。いきなりNew Englandにモメンタムを与えるかと思われたが、なんとか踏み止まることができる結果となった。New Englandのファーストシリーズも1回ファーストダウンを奪ったものの、フォルトスタートの反則もあってシリーズを続けられずにパント。このあと、両チーム1回ずつスリーアンドアウト。New Englandは2度目のフォルトスタートの反則もあって、リズムに乗れない。
続くPhiladelphiaのシリーズ、RBブライアン・ウエストブルックへのパスで初めてのファーストダウン獲得。これで勢いに乗り、パスを続けざまに決める。更に相手の反則もあって敵陣8ヤードまで進むが、ここでサックを喰らってしまう。セカンドダウンベリーロングのプレイで、ゴールゾーンに投げ込んだパスをインターセプトされるが、これはイリーガルコンタクトの反則で救われる。しかし、次のプレイで再びSSロドニー・ハリソンにインターセプトを喫し、攻守交替となる。レッドゾーンでのオフェンスが重要と思われていたが、最初の機会にうまくボールを進められず、今後に悪いイメージを残すように思われた。
New Englandの攻撃は歯車がかみ合わない。またもスリーアンドアウトでパント。Philadelphiaは敵陣からの攻撃開始だったが、L・J・スミスがパスキャッチしたボールをハリソンがタックルしている間にCBランダール・ゲイがファンブルフォースし、FSユージーン・ウィルソンがリカバー。2度目のターンオーバーを奪った。

○スコアレスのまま第2クォーターに突入。New Englandは攻撃の糸口をつかめず、スリーアンドアウト。Philadelphiaは自陣19ヤードからのドライブを、ランもうまく織り交ぜながら敵陣深くまで進め、最後はL・J・スミスへのパスを決めてタッチダウン。7点を先制した。New Englandは、2回続けてRBコーリー・ディロンへのスクリーンパスを使って共にファーストダウン獲得し、ようやくリズムをつかむ。途中、WRデイヴィッド・ギビンズのファンブルの判定をチャレンジで覆すなどもありつつ、敵陣4ヤードまで侵攻。しかし、ここでQBトム・ブレイディがRBケヴィン・フォークへのプレイアクションのミスでファンブル。これをDTターウィン・ウォーカーがリカバーし同点機を逃してしまう。
モメンタムをつかみたかったPhiladelphiaだが、守備陣を打ち破ることができずスリーアンドアウト。パントが短く、New Englandは敵陣37ヤードからの攻撃権を得た。このドライブはパスを軸に、最後はデイヴィッド・ギビンズへのパスを通してタッチダウンで試合を振り出しに戻した。
残り時間1分10秒あったが、Philadelphiaは無理な攻撃はせず、結果的に時間を流すような展開になった。スーパーボウル史上2度目となる同点でのハーフタイム突入。

○ハーフタイムショウは、サー・ポール・マッカートニー。ビートルズ時代の「Get Back」や「Hey Jude」などの曲で盛り上がった。

○前半の印象。New Englandは攻守にわたっていまいち精彩を欠いていた。反則などの凡ミスが目立ち、モメンタムをつかめないまま戦っていた感じ。Philadelphiaもマクナブのパスの精度があまり良くなかった。両チームとも守備主体で、攻撃側が仕掛ける展開になっていなかった。

○第3クォーター開始。WRディオン・ブランチの4回のパスキャッチもあってゴール前に迫り、最後はブロッカーに入ったLBマイク・ヴレイベルへのパスが決まって、New Englandがこの試合初めてリードを奪った。Philadelphiaはファーストダウン1回のみでパントに追い込まれたが、パントでNew England陣深くに押しやり、その攻撃をスリーアンドアウトに止めることに成功、再び攻撃権を得た。ショートパスを重ねてドライブを進め、最後はRBブライアン・ウエストブルックへのピンポイントパスを通して同点のタッチダウン。

○New Englandもショートパスやランで攻撃を展開し、第4クォーターに突入。このドライブをRBコーリー・ディロンのランでタッチダウンとし、再び突き放した。続くPhiladelphiaの攻撃は、スリーアンドアウト。ここでの淡白な攻撃が試合展開を厳しいものとする。パントリターンが良く、New Englandの攻撃は敵陣から。WRディオン・ブランチへのミドルパスが決まった場面で、DTコーリー・サイモンが痛恨のラフィング・ザ・パサーの反則。これでレッドゾーンまで侵入したNew Englandはラン主体で時間を進め、フィールドゴールで追加点。ツーポゼッションが必要な点差となった。
この時点で残り時間は8分40秒。まだ十分キャッチアップできる状況ではあるが、厳しい状況であることも確か。WRテレル・オーウェンスのスーパープレイもあって、一気に敵陣に侵入したが、ここでマクナブがこの日二度目のインターセプトをLBテディ・ブルスキに喫してしまう。New Englandは時間を使ってパント。
残り時間5分40秒、自陣21ヤードからのPhiladelphiaの攻撃。最低3点取らなければならないドライブ。New Englandはパスラッシュはきちんとかけつつ、ディープも守るという戦術。ショートパスは通されるが、アフターランを許さず、時間を使わせる巧みなディフェンスを展開する。敵陣30ヤードに侵入した時、残り2分、ツーミニッツタイムアウトを迎える。
残りタイムアウトは2つ。キャッチアップなのだが、ハリーアップオフェンスという感じがしなかった。時間に余裕のない状況で、マクナブが素晴らしいパスをWRグレッグ・ルイスに通して、一気にタッチダウン。New EnglandはFSユージーン・ウィルソンが負傷でバックアップにデクスター・リードが入っており、そこを狙われた形。
残り1分48秒。ここでPhiladelphiaはオンサイドキックを選択した。この選択には非常に疑問が残った。この日のディフェンスから考えると、ラン3本なら止められるだろう。ならば、深く蹴って、止めて、パントでいいフィールドポジションを得た方がいい。オンサイドキックは成功率が低い。失敗すれば、ディフェンスが止めても攻撃開始位置が悪すぎる。案の定、オンサイドは失敗。ディフェンスは良く攻撃を止めたが、パントで攻撃権を得た位置は自陣4ヤード。残り時間46秒、タイムアウトはなし。最初のパスプレイでパスラッシュを受け、セフティバルブのRBウエストブルックにパスを投げ、それを取ってしまってダウン、時間がどんどん進んでいく。結局、苦し紛れに投げたパスをロドニー・ハリソンにインターセプトされ試合終了。24-21。New Englandは二連覇を達成。

