環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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毎日新聞の連載記事 「暖かな破局」(第3部 削減を阻むもの)を読む

2008-03-18 22:05:50 | 温暖化/オゾン層
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毎日新聞が3月4日から8日まで、5回にわたって「暖かな破局」(第3部 削減を阻むもの)という連載記事を掲載しました。「第3部 削減を阻むもの」というサブタイトルが付けてあることから容易に想像できますように、この連載記事を企画した担当者や実際の取材にかかわった記者の方々が明らかにしたかったことはなぜ、日本では温室効果ガスの削減が進まないのか、その原因を探ろうとしたものです。

興味のある方は、この連載記事を読んでいただきたいと思いますが、記事を読む機会がない方のため、そして私自身のメモとして何が日本の問題なのかをある程度推定できるように、それぞれの記事の見出しを拾っておきましょう。

ここに書かれている日本の問題点は、私のブログですでに述べてきたことばかりで、特に目新しいことはありません。関連記事として過去のブログ記事にリンクを張っておきます。私の基本認識では、たとえ、ここにあげられた問題点が改善されても(排出権取引を導入し、IT化が進展し、森林計画が順調に進み、原発が正常に稼働し、そして風力発電がかなりの割合で設置されても) 、日本の二酸化炭素の排出量を削減することは難しいでしょう。日本の温室効果ガスの総排出量の90%を占めると言われているエネルギー起源の化石燃料の削減が実質的に担保されていないからです。

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暖かな破局(第3部 削減を阻むもの) ①排出量取引 導入検討
●首相「洞爺湖」見据え決断

政府は国内排出量取引の導入検討を表明した。地球温暖化対策の一環で、活動が規制されると導入に反対する経済界を押し切った。なぜ、急転したのか。第3部は首相官邸から始めたい。

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混迷する日本⑭ 「CO2排出権取引論」の虚実、10年前の議論だが(08-01-28) 


暖かな破局(第3部 削減を阻むもの) ②IT化でCO2増

京都議定書の目標達成に伏兵が現れた。IT(情報技術)の急激な拡大だ。業務効率化で省エネにつながると期待されたが、事情は違うようだ。

●排出量、効率化上回る予測も

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暖かな破局(第3部 削減を阻むもの) ③森林依存 計画倒れ

日本は京都議定書の削減目標6%のうち3.8%分を森林の二酸化炭素(CO2)吸収で賄う計画だ。実現には森の手入れが不可欠だが、林業の衰退で達成は難しい。

●CO2吸収 間伐遅れが障害

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暖かな破局(第3部 削減を阻むもの) ④原発は不安定な電源

二酸化炭素(CO2)の排出が少ない原発が世界的に見直されているが、国内では相次ぐ運転停止で「不安定な安定電源」となっている。排出削減が進まないと、電気料金にも影響が出る。

●「石炭」増加、温暖化対策は後手

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暖かな破局(第3部 削減を阻むもの) ⑤風力発電に「逆風」(最終回)

風力は二酸化炭素(CO2)を排出しない再生可能エネルギーだ。欧州で急拡大するが、日本では逆風が吹いている。

●電力業界、コスト増に反発

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