銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

ザ・セル

2015-04-30 00:01:10 | さ行
今宵は2000年制作の「ザ・セル 特別プレミアム版」!
TVCFやミュージック・ビデの世界では有名なターセム・シンの初映画監督作品。連続猟奇殺人鬼の心の中に入り込んで事件解決の手ががりを得ようとする心理学者(児童セラピスト)の姿を描いたスリラー。歌手であり、女優でもあるジェニファー・ロペスの初主演作でもある。

若き心理学者キャサリン(J・ロペス)は、人間の潜在意識や夢の中に入り込む技術の研究に自ら被験者として参加していたが、成果が出ず、スポンサーからの援助も切られようとしていた。そんな彼女のもとに、拉致した女性をガラス張りのセルに閉じ込め、溺死させる過程に性的快楽を得るという連続猟奇殺人事件の犯人の心の中に入り、事件解決の糸口を見つけて欲しいとFBI から依頼され、OKしたキャサリンは……という導入。

夢や精神構造に入り込むという設定は、既にマトリックスで使われていたり、セル以後もインセプションで使われたりしているので、目新しいものではないが、精神世界の情景描写が他とは異なっている点は評価に値するかな。精神世界の衣装デザインが石岡瑛子の手によるものなので、どこかしら日本風なイメージがあったりして面白く観られた。J・ロペスは化粧によって顔がまるっきり別人になっていたりするのも良かった。
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ハプニング

2015-04-27 00:14:24 | は行
今宵は2008年制作の「ハプニング 特別編」!
初回限定アウターケース仕様。
独特な感性と展開の作品が多く、一部熱狂的なファンがいるM・ナイト・シャマランの手による作品。“人類滅亡は何の前触れもなく、突然起こった。そう、ハプニングのように。” といったキャッチコピーでも付けたくなるようなサスペンス・スリラー。

NYのセントラルパークを発端に、次々と人が自殺を図る異変が発生し始める。原因が特定できないままその異変は拡大し、各地に広まる様相を呈していた。そんな中、高校教師のエリオット(マーク・ウォールバーグ)は、妻のアルマ(ズーイー・デシャネル)と友人から託された女の子ジュリアン(ジョン・レグイザモ)を伴い得体の知れぬ、そして目に見えぬ異変から逃亡劇を図るのだが……という設定。

おそらく主題は、“環境汚染で自然環境が自主的に反応を起こし、自浄作用の一環として人間を排除する” っていうことだと思えるのだが、どうもその辺の解釈は観る側に丸投げって感じの作りで、シャラマンらしいと言えばらしいのだが、いまいち。ともあれ、飽きずに最後まで観ることはできる作品かな。

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ニコラス・ケイジのウェザーマン

2015-04-24 00:08:31 | な行
今宵は2005年制作の「ニコラス・ケイジのウェザーマン」!
パイレーツ・オブ・カリビアンの監督であるゴア・ヴァービンスキーがまったく異なる描写で描いたほろ苦いヒューマン・コメディ・ドラマ。主演はシリアスからコメディまで何でもこなせるニコラス・ケイジで、父親役をアカデミー賞受賞歴のあるマイケル・ケインが演じている。日本劇場未公開作品。

シカゴの地元テレビ局でお天気キャスターとして働き、そこそこの収入を得ていたデイヴィッド・スプリッツ(N・ケイジ)は、一見勝ち組に見えるものの、街では意味もなくファーストフードを投げつけられたり、妻のノリーン(ホープ・デイヴィス)とは別居状態だったり、有名作家である父のロバート(M・ケイン)からは認められないといった冴えない日々を送っていた。そんなディヴィッドに全国ネットのウェザーニュースのオーディション話が来て、世界観が変わるかも……といった設定。

子を思う気持ちは幾つになっても、立場が違っても、やはり確固たる絆があるんだな、と感じさせる内容かつニコラスの顔芸が結構笑えたり、悲しかったり、といろいろと楽しめる作品。劇場公開してもちょっと、という思いが浮かぶけどね。偉大な作家の父にお天気キャスターの息子……あぁ、想像しちゃったよ、ある親子をw

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レコニング・デイ 血まみれドッグ

2015-04-21 00:13:47 | ら行
今宵は2002年制作の「レコニング・デイ 血まみれドッグ (DELUXE EDITION)」!
ジュリアン・ギルビー監督が仲間と一緒に製作した低予算(日本円で約150万円程度)のバイオレンス・ムービー。東京国際ファンタスティック映画祭2003年正式出品作品で、世界各国の映画祭でその出来栄えに賛否両論が噴出した曰くつきだが見どころ満載の作品。製作費の絡みからスタッフや出演者も仲間や親戚、親兄弟総出といったチープ感が漂う。