○MVPはスーパーボウルタイ記録となる11回のパスキャッチをしたWRディオン・ブランチが選ばれた。ブレイディが成功したパス23回のうち、およそ半分がブランチへのパスだった。サードダウンなどの要所でよくキャッチし、素晴らしい活躍だった。

○New Englandの勝因。決して思い描いたような展開ではなかったと思う。攻撃は前半非常に苦しんだ。シーズン中に見せたようなロングパスも織り交ぜようとしたが上手くいかず、後半は短いパス主体で堅実に攻めた。ミスも目立ち、苦しかったと思うが、それでも辛抱強くプレイしたことが光る。守備も不安だったDB陣がよく頑張ったがいくつかミスもあって危ない場面もあった。ランをよく止めたこと、最後までパスラッシュをし続けたことが勝利を呼び込んだ鍵だろう。

○Philadelphiaの敗因。よく準備し、戦術的にも互角に戦えたと思う。テレル・オーウェンスは万全ではなかったが、よく活躍した。守備陣もランをよく止め、パスでもよくプレッシャーを与えた。惜しむらくは次の二点。ひとつは、マクナブのランを使わなかったこと。チャレンジャーの立場のPhiladelphiaがどこかで仕掛けるとしたら最も有効かと思っていたが、最後までマクナブのランはなかった。スクランブルを許さない素晴らしいディフェンス相手ということもあったが、決めうちのランを何度か見せることで展開の打開ができなかったかという思いも残る。もう一つは、より明確な敗因だが、キャッチアップオフェンスについて。シーズン中も接戦が少なかったせいか、ハリーアップオフェンスが機能していなかった。ノーハドルを使いそうな場面で使わなかったり、不必要なパスキャッチをしたりと時間の使い方のまずさが目に付いた。

○New Englandは過去4年で3回のスーパーボウル制覇。まさにダイナスティ。2000年代を代表するチームであることは間違いない。HCビル・ベリチックとQBトム・ブレイディは現代最高のHCとQBとして評価してよいだろう。一方で、既に2005年度シーズンが動き始めている。果たして、どんなチームがどのような戦術でNew Englandを止められるのか。それとも、史上初めてとなる3連覇の夢が叶うのか。気は早いが、もう来シーズンが楽しみだ(笑)。

Patriots reign again with 24-21 victory


第39回スーパーボウルプレビュー

2005年02月06日 16時40分48秒 | スポーツ
いよいよ世界最大のスポーツイベント、スーパーボウルが日本時間の明日に迫った。ある意味、自分にとって一年の締めくくりにあたる日だ(笑)。

★New England Patriots vs Philadelphia Eagles at Jacksonville
Key Player: Terrell Owens
New Englandは過去3年間で2回の優勝。連覇を目指している。若きQBトム・ブレイディは未だポストシーズンで負けたことがない。昨年優勝した時より、攻撃力は充実し、守備力もマニングを封じ込めるなど見劣りしない。ダイナスティを築きつつあるNew Englandが優位であることは間違いないだろう。
対するPhiladelphiaは、過去3年間すべてChampionshipgameで敗れてきた。実力の安定度ではNew Englandをも凌ぐ。QBドノヴァン・マクナブは経験、パサーとしての能力、アスリートとしての能力すべてを兼ね備えた存在だ。守備力も高く、特にDB陣はNFLベストと言ってよい。

ポストシーズンで勝敗を分かつものとして真っ先に挙げられることはQBの力の差だが、この二人は実力的にほぼ互角だと思う。パスの精度でブレイディ、スクランブル能力でマクナブが優位に立つが、共にリーダーシップがあり、ミスは少ない。試合の鍵のひとつは、この両QBから優秀な守備陣がいかにインターセプトを奪えるかだろう。
ブレイディは苦手と言われたロングパスを今シーズンは意識して投げてきた。Pittsburgh戦ではそれがかなり有効に機能した。RBコーリー・ディロンの存在が、ロングパスの成功率を上げているわけだが、DB陣の能力が非常に高いPhiladelphiaに通用するかどうかが見所だろう。もちろん、無理に投げないという選択肢も考えられる。
マニングを完璧に封じたHCビル・ベリチックのディフェンスは、マクナブを抑えられるのか。ホームで、かつコンディションが非常に悪かったIndianapolis戦とは今回は状況が違う。ターゲットが空いていないなら、自分でヤードを稼げるマクナブ相手にある程度のゲインを稼がれることは覚悟しなければならないだろう。マクナブは、ヴィックのようにラン能力は高いがパスはまだまだというQBではなく、ランもパスも高い次元でプレイできる。両方を同時に防ぐことは大変難しいだろう。

