今宵は1968年制作の「奴らを高く吊るせ! 」!
マカロニ・ウェスタンで脚光を浴びたクリント・イーストウッドのハリウッド凱旋作品で、オクラホマ準州に属す広範な土地であるフォート・グラントを舞台に冤罪によるリンチで吊るされた男の復讐を描いた西部劇。西部開拓時代の「法制度や死刑制度や正義の在り方とは」と言うことに現代からの視点で疑問を呈した作品。
ジェド・クーパー(C・イーストウッド)は、800ドルで購入した牛を輸送中に9人の男たちに囲まれ、牛泥棒の疑いを掛けられたうえ、弁明の余地無しに吊るし首にされてしまう。偶然通りかかった連邦保安官ブリスによって九死に一生を得たクーパーは、囚人護送車でフォート・グランドへ移送され、そこで判事から冤罪を認められて釈放されるとともに、連邦保安官になることを打診され……とい設定。
「公の正義」と「私の正義」その在り方と、死刑制度の是非をテーマにしたかったような作品なのだが、凱旋したイーストウッドを持ち上げるような(格好良い睨み顔のアップ等)カットが多く、アクションとも、社会派ドラマとも、どちらとも言えない仕上がりになっている。ただ、イーストウッド好きにとっては、面白く観られた作品。出来れば、もっと銃捌きのカットが欲しかった。