銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

トエンティマン・ブラザーズ

2010-10-29 23:54:56 | た行
今宵の友は2002年制作の「トエンティマン・ブラザーズ」
初回限定B3版ポスター付仕様。
“トエンティマン・ブラザーズ” と呼ばれるプロの強盗団の3兄弟、長男ダイル(ガイ・ピアース)、料理上手な次男マル、キレやすい筋肉男の三男シャインに悪徳弁護士や汚職警官を絡めて描いたコメディタッチの隠し味を付けたクライム・サスペンス。

ダイル、マル、シャインの3兄弟は“決して誰も傷つけない”“必ず3人だけでやる” をモットーに完璧な仕事を手掛けていたが、今や刑務所に収監される身となっていた。しかし、その腕を買い、私腹を肥やそうと画策した悪徳弁護士フランクは、刑務所に収監中というアリバイを使い、汚職刑務官や刑事を抱き込み、一時的に釈放をさせ強盗に及んでいたが・・・という設定。

3兄弟各々の設定がうまく描き分けられていたり、細かいところに笑いを誘う種があったりと、意外と面白く観られる作品なので、過度の期待をせずに観るとよいかも。ご都合主義的な展開は否めないが、ノリの良さで一気に最後までという感じで引っ張って、え?というオチは好き嫌いが分かれるところかな。
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ハイ・クライムズ

2010-10-27 17:04:13 | は行
今宵は2002年制作の「ハイ・クライムズ(特別編)」
ある幸せな夫婦の家に泥棒が入り、捜査の過程で採取した指紋から、夫が実は殺人の罪で軍事裁判にかけられる身の脱走兵であること、夫の名前が12年間偽名であったことなどが発覚するなかで、夫を信じ軍事法廷で争おうとする妻の姿を描いた異色法廷サスペンス。

飛ぶ鳥も落とす勢いの女弁護士クレア(アシュレイ・ジャッド)は、夫トムと仲睦まじく暮らしていたが、ある時、夫が12年間偽名で、しかも殺人の罪を問われていたことを知り、愕然とする。しかしクレアは気丈にも夫の無実を晴らそうと軍事法廷に臨む道を選択するのだが、裁判のあり方が民間の法廷と異なるため、海兵隊あがりの弁護士チャーリー(モーガン・フリーマン)に協力を要請して・・・という設定。

夫の無実を信じ、懸命に戦う妻をA・ジャッドが好演していて、結構ドキドキしながら一気に観られる作品。確かに登りつめてオチをつけるあたり面白いのだが、弁護士、殺人犯、どんでん返しといった設定が95年制作の某作品と似てるのが気にはなるけど、味付けは違うので良しとしとくかな。燻し銀のようなM・フリーマンもなかなか良い味をだしている。
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背徳の囁き

2010-10-15 01:48:17 | は行
今宵は1989年制作の「背徳の囁き」
ロス市警の腕利きの警官でもあり、同署に蔓延する汚職の元凶でもあるデニス・ペック(リチャード・ギア)と新規に内務調査班に配属され、同市警の不正を探る任務に就いたレイモンド・アヴィラ(アンディ・ガルシア)との対決を描いたポリス・サスペンス・ストーリー。

内務調査班に配属されたレイモンド(A・ガルシア)が任された最初の仕事は、警察学校時代に同期だったヴァン・ストレッチ(ウィリアム・ボールドウィン)の調査だった。彼の不当な行為の裏に黒幕がいると直感したレイモンドは、パートナーのエイミー・ウォーレス(ローリー・メトカーフ)と内偵を続け、同市警の敏腕警官デニス(R・ギア)が何らかの関与をしていることを察知するのだが・・・という設定。

R・ギアの狡猾な駆け引きとA・ガルシア直線的な正義感がぶつかり合い、面白く観られる作品。持ち味の甘いマスクとスマートトークを遺憾なく発揮し、平然と悪役をこなしてしまうR・ギアの演技力に感服。終盤の言い訳(自己弁護)がましい語りは不要のような気もするが・・・。
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コラテラル

2010-10-14 01:07:09 | か行
今宵は2004年制作の「コラテラル (2DISC SPECIAL EDITION)」!
ヒーロー的な役柄が多いトム・クルーズが、今までのイメージを一新し、銀髪に無精髭、黒いサングラスの殺し屋に扮したスタイリッシュ・サスペンス。夕方6時から翌朝4時までという、一晩の出来事を描いている作品。題名のコラテラルとは“巻き添え” という意味との事。