ランニングゲームを見た場合は、エースRBコーリー・ディロンを擁するNew Englandの方が上だろう。ただAtlantaのラッシングゲームを止めたPhiladelphiaのランディフェンスは素晴らしかった。DTコーリー・サイモンやMLBジェレマイア・トロッターら逸材がディロンを止められるかどうかが鍵となる。
対するPhiladelphiaのエースRBブライアン・ウエストブルックもシーズン後半になって調子を上げている。大ベテランRBドーシー・レベンズとの併用だが、パスキャッチ能力も高いウエストブルックの働きは勝利するために重要となる。New Englandのランディフェンスは特別強いというわけではない。つけいる隙はある。

試合展開を考えた場合、ベリチックがどういう展開を望むのかがポイントとなってくる。ポストシーズンゲームだけ見ても、Indianapolis戦では守備力に賭けた試合(ボールコントロールを軸にロースコアに持ち込む展開)、Pittsburgh戦では攻撃力に賭けた試合(ハイスコアに持ち込んで相手のランニングゲームの脅威を封じる展開)とがらりと戦術を変えた。相手チームに合わせて戦術の変更度の高い点がNew Englandの強さの秘訣であり、ベリチックのフットボールと言える。
ハイスコアを目指す場合、当然インターセプトのリスクが高まる。PhiladelphiaはWRテレル・オーウェンスの出来次第だがターンオーバーなしに大量点を取るのは難しい。DB陣の優秀さに加え、DEジェヴォン・カースらパスラッシュ能力も高いPhiladelphiaディフェンスからターンオーバーされずにヤードをガンガンと稼ぐ方法があるのかどうか。
ロースコアな展開を目指すにしても、先にも述べたように、ランパス共に能力の高いマクナブを完全に封じることは困難だ。接戦になれば、最後は実力以上に運がものを言ってしまう。接戦に強いNew Englandといえども、何が起こるか分からない。特にビッグプレイメイカー・オーウェンスが試合に出れば尚更だ。
ただPhiladelphia側からすれば、接戦に持ち込む以外に勝利は見えてこない。百戦錬磨のNew Englandを一方的にリードする展開は考えにくいし、それほどの実力差はない。7点差以内で第4クォーターに持ち込むことが第一の目標になるだろう。何をやってくるのか予想しづらいNew Englandに早くアジャストしなければ、一方的に敗れることもありえるからだ。

私の予想は、24-16でNew Englandの連覇。予想を覆すにはPhiladelphiaの戦術を越えたパフォーマンスが必要になる。ゲームブレイカー・オーウェンスがどの程度のコンディションで、どれくらいの活躍が出来るのか。彼の働きなしに勝利を手にすることは厳しいと思う。


エミット・スミス引退発表

2005年02月04日 22時46分36秒 | スポーツ
エミット・スミス引退発表

NFL.com: Emmitt Smith announces retirement

また一人、偉大なプレイヤーがフィールドを去る。
1990年ドラフト1巡(17位)で、Dallas Cowboysに指名され入団。前年の1989年にチームは、Jerry Jonesオーナー、Jimmy Johnsonヘッドコーチ、D1巡1位指名QB Troy Aikman体制に一新し、1勝15敗の成績で正に再建期の真っ只中にあった。また89年D1巡3位指名でDetroit Lionsに入団したBarry Sandersがルーキーシーズンに1470ヤードを走りNFCのリーディングラッシャーとなり、小柄なRBはNFLでは通用しないとの定説を覆した時期でもあった。
チームは順調に強くなり、88年D1巡11位のWR Michael IrvinとAikman、Emmitt Smithの3人はトリプレッツと呼ばれチームに貢献した。92、93年シーズンにスーパーボウル連覇を果たし、95年にもスーパーボウルに勝利した。93年にはシーズンとスーパーボウルの両方でMVPを獲得した。
NFLのリーディングラッシャーは90年から97年までの8年間、Barry SandersとEmmitt Smithが4回ずつ分け合い、他の追随を許さなかった。Dallasで13年間プレイしたあとArizona Cardinalsで2年プレイを続け、18355ヤードというNFL歴代一位のラッシングヤードを記録した。
当時のチームメイトが次々とユニホームを脱ぐ中で、現役にこだわり、走り続けた。今年36歳となる。そして、引退を発表した。

ランナーとしての彼を語る上で、常に比較の対象となるのがBarry Sandersだ。Sandersは変幻自在なランで、ロスすることも多かったが、一気にロングゲインもあり、見るものを常に興奮させるランナーだった。それに対してEmmitt Smithは堅実でロスも少なく、ファンブルも少ない。小柄で相手のタックルの芯を外すのが上手く、ゴール前でも簡単に止まらない強さがあった。Barryに比べると華には欠けるが、パスキャッチも、ブロックもでき、勝利への貢献度の高さは際立つものがあった。

当時Philadelphia Eaglesのファンだった私は何度となく彼に勝利をもぎ取られた印象が残っている。強力な守備が売りだったEaglesだが、完全に抑えていても、1試合のうち何度か彼にビッグゲインを許してしまいリードを奪われ負けてしまった。Dallasが、Emmitt Smithがいなければ、Philadelphiaがスーパーボウルに届いたかもしれない、という思いは今も残っている。
強かったが故に、敵役的な役回りもあったが、綺羅星のようにスターが集ったチームの、その中でも最も中心にいたのがEmmittで、いま思い直すと素晴らしく魅力的なチームだったと懐かしく感じる。


