銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

ロング・ライダーズ

2007-08-16 01:09:19 | ら行
今宵は1980年制作の「ロング・ライダーズ」
南北戦争直後の混沌とした時代に、南軍ゲリラくずれの兄弟たちで構成されたギャング団が銀行襲撃や列車強盗をしていく姿とその顛末を描いた西部劇。アウトローとして、特に列車強盗として名高い実在のジェシー・ジェームズをモデルに史実に脚色を加えて描いた作品。

1866年、南北戦争後初めての銀行強盗がミズーリ州リバティで起った。これを実行したのがジェームズ兄弟、ヤンガー兄弟、ミラー兄弟という7人のギャング団であった。彼らは襲撃対象を銀行か鉄道会社等に絞っていたため、南部人の間では義賊としての扱いを受けていたが、被害者たちが、ピンカートン探偵社に探索を依頼したことで、両者の闘争が幕を切って落されることになる・・・という設定。

登場する4組の兄弟役を全て実際の兄弟で配役した奇抜な人選に感服。またスローモーション撮影を駆使して撮られた映像や、スタントも実写で度肝を抜くシーンとあって、なかなか素晴らしい。ただどうも展開に起伏があまり見られず、物語としては、「ふーむ、なるほどね」で終わっちゃう。史実に近く描いた故なのだろうか・・・。
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ワイルド・ビル

2007-08-15 01:10:48 | わ行
今宵は1995年制作の「ワイルド・ビル」
実在した元保安官ジェームス・バトラー・ヒコックを題材に描いた作品。“ワイルド・ビル” とは拳銃の腕前に付けられた愛称。1936年に「平原児」としても映画化されている。人物像を描きたいのか、展開で見せたいのか、いまいち西部劇復活の狼煙を上げ損なった感じのする作品。

保安官として町の治安を守り、無法者を倒す、二丁拳銃の早撃ちガンマンとして名を馳せていたワイルド・ビル(ジェフ・ブリッジス)は、ある時、誤って自分の助手を撃ち殺してしまったことで、保安官を辞め、各地を放浪することとなる。そして、金鉱発見に賑わう西部の町デッドウッドに流れつき、カードと酒と阿片に明け暮れる日々を送るのだが・・・という展開。

ワイルド・ビルって、なんか、あんまし格好良くない人物だったんだぞって、念押しされたような気分になる映画。どうしても保安官というとワイアット・アープ的な人格者って思ってしまうのがいけないんだけど・・・w ま、ロン毛で拳銃を逆向きにホルスターに収めているところなんかは、個性的で良いんだけどね。
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クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア

2007-08-14 01:15:57 | か行
今宵は2002年制作の「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」
前作同様アン・ライスの「ヴァンパイア・レスタト」と「呪われし者の女王」が原作となっているホラー。本作では、レスタト(スチュアート・タウンゼント)がヴァンパイアになった経緯とその後の苦悩を軸に甦ったヴァンパイアの始祖であるアカーシャとの絡みを描いた作品。

孤独に耐えれずに永遠の眠りについたはずのレスタトだったが、地に響いてくる怒りと官能に満ちたロックの音に心を動かされ覚醒する。そして自らのヴァンパイアであることを公言し、ロックの歌詞の中で吸血鬼の秘密を暴露しながら、他のヴァンパイアを兆発していた。そんな歌詞の中に込められた意味を超常現象研究家見習のジェシー(マーガリート・モロー)が解き明かして・・・という展開。

前作より血の場面は多いが、やはりそんなに怖くは無い。内容やストーリーはそこそこ面白いので、一気に最後まで観られる。出演者が前作より地味目なので、あまり心に残らないが、アカーシャ役のアリーヤだけは印象深い。歌手兼女優で将来楽しみだったが飛行機事故で若くしてこの世を去り、本作が遺作となってしまった。生きていればマトリックスシリーズでブレイクしただろうに・・・残念。
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インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