いつかはと夢を持ちながらも、一歩踏み出せずに12年間タクシー・ドライバーを勤めてきたマックス(ジェイミー・フォックス)が、ある日の夕方、客として乗せた女検事アニー(ジェイダ・ビンケット=スミス)に仄かな恋心を抱いたこと、そして、その後に入れ替わりに乗り込んだヴィンセント(T・クルーズ)から一晩の貸切で大金を払うと言われ、ついその気になってしまったことで運命の歯車が・・・という導入。

デジタルカメラを多用して、ロサンゼルスの夜景や車内の2人の顔に映る光の陰影を美しく仕上げた映像美は素晴らしい。基本的に設定や展開に無理が目立つけど、引き込まれてあっと言う間に観られる作品。トムさん、キャラはいつもと違う悪役だけど、やはり走る、走る(もう、パターンだね)。J・フォックスの顔つきの変化も見逃せないといった感じで、主役が2人だ、この映画は。
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デイ・ウォッチ

2010-10-13 02:58:28 | た行
今宵は2006年制作の「デイ・ウォッチ (DIRECTOR'S CUT EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
人間界で生きる“光と闇の異種” が均衡を保つため、各々が「ナイト・ウォッチ」「デイ・ウォッチ」と呼ばれる番人を置き、相互監視しているという“光” と“闇” の攻防を描いたダーク・ファンタジー3部作の第2弾で、キャストは前作と同じメンバーが続投している。

“ナイト・ウォッチ” のアントン(コンスタンチン・ハベンスキー)は、スヴェトラーナ(マリア・ポロシナ)の研修中に、異種の人間襲撃の報を受け現場に急行する。犯人は異界へと逃げるが、既に高レベルの能力を身に付けていたスヴェトラーナは制止を振り切り後を追い、犯人と対峙し、その目出し帽を剥ぎ取る。するとそれは、アントンの息子イゴール(ディマ・マルティノフ)で…という導入。

前作より潤沢な資金で制作されたのでスケールもVFXもパワーアップしているので、そこら辺は興奮しながら観られる仕上がりだが、内容的には、相変わらず難解な作品。「え?そのオチは何?」のような収め方なので、なんだか第3部を前に完結してしまったような気もするが、どうなることやら。3部作揃ったらまた最初から観た方が良い気がしないでもない。
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NEXT -ネクスト-

2010-10-11 01:06:01 | な行
今宵は2007年制作の「NEXT -ネクスト-(2DISC COLLECTOR'S EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
わずか2分の予知能力を持った男がFBI の要請で核爆弾テロリストに立ち向かうアクション。原作はフィリップ・K・ディックの“ゴールデン・マン” だが、2分先の予知能力というアイディアだけを拝借し、内容はまったく別物に仕上がっている作品。

ラスベガスでマジシャンをしつつ、予知能力で小銭を稼いでいるクリス(ニコラス・ケイジ)の元へFBI 捜査官カリー(ジュリアン・ムーア)がLAのどこかに極秘に持ち込まれた核弾頭によるテロを未然に防ぐため捜査協力するように要請してくる。しかし、幼い頃より能力のせいで実験体にされてきたクリスは非協力的なうえ、国家の一大事より、なぜか惹かれる女性リズ(ジェシカ・ビール)にご執心で・・・という設定。

なんとも頼りない超能力者なのだが、N・ケイジが演じるとまさにはまり役といった感じがするし、アクション+ロマンス+SFのごちゃまぜB級感も楽しく、一気に観られる作品。序盤にあの刑事コロンボでお馴染みのピーター・フォークも観ることが出来、懐かしさ一杯。また大半のアクションシーンに使われているCGによる画像処理もなかなかの出来栄え。
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ウォーター・ホース

2010-10-10 00:44:59 | あ行
今宵は2007年制作の「ウォーター・ホース (COLLECTOR'S EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
スコットランド地方に伝承される幻獣“ウォーター・ホース(ケルピー)” と少年の友情を描いた作品で、ディック・キング=スミスが世界中に物議を醸したネッシーの写真をモチーフに書いた児童書が原作。ネス湖の幻の生物ネッシーを大胆な発想でよみがえらせたモノ。

父親の戦死を受け入れられず、自分の世界に籠もりがちになっていた少年アンガス(アレックス・エテル)は、ネス湖のほとりで不思議な球体を見つける。家に持ち帰り、表面を削ると、青く光る卵らしきものが現れ、そこから謎の生物が生まれる。親代わりのように世話をするアンガスにその生物も徐々になつくが、日に日に成長を続け・・・という導入。

