環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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スウェーデンの挑戦: 緑の福祉国家51 持続可能な農業・林業① スウェーデンの食料自給率

2007-05-21 07:12:16 | 市民連続講座:緑の福祉国家


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スウェーデンの食料自給率は高く、主要産物はほぼ100%を上回っています。穀物や豚肉は輸出もしています。野菜・果物・油脂の自給率は気候の関係で低い状況にあります。
ご参考までに、2002年のスウェーデンの食糧自給率を日本の農林水産省の「食料自給表」からまとめてみました。


穀物自給率ほぼ120%(1961年:112%、2003年:122%)を誇る農業に関しても、スウェーデンは80年代後半から90年代にかけて、持続可能性を強く意識した政策を次々に打ち出しました。その大きな流れを見ていきましょう。 

スウェーデンの家庭が食品に対して支出する総額の50%以上が、スウェーデン国内の農業生産にかかわっているという調査報告を受けて、政府は「食糧生産一貫政策のガイドライン案」を国会に上程しました。1985年、国会はこれを承認しました。 

このガイドラインでは、「農業を食品原料の供給源である」と明確に位置づけ、これまでの農業政策に修正を加え、スウェーデン国内で生産される最終食品の質だけではなく、家畜への配慮、環境への配慮を優先する政策が、その第一歩を踏み出したのです。 

ガイドラインのなかで初めて、食糧生産の場となる「環境」と食糧生産の源となる「資源」に対する目標を掲げました。その要点は、農業と食品生産のためには、良好な環境が必要であると同時に、スウェーデンの天然資源を長期的にしかも計画的に管理していく必要があるというものでした。
1995年1月1日のEU加盟後、スウェーデンは、食料安全保障は国境措置の撤廃と自由貿易の推進によって得られるとの立場から、英国・デンマークと共に、EU共通農業政策の急進的な改革を提唱してきました。また、スウェーデンは2001年1月~6月、EU議長国でしたが、農業改革は環境戦略と結びつかなければならないことを強調しました。  



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