サッカー日本代表

2005年02月02日 23時07分20秒 | スポーツ
日本、3-0でシリアに勝利

というわけで、次戦はW杯最終予選、初戦の北朝鮮戦である。
今回のW杯でのアジア出場枠は4+1。前回の日韓共催ではホスト国が共に1次リーグを突破し、特に韓国は旋風を巻き起こしたという実績があるが、それでも世界のサッカーの実力をシビアに見つめればアジアで4,5ヶ国の出場はかなり多すぎるように感じる。世界レベルでの実績から考えると、3ヶ国程度が本来妥当だろう。
オフトジャパンで臨んだアメリカ大会最終予選は、ドーハの悲劇と呼ばれ、日本は出場権をあと一歩のところで逃したが、当時はアジアの出場枠は僅かに2ヶ国だった。続くフランス大会の予選は、3位決定戦に勝利して出場を手にした。この時は3+1ヶ国で、イランも含め4ヶ国が本大会に出場した。前回は日本と韓国が主催国特権で出場し、アジア枠からは2ヶ国のみの出場となった。日本のアジアでの実力は、アメリカ大会時は僅差の3位で、フランス大会時は4位に近い3位といった印象だった。前回は予選がなかったので評価できないが、本大会の結果からすると韓国に次ぐ2位ということになる。
現状のアジアの実力を考慮すると、韓国が抜きん出て、イランと日本が続き、サウジアラビアとバーレーンやオマーンなどの新興勢、中国あたりが実力均衡といったところか。この中での4+1枠ということを考えれば、よほどのことがない限り、日本のW杯出場は確実だろう(むしろ1次予選の方が危なかった)。

私が以前から日本代表に期待するのは、アジアで勝つことでなく、世界で勝つことである。日本が弱い時代からサッカーを見てきたが、オフトによってアジアの強豪に成長し、トルシエによって世界と渡り合う素地が作られた。私が望むのは更なるステップアップだ。しかし、現状ではその姿が見えてこない。いま日本代表監督に求めるべきものは、アジアでの結果ではなく、世界に立ち向かうには何が必要かではないのか?
その国の代表チームというのは、その国の象徴と言ってしまってもいいくらい、サッカーとはナショナルなものだ。サッカーは国民性の発露であり、サッカーの強弱はその国の文化の強弱であるという考えもある。日本代表のサッカーは、日本人のサッカーでなければならない。それは監督が日本人でなければならないということではない。日本人の特徴に合わせて戦術を組み立てる力がある監督なら国籍は関係ない。
では、日本人の特徴とは何なのか。大きく3つの要素が挙げられる。
一つは、クイックネスだ。日本人が肉体的な面で他の国に対抗できる武器はクイックネスだと思う。速さでなく素早さ。サッカーで求められる場面はいくらでもある。こうした特徴を生かすサッカーが見てみたいのは私だけか。
次に、ディシプリン。規律性は日本人が誇る精神的な特徴である。この部分に関しては、代表チームに受け継がれていると思う。ただこれは面白みに欠けるサッカーになる要素も孕んでいるわけだが。
最後に、イマジネーション。以前、韓国のFW、日本のMF、中国のDFを集めればすごいチームになるなどと言われたが、中田、小野、中村と優れたイマジネーションを持った選手が現れ、活躍した。海外で活躍したと言えるレベルの選手はこのポジションだけだし、日本の強みであることは確か。過去はともかく、現在の日本は優れたソフトの発信地であり、創造性・想像性を高く評価する文化が徐々に根付きつつある。ただ期待のMF陣も彼らに続く選手がいないのが気になるところだ。

これから始まる最終予選は、ファンが楽しむ場になることは間違いない。ただ勝つことや、出場権を手にいれること以上にもっと日本代表に望むことがあっていいんじゃないか?現在のディシプリンのみが目立つような楽しくないサッカーでなく、ワクワクするようなサッカーで、アジアレベルをぶっ飛ばすほどハチャメチャに勝ち切って欲しい・・・・・・なんてことは望み過ぎなんだろうか?


AFC Championshipgame

2005年01月24日 23時40分30秒 | スポーツ
★New England Patriots at Pittsburgh Steelers
アメリカンフットボールは準備のスポーツと呼ばれる。相手を分析し、どこをどう攻めるのか研究し、そのための戦術を組み立て、プレイを用意して、試合に臨む。しかし、現実には自分たちのプレイスタイルというものがあり、それを基にしながらいくつか用意したものを組み込んで試合を行う。選手が混乱してしまっては戦術が機能しないからだ。
New Englandの強さの特徴は、相手に合わせて組み上げる要素が他のチームとはレベルが違うほど大きいという点だ。Indianapolis戦とPittsburgh戦で全く異なる戦術を見せた。もちろん選手の理解度の高さもあるが、ルーキーや移籍組だって活躍している。何より大きいのはHCビル・ベリチックの存在だ。彼は分析力などにももちろん長けているが、なにより選手にどう伝えれば理解してプレイさせられるのかを熟知していることが素晴らしい。

Pittsburghのファーストドライヴ、3rdダウン3からQBベン・ロスリスバーガーのパスはWRアントワン・ランドルエルの手を弾いてSユージーン・ウィルソンにインターセプトされる。これがフィールドゴールに結びつき3-0。続くPittsburghのドライヴ、敵陣39ヤード地点で4thダウン1。ここでパントでなく攻撃を指示し、RBジェローム・ベティスが突進するも止められてしまった(記録上はファンブルロスト)。この直後のプレイで、QBトム・ブレイディがWRディオン・ブランチに60ヤードのタッチダウンパスを決め、10-0と点差を広げた。第1クォーター中にFGで3点は返されたものの、第2クォーター再びブランチにロングパスが通り、それをタッチダウンに結び付けて17-3。追い上げようと敵陣まで攻め込んだPittsburghだが、ロスリスバーガーのパスがSロドニー・ハリソンにインターセプトされ、そのままリターンタッチダウンされてしまった。