2007-08-13 01:33:39 | あ行
今宵の友は1994年制作の「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」
吸血鬼に魅入られた青年が、仲間に引きずり込まれていく数奇な運命を描いた作品。女流作家アン・ライスのカルト的な人気作「夜明けのヴァンパイア」の映画化。トム・クルーズ、ブラッド・ピッド、アントニオ・バンデラス等々の今では超一流の出演者が出演。

現代のとある部屋で、マスコミに売るネタを探していた若者クリス(クリスチャン・スレイター)が、どこか陰のある美青年ルイ(B・ピット)へのインタビューを始める。ルイの口から語られた内容は驚くべきもで、自分は18世紀末のニューオーリンズの農場主で、最愛の妻と娘を亡くして絶望していた。そんな時、吸血鬼レスタト(T・クルーズ)が近づいてきて、永遠の命を共にする仲間として自分を選らんで・・・という設定。

ヴァンパイアものだが、恐怖さは殆ど無い。なので、ホラー苦手な人でもOKな作品。インタビュー形式を中途に挟みつつ、回想からどんどん現代へ話をつなげているのだが、まったく違和感無しにストーリーに入っていける。当初の予想を覆すくらい楽しめた作品。あ!キルスティン・ダンスト・・・子役時代なのに今と同じ顔=おばちゃん顔なんだなw
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007/ダイ・アナザー・デイ

2007-08-12 01:13:45 | た行

今宵は2002年制作の「ダイ・アナザー・デイ (SPECIAL EDITION)」!
スパイ・アクション映画の金字塔007シリーズの第20作目。ボンドはピアース・ブロスナンが続投で、相手役はハル・ベリー。ハルが正に女ボンドの如き活躍をする。前作で“R” と呼ばれた男が“Q” として登場。主題歌はマドンナが歌う。

ボンドは、朝鮮半島に潜入し、北朝鮮のムーン大佐暗殺を遂行しようとしたが寸前で正体を見破られ、捕まり、監禁、拷問にさらされる。14ヶ月後、ボンドは韓国で捕虜となっていたムーンの腹心ザオとの交換により自由の身となる。しかし、14ヶ月の間に中国の諜報員が3名も殺害されていて、“M” はボンドが拷問に負け情報を漏洩したと疑い、“00” ナンバーを剥奪し、幽閉しようとしていた・・・という展開。

今までの作品と違うのは、CG全開の映像という点。前作まで実写主義だったのに、遂に行き着く所まで行った感じになってしまった。だって、消える車だなんて・・・w アクション・シーンは手放しに楽しめる出来になっている。特典映像のマドンナの主題歌PVも過去の007シリーズを取り込み充分楽しめる。

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007/ワールド・イズ・ノット・イナフ

2007-08-11 01:07:34 | わ行

今宵は1999年制作の「ワールド・イズ・ノット・イナフ (SPECIAL EDITION)」!
ボンドシリーズ第19作目。石油パイプラインを巡ってテロリストとの戦いを繰り広げるアクション巨編。一番長かったレギュラー“Q”役のデズモンド・リューウェリンに捧げられた作品(本作撮影後に死去し、遺作となった)。

石油王キング卿の500万ドルを取り戻したボンド(P・ブロスナン)だったが、その紙幣自体が爆薬に加工されていたため、MI-6本部内で爆発、キング卿は爆死してしまう。犯人と思しき人物を試作品のジェット・ボートで追いかけるが、あと一歩の所で何者かによって隠滅されてしまう。犯罪の陰に国際テロリストの存在を感じたボンドはキング卿の娘エレクトラ(ソフィー・マルソー)の護衛につくのだが・・・という展開。

これでもか、というくらいアクションシーンが充実した作品。CGでは無く実写に拘った映像が迫力満点で、とても楽しめる。死を予期したかのように、冒頭で“Q” の後継者として“R” がでてくるのが、なんとも・・・。ボンド・ガールのソフィーは可愛いし、デニース・リチャーズもそこそこ綺麗なので水準以上だw