ファンタジーものなので、常識を脱いで観るべき作品。そうでないと脚本や展開、CG映像を充分楽しめないという結果に陥ってしまう。純粋に少年とクルーソー(ウォーター・ホースに付けた名)の友情だけでは盛り上がりに欠けるので、戦争やら大人の事情やらを散らしているけど中途半端な感は否めない。
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スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい

2010-10-06 12:45:39 | さ行
今宵の友は2007年制作「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」
期間限定アウターケース及び新ジャケット仕様。
一介のマジシャンからコーザ・ノストラ・ベガスの中に入り込み、自らも一大勢力を築いた“エース” ことイズラエル(ジェレミー・ビヴェン)の心臓(命)に100万ドルの懸賞が掛けられた事から発生する、FBI、マフィア、暗殺者が入り乱れるクライム・アクション。

マフィアに近づき過ぎた事で、自らも一大ギャングを気取ったイズラエルであったが、やはり素人稼業のため逮捕されてしまう。そして、マフィア情報と交換で司法取引に応じる意向を示したことでマフィアのボスの怒りを買い、報奨金をかけられてしまう。それを狙った一癖も二癖もある殺し屋達が世界中から集まり始める中、FBI 捜査官のカラザーズ(レイ・リオッタ)とメスナー(ライアン・レイノルズ)は、保護に向かったのだが・・・という導入。

深く考えずにあっと言う間に観られる作品で、登場人物が多いので、いったい誰が主人公なんだろうと思わせたり、各々に特徴的な個性や性格を持たせ、意外な展開をさせたりして、しっかりと描き分けている点は、流石、ジョー・カーナハンと言ったところ。歌姫アリシア・キースが女殺し屋の役で銀幕デビューした作品でもある。
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メメント

2010-10-05 13:20:35 | ま行
今宵は2000年制作の「メメント」
前向性健忘(発症以前の記憶はあるが、新しい記憶は覚えられない)という記憶障害を発症した男が、妻を殺した犯人に復讐するため追い詰めるというサイコ・サスペンス。時系列を敢えて狂わせた構成に回想を交えることで、更に時系列を複雑化してみせる目新しい手法の作品。

保険の調査員をしていたレナード(ガイ・ピアース)は、ある夜、自宅に侵入した賊に最愛の妻を殺害されてしまったうえ、その際に殴られた傷が元で前向性健忘症を発症してしまう。10分しか持続できない記憶を留めるため、レナードはポラロイドやメモに記録し、そして特に重要なことは己の身体に刺青として刻み込むことで残しながら、犯人の手掛かりを追っていく…という設定。

敢えて結末をみせてから謎解きに入るタイプの作品だが、その展開の時系列がワザと崩されているため頭がスッキリしている時に観ないとなかなか監督の真意を汲み取れない構成になっていて、結構面白い。DVDだと特典で時系列順に直した映像も収録されているのだが、観れば観るほどに謎が深まっていき、観客を翻弄する仕上げになっていて、これはやはりクリストファー・ノーランの作戦勝ちかも。
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マックQ

2010-10-02 04:43:36 | ま行
今宵は1973年制作の「マックQ」
60年代後半からダイナミックなカーチェイスを扱った作品が多く制作される中、西部劇をメインとしていたジョン・ウェインが初の刑事役に挑んだアクションもので、ウィンチェスターを9mmイングラムに持ち替え、馬をトランザム・ファイアーバートに乗り換えて活躍する作品。

夜明け頃、2人の制服警官を射殺した男が背後から撃たれ病院で息を引き取るという事件が発生する。シアトル市警のマックQ(J・ウェイン)はその背景に麻薬密売組織の元締めサンチャゴが絡んでると推理し、単独で行動に出るが、裏目に出て上層部から圧力が掛かってしまう。そこでマックQは警察を辞職し、元相棒の仇を討つため私立探偵になって・・・という設定。

なんとなく謎めいた出だしが良い感じを醸し出していて、音楽も展開もなかなかの出来映えなので一気に観ることが出来る作品。ちょっと残念なのは、J・ウェインも頑張っているのだが、大男すぎて動きが何故か緩慢に見えてしまう点。とは言え、西部劇のイメージを払拭して現代劇の新境地を開いた一面も垣間見られるので、充分楽しめる。作品としてはオチが弱いような気もしないでもないが・・・。
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