後半、Pittsburghがタッチダウンを奪うが、すぐにNew Englandもタッチダウンを奪って、点差は縮まらない。それでも、Pittsburghはパスを増やして攻め、タッチダウンを奪い、更に相手の攻撃も止め、必死に追い上げた。第4クォーターに入り、敵陣2ヤードまで迫るが4thダウンとなりFGで31-20。しかし、続くNew Englandの攻撃を止められずFGを決められて点差が14点差に戻ってしまった。そして、ロスリスバーガーがこの日三つ目となるインターセプトを喫して、Pittsburghは力尽きた。ラストスコアは41-27と予想外のハイスコアリングゲームになった。

Indianapolis戦ではQBペイトン・マニングの攻撃を封じることが試合の鍵であったが、この試合では、常にリードを保つことに主眼が置かれていた。第4クォーターに入っても、ボールコントロールに徹するのでなく、パスを投げて点を積み上げようとした。New Englandの守備が強いとはいえ、Pittsburghのランを完全に止めることは不可能だ。接戦になれば、このランは脅威となる。常にリードを保ち、Pittsburghにキャッチアップを強いることによって、ランの脅威が減り、勝利の可能性が高まる。
この試合の勝敗を分けたと言ってもいいプレイは、第1クォーターの4thダウン1のベティスのランを止めたプレイだ。みえみえのランプレイではあるが、"バス"の突進力を止めることは難しい。この試合のモメンタムをつかむために4thダウンゴーの判断は正しかったと思う。これを止めたのはコーチングではなく、守備の選手たちひとりひとりの能力だ。元々ショートヤードの守備に定評があったが、このプレイの結果は試合全体に大きな影響を及ぼした。第4クォーター敵陣深くでFGを蹴ったのも、このプレイの印象が残っていたことが判断材料になっただろう。
ロスリスバーガーにスリーメンラッシュで挑み、パスラッシュよりパスカバーでQBをコンフュージョンさせる作戦は3つのインターセプトという結果を生み出した。特にロドニー・ハリソンのインターセプトリターンタッチダウンはかなりのダメージをPittsburghに与えてしまった。ロスリスバーガーの出来はJets戦に比べると悪くなかったが、相手が悪かった。自分のやれることをキチンとやろうと徹するだけでは勝てないようなゲーム展開にされてしまった。

この試合を通してひとつ気になったことがPittsburghディフェンスの精彩のなさだった。NFL1位のトータルディフェンス、ランディフェンス、スコアリングを誇る最強守備陣。RBコーリー・ディロンのランはかなり止めたとはいえ、ロングパス2本を通され、ターンオーバーは奪えず、何より得点を取った後のドライヴで止められずに失点を許したことがチームの勢いを止めた。ブリッツバーグと呼ばれる激しさは発揮されず、ブレイディにプレッシャーを与える機会が少なかった。連勝を呼び込んだチャレンジングなフットボールが、連勝を重ねるたびに徐々に保守的な姿勢へと変化してしまったのか。
もともと圧倒的なラン攻撃で時間を支配し、守備に割かれる時間も少なかった。相手のキャッチアップ攻撃を止めるにはハードなブリッツは有効で、それがターンオーバーを導いた。そう考えると、スタッツ上の守備成績は本来の力を正当に示したものでないことに気付く。もちろん強力な守備ではあるが、どんな相手にでも対応できるNew Englandの守備と比べると力が劣っていたのかもしれない。

New Englandは連覇という大きな目標にあと一歩まで迫った。戦力均衡の時代、そして戦術が日ごとに進化する時代にこれほどの強さの持続は信じられない思いだ。HCビル・ベリチックの才能と、彼の戦術を理解して実行できる選手たち。特に、ブレイディ抜きにはこの強さは維持できないだろう。ヴィックのようなアスリート能力も、カルペッパーのような強肩も、バルジャーのようなクイックリリースも持ち合わせていない。ペイトン・マニングのような天才的パサーでもない。ファーヴのようにタフでもない。彼の偉大さを証明するスタッツはただ勝利のみ。勝てるQB。それこそが最も優れたQBだ。
SuperBowlではどのような戦術を考えるのか。もうファンでは予想することも難しい。そこで行われるプレイを見ることを今から楽しみに待つしかできない。ベリチックとブレイディのコンビが、どんな試合をしてくれるのか。


NFC Championshipgame

2005年01月24日 22時12分19秒 | スポーツ
★Atlanta Falcons at Philadelphia Eagles
勝敗を決めたもの、それはPhiladelphiaの守備力だった。Atlantaの誇る強力なラン攻撃をわずか99ヤードに抑え込み、チームを完勝に導いた。特に注目されたアスリートQBマイケル・ヴィックをパス136ヤード、ラン26ヤードに封じた。
私がアンダーレイトしていたこの守備は、トータルヤードではNFL10位だが、スコアリングでPittsburgh、New Englandに次ぐ3位を誇る。DEにジェヴォン・カースを獲得、MLBにジェレマイア・トロッターが復帰し、入れ替わりのあったDB陣もスターター4人のうち3人がプロボウルに選出された。名守備コーディネイターであるジム・ジョンソンが指揮するこのディフェンスは安定して強さを発揮している。ただこのところインパクトに欠けるきらいがあった。強い守備ではあるが、守備力を前面に押し出すチームではないし、New Englandのような緻密さや、Pittsburghのような派手さはない。今シーズンのNFC各チームの低迷に助けられての強さという印象があっただけに、この守備の真価が分からなかった。