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007/トゥモロー・ネバー・ダイ

2007-08-10 01:15:05 | た行

今宵は1997年制作の「トゥモロー・ネバー・ダイ (SPECIAL EDITION)」!
ピアース・ブロスナンのボンド役も板に付いてきた007シリーズ第18作目。新聞、TV、ラジオ等の媒体を操作し、第3次世界大戦勃発を画策する男とボンドの対決を描いた作品。本作は96年に他界した映画007シリーズの生みの親であるアルバート・R・ブロッコリに捧げられている。

ロシア国境付近での武器密売を叩き潰し、帰国したボンド(P・ブロスナン)に新たな任務が言い渡される。英戦艦が中国領海近くの海域で攻撃を受け撃沈、乗員全員死亡の事件が発生。実はこの事件、、自ら戦争の火種を起こし、ビッグスクープを捏造しようとメディア王カーヴァー(ジョナサン・プライス)が裏で糸を引いていたのである。この事件の真相解明と戦争勃発の危機回避のため、ボンドはハンブルグへ飛んで・・・という展開。

アクション満載のスパイ映画。ボンドはまたもやマシンガン乱射をするが、ちゃんとワルサーも撃ってるので良しとしようw バイクでの逃走シーンやカーチェイスも面白いし、新ボンド・カーのBMWのガジェットが凄い、凄い! また、ミシェル・ヨーのクンフーも見応えある・・・と、思われw

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007/ゴールデンアイ

2007-08-09 01:16:14 | か行

今宵は1995年制作の「ゴールデンアイ (SPECIAL EDITION)」!
前作から6年振りに制作されたシリーズ第17作目。本作から五代目ボンドとしてピアース・ブロスナンが登場。“ゴールデンアイ”と言う電磁波攻撃用衛星を巡ってボンドが活躍する。どちらかと言うとスタイリッシュな感じのボンドに仕上っている。

東西冷戦下、巨大ダムの底にあるソ連の工場施設を爆破する任務を遂行中、同僚の006ことアレック(ショーン・ビーン)が敵に捕えられ、射殺されてしまうが、ボンドは辛うじて逃げ延びる事に成功する。それから9年後、NATOの最新鋭ヘリコプターが国際犯罪組織ヤヌスの女殺し屋オナトップ(ファムケ・ヤンセン)と、9年前にアレックを殺し、今はロシアの将軍となったウルモフによって、奪われる事件が発生して・・・という展開。

P・ブロスナンの演技も良いし、アクションや戦車のカーチェイスも面白く、飽きずに観られる作品。ただ、ボンドがワルサーPPKより、マシンガンの連射が多いのが・・・まぁ、迫力はあるけどね。あと、“M” をオスカー女優のジュディ・デンチが演じているが、ちょいと・・・な、感じ。ナターリア役のイザベラ・スコルプコが、結構良いかも。

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007/消されたライセンス

2007-08-08 01:16:39 | か行

今宵は1989年製作の「消されたライセンス (SPECIAL EDITION)」!
ティモシー・ダルトンの2作目。しかしダルトンのボンド役としては最終作となった第16作目。今回のボンドは、英諜報部とか、英政府とか、女王陛下とか、一切を切り捨てて、友人とその妻の仇討ちというまさに私怨で麻薬王に戦いを挑む異色作となっている。

旧知の友で、CIA捜査官のフィリックス(デイヴィッド・ヘディソン)とデラの結婚式に出席するためフロリダを訪ねたボンド(T・ダルトン)は、沿岸警備隊の連絡を受け、急遽、フィリックスと共に麻薬王サンチェス(ロバート・ダヴィ)の確保に向かい、奇抜な方法で逮捕する。しかし、彼は政府高官にも賄賂をばらまいていたため、移送中に難なく逃亡してしまう。その後、無事に2人の結婚式が行われるのだが・・・という展開

英諜報部の後ろ盾を無くし、己の身ひとつで戦うボンド。感情の起伏等は原作のイメージに一番近いらしいが、私情で動くボンドというのも目新しく、たまには良いかも。T・ダルトンのボンドももう数作観てみたかったが、ちょい残念。ボンド。ガールのルペ(タリサ・ソト)とパム(キャリー・ロウエル)は、どちらも良い感じ。