英国の国際的暗殺者チャールズ(サウル・リンクレイター)と片腕のスチュ(ドミニク・アラン・スミス)は、仲間と共にアメリカに渡り名を馳せるも、同業者に恨まれた挙句、密告され米陸軍特務部隊に追われる事になる。カナダ国境付近まで追い詰め、銃撃戦の末、特務部隊はほぼ壊滅させられ、チャールズ一味は逃亡してしまう。それから17か月後、英国の麻薬売買事件にチャールズ一味が、浮かび上がってくる。英国は、米陸軍特務部隊の生き残りであるコードネーム“エド(ローマン・カーバイネック)” にその壊滅を依頼する……という前提。

B級テイスト一杯で、サブタイトルのまんま、ありえんほどの流血&血飛沫!に圧倒されつつも結構サクサク観られる作品。何回かに分けて撮影しているため血糊とかバラバラになっているけど、まぁ許そうw。“レコニング・デイ=報いを受ける日=審判の日” という意味らしい。
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アンダーワールド ビギンズ

2015-04-18 00:02:51 | あ行
今宵は2009年制作の「アンダーワールド ビギンズ (COLLECTOR'S EDITION)」!
闇の世界の女処刑人が暗躍するゴシック・アクション“アンダーワールド” シリーズの一作で、前2作の主人公セリーンが何故ヴァンパイアとライカンの厳しい戦いの中に身を置くことになったのか、その物語の起源に迫る作品。元祖を同一としながらも派生後に激しく対立することとなった2つの種族の誕生秘話が描かれている。

1000年以上も昔、不老不死の祖コルヴィナスの双子の兄弟マーカスとウィリアムによって、それぞれ吸血鬼族と狼男族が誕生するが、知力や体力、政治力で勝る吸血鬼族が狼男族を支配していた。やがて狼男族の中から新たな種族としてライカンの祖ルシアン(マイケル・シーン)が誕生したことから、今までの主従関係に変化が現れる。そして、ルシアンは吸血鬼族長老の娘ソーニャ(ローナ・ミトラ)と愛し合うという禁断の関係を結んでしまい……という前提。

前2作同様にゴシック感満載で、結構面白く観られた作品。第1作の冒頭部分のみをスピンオフさせたようでありながら、それなりに見応えがあったので満足。雰囲気作りが上手いせいか、R・ミトラが、たまーにK・ベッキンセイルに見えたりして、なかなか。当初、似ているが別人の設定でK・ベッキンセイルがソーニャ役という案もあったらしいが、今作はこれで良かったと思う。
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ジェイド

2015-04-16 00:05:50 | さ行
今宵は1995年制作の「ジェイド」!
“フレンチ・コネクション”で有名なウィリアム・フリードキン監督による過激なエロティック・サスペンスで日本未公開作品。とある富豪が自宅で惨殺された事件がきっかけとなり、大きなスキャンダルに発展する様相を呈するが、といったクライム・サスペンスでもある。

富豪が惨殺される猟奇的殺人事件が発生する。事件の捜査過程で検事補のデヴィッド・コレリ(デヴィッド・カルーソ)は、この事件には州知事であるルー・エドワーズに関わるスキャンダルがあることを見つけてしまう。失脚を恐れた知事の妨害工作のために捜査は難航するが、さらに捜査を進めると、ジェイドと呼ばれる娼婦の存在が浮かび上がるのだが・・・という導入。

エロティックというほどエロは感じない作品。中盤のカー・チェイスはなかなかの出来で、アングルとかも良い。ま、それなりに楽しめた作品ではあるが、未公開なのもなんとなくわかる。リンダ・フォレンティーノ・・・悪くはない、悪くはないんだけど、妖艶な美女と言うにはちょっと……。題名の“ジェイド”には、“玉=翡翠(美しさと不変の価値)” の意味と“淫婦” の意味が掛け合わされている。
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マックス・ペイン

2015-04-13 00:20:55 | ま行
今宵は2008年制作の「マックス・ペイン 完全版」
薬物中毒者に妻子を殺害されたNY市警の刑事が復讐のため孤軍奮闘する姿を描いたガン・アクション・ムービー。原作は映画“マトリックス”で使われた特殊エフェクト「バレットタイム」をゲームシステムとして再現し、世界中のゲーマーを興奮させた同名のPC用の3Dアクション・シューティングゲーム。

殺人課の刑事マックス・ペイン(マーク・ウォールバーグ)は、自分の妻子を殺害した犯人3人のうち2名を射殺するが、主犯格には逃げられてしまう。犯人を捜すため殺人課から未解決事件班に異動し、たった一人で捜査を続けていたマックスはあるナイトクラブで手掛かりを知っていそうな薬漬けの美女ナターシャ(オルガ・キュリレンコ)と出会う。が、情報を得ることが出来ぬまま何者にナターシャが惨殺されて・・・という設定。

原作のゲームを知らずに観たのが幸いしたのか、それなりに楽しめた作品。で、観終わった時に浮かんだのは、一応解決はみたものの黒幕まで追わずに終わらせたのは、続編の含みがあるのか?と言う思い。だが7年経過して続編の「ぞ」の字もない・・・。本作で完結にした方が良かったのかも。O・キュリレンコ、端役なのはちょい残念。
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