試合の均衡を破ったのは、3rdダウン10でのルーキーCBディアンジェロ・ホールのイリーガル・ユース・オブ・ハンドの反則だった。オートマティック・ファーストダウンを得たPhiladelphiaは、このシリーズをタッチダウンに導き、先制。第2クォーター、Atlantaはラン主体の攻めで敵陣ゴール前まで攻め込むも、RBのT・J・ダケットのランが押し戻され、決め手を欠いてFG止まりで7-3。Philadelphiaは再び3rdダウン11のピンチで、AtlantaディフェンスのパスラッシュをかわしてQBドノヴァン・マクナブがWRフレディ・ミッチェルにパスを通しファースト・ダウンを獲得する。ディフェンスが気落ちしたタイミングで、今度はロングパスをWRグレッグ・ルイスに決め、ゴール前へ。最後はTEチャド・ルイスのきわどいキャッチでタッチダウンを奪い、14-3と突き放した。これ以上点差を開くわけにはいかないAtlantaも相手の反則にも助けられてタッチダウンを返し、14-10と追いすがって前半は終了した。

後半最初のドライヴ、PhiladelphiaはRBブライアン・ウェストブルックのランが冴え、FGで17-10とした。しかし、まだ1タッチダウン差。追撃を図りたいAtlantaだったが、痛恨のミスが出てしまう。第3クォーター残り3分6秒自陣深くからの攻撃でQBマイケル・ヴィックがTEアルジ・クランプラーに投じたパスがSブライアン・ドーキンスにインターセプトされる。これをFGにつなげ、20-10と点差が開いた。キャッチアップを求められる場面だが、ヴィックのパスが冴えず、得意のスクランブルもできない。時間だけが虚しく過ぎていく。Philadelphiaはロングドライヴをタッチダウンまで結びつけ、駄目押し。27-10で試合を決めた。

Philadelphiaディフェンスはヴィックに無理にプレッシャーをかけるのではなく、パスカバー能力の高さを生かして彼のパスを封じた。スクランブルを封じることを主眼に置いたディフェンスだったが、ヴィックのパスはそれを破れなかった。Atlanta自慢のラン攻撃はところどころで光ったものの、特に後半キャッチアップが必要となると使う機会がなくなってしまった。
Atlantaディフェンスは健闘したと思うが、ブリッツを好まない守備コーディネイターエド・ドナテルの下、フォーメンラッシュではシーズン中のようにQBにプレッシャーを与えられなかったことが敗因の一つとなった。マクナブは試合中落ち着いてオフェンスをコントロールし、ミスを犯さなかった。

マイケル・ヴィックはNFL屈指のアスリートである。だが、クォーターバックとしては決して超一流とは言えない。Philadelphiaディフェンスにまさにそこを衝かれた。パサーとしては課題が多いことは間違いない。パスの精度、ディフェンスを読む力、動きながらのパス能力といった点はまだ合格点に達していない。またチームのリーダーシップという面でもまだ物足りなさを感じる。
ヴィックを見るとき、いつも思いをだぶられるQBがいる。元Philadelphia EaglesのQBランドル・カニンガムだ。強肩のパサーとしても優れていたが、なんと言ってもそのスクランブル能力の高さが目立った。当時は、先日亡くなったDEレジー・ホワイト、DLジェローム・ブラウン、LBセス・ジョイナー、CBエリック・アレンら強力な守備を擁し、常に優勝候補に挙げられながら、同地区のWashington、NY Giants、DallasにNFC王者の座を奪われた。RBやWRにやや人材を欠き、オフェンスがカニンガム一人に頼る形だったことが大きな要因だった。現HCアンディ・リードがPhiladelphiaに来て、カニンガムは放出され、Minnesotaでパサーとして活躍したこともあったが、SuperBowlには無縁のままユニフォームを脱いだ。
24歳4年目のシーズンが終わったヴィックだが、パサーとしての成長なしに、QBとしての評価の向上とチームのSuperBowl出場は難しいだろう。もう将来性で語られる存在じゃない。この経験をどうつなげていくかがNFLファンの大きな注目だろう。

マクナブにとって、アンディ・リードにとって、Philadelphiaにとって、この勝利は待ち望んだものだった。戦力均衡の時代に4年連続チャンピオンシップゲーム出場は偉業だが、スーパーに出なければ意味はない。SuperBowlへ行くために積み上げてきたものがキチンと発揮された試合だった。
しかし、今シーズンNFCは低迷するチームが多く、AFCの盛り上がりに比べるとインパクトに欠けた。NFCチャンピオンの実力の程を示さなければ、今年のタイトルの重みが軽くなってしまう。昨年アンダーレイトされたCarolinaが食い下がり、素晴らしい試合を見せてくれた。王者に挑むことになるが、少なくともPhiladelphiaの強さは見せて欲しい。


NFL Championshipgame プレビュー

2005年01月22日 23時41分22秒 | スポーツ
★Atlanta Falcons at Philadelphia Eagles
Key Player: Jevon Kearse(PHI)

NFL屈指のアスリート、AtlantaのQBマイケル・ヴィックに注目が集まっている。
シーズンで902ヤード獲得したラン能力はQBとして驚異的だ。スピードはもちろん、カットバックや視野の広さなど並みのRB以上の才能を持っている。パス能力は超一流とは言えないが、強肩で思い切りがよい。OLも成長し、RBウォリック・ダン、T・J・ダケットら多彩なランナーによるグラウンドアタックは安定している。
Atlantaのこの攻撃を止めることはできるのか?PhiladelphiaのディフェンスはNFCではトップクラス。特にスピードDEジェヴォン・カースのパスラッシュの威力は強烈だ。しかし、ランディフェンスではそれは両刃の剣ともなりえる。Atlantaのランを止めることが至上命題なので、小柄なカースは弱点となる可能性もある。