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007/リビング・デイライツ

2007-08-07 01:02:33 | ら行

今宵は1987年制作の「リビング・デイライツ (SPECIAL EDITION)」!
ティモシー・ダルトンを四代目ボンドに据えたシリーズ第15作目。前作までのコメディ性を廃して、スパイ・アクションとしての路線に徹した作品。T・ダルトンが精悍な007を演じているので、なかなか良い配役と思われる。主題歌はa-haが担当。

東西冷戦の最中、KGB高官コスコフ(ジェローン・クラッペ)が亡命を望んでいた。英諜報部はチェコにボンド(T・ダルトン)を派遣し、計画を実行にうつす。その際、ボンドはKGBの美女でチェリスト兼狙撃手のカーラ(マリアム・ダボ)の射殺を決行しようとするが、直観的にわざと狙いを外す。結果的に亡命は成功し、コスコフの口から西側スパイ暗殺計画の情報を得るのだが・・・という展開。

やはりボンドが若返ると、アクションやテンポが良くなり、観ていて楽しいと思わせられた作品。主役が変わっても007シリーズは不滅だなw ボンド・ガールのマリアム・ダボより、やはり若返ったマニーペニー役のキャロライン・ブリスの方が可愛くみえてしまったのは、ご愛嬌?(笑

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007/美しき獲物たち

2007-08-06 01:37:25 | あ行

今宵は1985年制作の「美しき獲物たち (SPECIAL EDITION)」!
007シリーズ第14作目。年齢的にきつくなったロジャー・ムーア最後のボンド。その引き際を飾るかのように派手なアクションと演出で描いた作品で、仏と米を舞台に縦横無尽の活躍を見せてくれる。主題歌はデュラン・デュランが担当。(一番売れた主題歌らしい)

極寒のロシア氷河で、003の遺体からマイクロチップを入手し、追撃を逃れて英国に戻ったボンド(ロジャー・ムーア)は、すぐさま“M” に呼び出される。ボンドが入手してきたチップが、英国が極秘開発をしてきたチップと同一のものだったのである。どうやらKGBが関係しているらしいということで、第一容疑者のマックス・ゾリン(クリストファー・ウォーケン)に接近を試みるのだが・・・という展開。

年齢を感じさせない大立ち回りのアクションと相変わらず散りばめられてるコメディとが上手く融合して面白く仕上っているいる作品。セットとは思えない鉱山とか、相変わらずこのシリーズの美術担当の腕の素晴らしさが伝わってくる。サットン役のタニア・ロバーツもなかなか美しい金髪美女だなw

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007/オクトパシー

2007-08-05 01:48:09 | あ行

今宵は1983年制作の「オクトパシー (SPECIAL EDITION)」!
ロジャー・ムーア主演のシリーズ第13作目だが、制作時に不吉さが過る。同時期になんと別会社からボンド役にショーン・コネリーを配した「サンダーボール作戦」のリメイク版「ネバーセイ・ネバーアゲイン」の制作発表があったから。ま、結果的には本家の圧勝だったらしいが。

ボンド(R・ムーア)は、中南米の軍事基地に潜入し、最新型レーダー装置を破壊しようとして、特製小型ジェット機アクロスターで、敵の格納庫ごと装置を破壊する任務を遂行していた。同じ頃、ベルリンでは同じく英諜報部員の009が、英大使館に倒れ込み息を引き取った。彼の手から転げ落ちたのは、精巧に作られたファベルジュ・エッグの贋作だった。本物はサザビーで競売にかけられる予定になっていて・・・という展開。

インドを舞台に結構面白く作られていて、前作ほどでは無いがアクションシーンも充分盛り込まれている。オクトパシー役を黄金銃を持つ男に出演したモード・アダムスが演じているが、別設定の敵役や相手役を同一俳優が演じるのは、どうかと思う。007はシリーズで観る人多い作品だから特にねw

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007/ユア・アイズ・オンリー

2007-08-04 01:28:18 | や行

今宵は1981年制作の「ユア・アイズ・オンリー (SPECIAL EDITION)」!
前作で宇宙まで行ってしまい娯楽作品化した007を原点回帰させ、アクション中心のスパイものに仕上げた第12作目。そう言った意味で、オープニングでスペクターのボス、ブロフェルドと思しき人物を葬り去り、心機一転といったところか。主題歌はシーナ・イーストン。

ギリシャの沖で英国の情報収集船が何者かの仕掛けた機雷によって沈没させられる事件が発生。同船は、東西両陣営の均衡を崩す兵器“ATAC” というミサイルの誘導装置を積んでいた為、狙われたらしい。そこで英政府は海底遺跡発掘調査のハブロック卿に引き上げを依頼するが、やはり何者かによって惨殺されてしまい、英諜報部からボンド(R・ムーア)が派遣されることになるのだが・・・という展開。

愛妻の墓参りとか、結構シリアスな場面を入れたり、陸海空と肉体を使ったアクションを多く披露したり、見応え充分。しかも、あんまり女にがっついていない大人のボンドって感じで、上手く仕上っている。メリナ役のキャロル・ブーケが、とっても美しく、かつ知的で凛とした雰囲気をだしているので、ちょいと惚れちゃうかもw

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007ムーンレイカー

2007-08-03 01:10:51 | ま行

今宵は1979年制作の「ムーンレイカー (SPECIAL EDITION)」!
移送中に略奪されたスペース・シャトル“ムーンレイカー” をめぐって、ジェームズ・ボンドがベニス、リオ、アマゾン果ては宇宙へと活躍の場を広げた作品。当時のSFブームに目を付けて制作順を変更したという007第11作目。

米国から借り受けたスペース・シャトルを英国に輸送中、何者かによって奪われる事件が発生する。早速、調査を開始する英諜報部のボンド(R・ムーア)は、まず“ムーンレイカー” を開発、製造したドラックス(ミシェル・ロンダール)の元を訪ねる。そこで魅惑的なホリー博士(ロイス・チャイルズ)出会うが、軽くいなされる。そして、博士が目を離した隙にボンドはいきなり窮地に立たされて・・・という展開。

水陸両用ゴンドラの奇抜さとか、ロープウェイでのアクションとか、なかなか凝っている。特にロープウェイの場面は、上空から俯瞰で映しているので、高さが伝わってきて、ちょいビビった。BGMに荒野の七人の音楽使ったり、宇宙空間でのレーザーによる戦いはスターウォーズぽかったり、と遊び心満点。前作から続いてジョーズ(リチャード・キール )も登場・・・意外といい奴だw

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007私を愛したスパイ

2007-08-02 01:10:35 | わ行

今宵は1977年制作の「私を愛したスパイ (SPECIAL EDITION)」!
ロジャー・ムーアのボンドで一番当たった作品。これまで二人三脚でやってきたプロデューサーのブロッコリとサルツマンではあったが、副業で破産したサルツマンが去り、ブロッコリが一人で命運を賭けたシリーズ第10作目。世相(ウーマン・リヴ)を反映してか、ボンドと対等の能力を持つKGBの女スパイが登場する。

英ソの原潜が地中海で忽然とその姿を消すという事件が発生。英諜報部は、真相究明をボンド(R・ムーア)に命じる。一方、ソ連KGBもトリプルX のコードネーム無を持つ女スパイ、アニヤ(バーバラ・バック)に同様の調査をさせる。そして共に事件の鍵は、戦略用に開発された原潜航跡追跡システムにあるとにらみ、エジプトへ・・・という展開。

過去で使われた設定や、名シーン等の焼き直しが多いが、逆にどの作品のあの場面だとか思い出しながら見られるので悪くは無い。タイトル前の度肝を抜くスキー・ジャンプや、ロータス・エスプリの意外なボンド・カー仕様とか、不死身の男“ジョーズ” とか、面白さも充分あるので、観て損はしない。本作では、ショーンの影は消え、ロジャーのボンドになっている。

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