4年連続チャンピオンシップに進出したPhiladelphiaだが、過去3年ここで夢破れている。ホームフィールドアドバンテージはあるが、QBマクナブの勝負弱さなどを指摘する声も上がっている。今シーズン、ブレイクを狙って獲得したWRテレル・オーウェンスは負傷のためこの試合も欠場。Minnesota戦では安定した攻撃を見せたが、守備力の弱いMinnesotaと比べ、AtlantaはHCジム・モーラの指導のもとかなり守備が強化された。

どちらもキャッチアップの爆発力に欠ける。序盤から緊張感に満ちた試合になるだろう。Atlantaのランが出なければ、試合はPhiladelphia優位になり、完勝するかもしれない。だが、ヴィックらのランを止めることは非常に難しい。ランによって試合をコントロールできれば、Atlantaが接戦を制する可能性が高くなる。20-17でAtlantaの勝利を予想する。


★New England Patriots at Pittsburgh Steelers
Key Player: Ben Roethlisberger(PIT)

あのペイトン・マニングが率いるハイパーオフェンスをほぼ完封した脅威のNew Englandディフェンス。若いが経験豊かなQBトム・ブレイディがオフェンスを率い、安定した得点能力を保っている。昨年スーパーボウルを制したPatriotsは今年も自信を持ってこれまで勝ち抜いて来た。そしてこの試合にも自信を持って挑んでくるだろう。
ディヴィジョナルプレイオフを見た限りでは、Patriotsの優位は動かない。PittsburghはJets相手に苦戦し、ほとんど敗戦を覚悟する場面もあった。期待されたルーキーQBベン・ロスリスバーガーは精彩を欠き、重要な局面でインターセプトを喫するなど経験不足を露呈した。
しかし、フットボールで大切なものをPittsburghは持っている。モメンタム。チームの勢いは時として予想を大きく覆す結果を残す。苦戦しながらも勝利したJets戦は、このモメンタムがまだこのチームに残っていることを示している。地元で戦えることも有利だ。

Pittsburghの攻撃の軸は、RBジェローム・ベティス、デュース・ステイリーを擁するランだ。New Englandのラン守備は強いが、昨年ほどではない。Coltsのパス攻撃を封じたベルチックディフェンスだが、このランを完封するのは難しいだろう。一方、Pittsburghが最も自信を見せるのはその守備だ。ブリッツバーグと呼ばれる伝統の3-4ディフェンスは今期素晴らしい結果を残した。このディフェンスが機能すればロースコアの接戦に持ちこめるだろう。
そこで鍵を握るのは、Jets戦で結果を残せなかったロスリスバーガーだ。必要なことは、彼がパスをどんどん通すことではない。ミスをせず、重要な場面でキチンとプレイすることだけだ。役割に徹するクォーターバッキングは、彼がシーズン中に身に付けたことだ。Jets戦ではできなかったことが果たしてこの大舞台でできるか?ロスリスバーガーがチームにもたらしたモメンタムを生かすも殺すも彼次第と言えるだろう。17-10で彼の奇跡を期待してみたい。


NFLな・・・05.01.19

2005年01月19日 19時04分07秒 | スポーツ
San Francisco 49ers 新ヘッドコーチにMike Nolan

2勝14敗という厳しいシーズンからの建て直しに、Ravensディフェンシヴ・コーディネーターだったマイク・ノーランをヘッドコーチに迎えた。WRテレル・オーウェンスを放出するなど、チーム強化の方向性が見えない状況だっただけに、本当に一からの再建となるだろう。

NFL JAPAN: ノーランが49ers新HCに就任


Baltimore Ravensの来シーズンコーチングスタッフ

オフェンシヴ・コーディネーターにJim Fassel、ディフェンシヴ・コーディネーターにRex Ryanが就任。RBジャマール・ルイスが出場停止などあったとはいえ、低迷した攻撃陣の建て直しは急務だろう。守備が強いだけに、ファセルの手腕が問われそうだ。

NFL.com: Ravens name Fassel offensive coordinator


スーパーボウルハーフタイムショウ

今回のスーパーボウルハーフタイムショウは、ポール・マッカートニーが2度目の主演となる。昨年はジャネット・ジャクソンのあの事件があっただけに、手堅い感じになるのだろうか(笑)。
また「アメリカ・ザ・ビューティフル」をAlicia Keysが歌う。

SUPERBOWL.COM: NFL scores Paul McCartney for Ameriquest Mortgage Super Bowl Halftime Show; Grammy Award winner Alicia Keys to perform 'America the Beautiful'


テレビ放映権更新

少し古い話題だが、
 11月8日、NFLは現在、日曜午後の試合を中継しているCBS、FOXの両テレビ・ネットワークと、2006年からの6年間に渡る放送契約の延長に合意したことを発表した。放送権料はNFCを担当するFOXが総額43億ドル(約4429億円)、年7億1250万ドル(約738億円)、AFCのCBSが総額37億ドル(約3811億円)、年6億2250万ドル(約635億円)と見られている。現在の放送契約は1998年~2005年までの8年間で、FOXは平均年5億5000万ドル(約567億円)、CBSは年5億ドル(約515億円)をNFLに支払っていると言われていた。

と、CBS、FOXとの放映権が延長された。ともに一年あたり1億ドル以上の高騰。またDirecTVとの契約も更新されている。
残るは、サンデーナイトゲームを放映するESPNとマンデーナイトゲームを放映するABCとの契約だが、いまだ締結していない模様。ここ数年、「波乱」の度合いが高まり、マンデーナイトゲームのプレミア度が低下しているきらいがあり、そのことがABC側に高額の放映権料へのためらいを生んでいるのであろう(ESPNはABC傘下)。
4大ネットワークの残るひとつ、NBCの巻き返しが予想されたが、NFL中継への復帰は難しそうだ。

参考までに、MLBの場合FOXが2001年から6年間25億ドルで契約。ただMLBはローカル放送が主体で、その総額は年間4億ドル程度となる。NHLの放映権収入は年平均で1億2000万ドル。

NFL JAPAN: NFLがCBS、FOXと80億ドルで6年間の契約延長; 衛星放送のDirecTVも独占契約を延長
Silverhound can’t be the target of spells or abilities.: NFLがテレビ放映権をCBS、FOXと80億ドルで6年間契約延長、衛星放送のDirecTVとも35億ドルで5年間契約延長に。
スポーツ放送権ビジネスの現状と課題
スポパラ.com: NHL存亡の危機とアメリカスポーツビジネス


NFL Divisional Playoff IV

2005年01月17日 19時56分13秒 | スポーツ
★Indianapolis Colts at New England Patriots
フォックスボロには魔物が棲んでいるのか?
IndianapolisQBペイトン・マニングはNFL記録となるシーズン49TDパスを決め、NFL史上最高と言っていいQBとなった。ホットラインWRマーヴィン・ハリソンだけでなく、WRレジー・ウェイン、WRブランドン・ストークリー、TEマーカス・ポラードといったレシーバー陣も成長し、マニングは豊富なターゲットに投げ分けることができるようになった。RBエジャリン・ジェイムズはケガからの低迷を脱し、今シーズンは全盛期に迫る復調振りを示した。OL陣もマニングをよく守った。パスもランも優れ、どんな状況でも力を発揮できるオフェンスだったはずだ。その最強のオフェンスがわずかFG1本に封じ込められた。
昨年の対戦でNew Englandの守備を支えた両CB、タイ・ローとタイロン・プールを負傷で欠き、エースDEリチャード・シーモアも欠場、試合前は果たしてマニングの攻撃を防げるのかかなり不安視された。その守備陣はTDを与えず、3つのターンオーバーを奪い、マニングの攻撃を完全に封じ込めた。
厳寒の地フォックスボロは小雪が降り続ける悪条件だったのは確かだ。フィールドも滑りやすく、人工芝とは勝手が違うのは間違いない。だが、それは始めから予想されていたこと。昨年のチャンピオンシップゲームと条件は変わらない。マニングにとってスーパーボウル出場のためにはNew EnglandHCビル・ベリチックは乗り越えなければならない壁だ。それは周知の事実。当然十分な準備をしてきたはずだ。それでも壁は壁であり続けた。
イージーな落球やファンブルが目立った。気合が空回りしたのか選手たちの動きが硬かった。New England守備陣はLBテディ・ブルスキやSロドニー・ハリソンのハードヒットが目に付いた。彼らは自信を持ってIndianapolisの攻撃を受けていた。マニングは得意のオーディブルを控え、堅実にプレイしようとしたが、Colts全体に漂う重いムードを振り払うことは叶わなかった。驚異的な力を発揮した攻撃陣は、あの活躍が幻だったかの如く、何もできないままに雪の中に沈んでいった。

New Englandの攻撃も気象条件を考慮し堅実すぎるほど堅実にプレイした。QBトム・ブレイディは長いパスを狙わず、短く短く刻んできた。プレイオフ初出場となるベテランRBコーリー・ディロンは泥まみれになりながら、貪欲にあと1ヤードを狙って走った。数年前までのランボー・フィールドで無敵の強さを誇ったGreen Bayのように、或いは極寒のリッチ・スタジアムで無類の力を発揮した昔のBuffaloのように、フォックスボロでのNew Englandはプレイオフにおいて数々の勝利を積み上げてきた。飛びぬけたビッグネームの選手の力に頼るのではなく、フットボールの基本をきちんとこなす選手たちをコーチ陣が巧みに使って勝利をもたらすスタイル。だからこそ、どのような環境でも戦え、主力をケガで欠いても安定した力を発揮できるのだ。

だが、チャンピオンシップゲームはフォックスボロの地ではない。連勝を止められたPittsburghとの再戦。ディヴィジョナルプレイオフではNew Englandの方がいい試合をしたが、New England以上の守備力とランオフェンスを持つ相手だ。PittsburghQBベン・ロスリスバーガーの出来次第で、試合展開は大きく変わってくるだろう。

96年ドラフト1位マーヴィン・ハリソン、98年ドラフト1位ペイトン・マニング、99年ドラフト1位エジャリン・ジェイムズの三人はトリプレッツと呼ばれIndianapolisの攻撃を支えてきた。マニングはルーキーシーズンから先発し、1勝15敗からスタートしたが、そこからチームは生まれ変わり、強豪へと成長した。トニー・ダンジーをHCに迎え守備を強化し、悲願のスーパーボウルを目指した。今シーズンは記録的なハイパーオフェンスでシーズンを戦い、その勢いをプレイオフまで持ち込んだが、New Englandには通用しなかった。エジャリンの契約が切れるため、このトリプレッツでのシーズンはこれで終わりになると予想されている。スーパーボウルへ何が足りないのか?何を変えていかねばならないのか?Indianapolisとマニングに重くのしかかる課題だ。