銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

パンドラム

2014-08-29 00:10:05 | は行
今宵は2009年製作の「パンドラム (COLLECTOR'S EDITION」!
地球人口が飽和し限られた資源を奪い合う西暦2174年、地球と似た形態を持つ星へ移住計画が発動。その移住用宇宙船エリジウムの艦内を舞台に人類の存亡をかけたサバイバルを描いたSFスリラー。パンドラムとは、宇宙航海で発症する閉所恐怖症からくる心理的障害で、神経症や誇大妄想という症状をもたらすモノと本作では定義付けられている。

冷凍睡眠から目覚めたバウアー(ベン・フォスター)とペイトン(デニス・クエイド)は、交替要員の姿が見えないこと、自分達が隔離されていること等、艦内の異変に気づく。冷凍睡眠から覚めて間もないため、記憶の混乱を生じながらも、まずは司令室へ艦内を探索しながら進むことにしたのだが・・・という設定。

全体的に暗めの映像、かつ重め目の音楽なので、物語の雰囲気を上手く醸し出している。また展開も中弛みすることなく進むので一気に観る事ができ楽しめる。若干、観終わった後にあの内容(映像)は不要なのでは、というものもあるが、トータル的には秀作。ヒロインのナディア役のアンチュ・トラウェ、なかなか美しい人なので、汚れた格好じゃない作品も観たいものだ。
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ハードキャッシュ

2014-08-26 00:03:18 | は行
今宵の友は2002年制作の「ハードキャッシュ」
現金強奪専門の知能犯と悪徳FBI 捜査官の間で繰り広げられる二転三転の犯罪クライム・アクション。知能犯テイラーをクリスチャン・スレイターが、強奪仲間バージニアをダリル・ハンナが、敵対するFBI 捜査官コーネルをヴァル・キルマーが演じるという顔ぶれ。強奪シーン、カーチェイス、見どころ満載の作品。

仲間のミスから逮捕・投獄されたテイラー(C・レイター)は、1年後仮出所となる。同じミスは犯さないようにとバージニア(D・ハンナ)ら4人の新たな仲間を集め、緻密に練った計画で場外馬券売り場を襲撃。計画は見事に成功し、200万ドルを手にしたかに思えたが、その200万ドルは全てFBI の囮捜査用の紙幣だったため、過去の仲間を頼って、紙幣の洗浄を行うことにしたのだが・・・という導入。

観ている分にはサクサクっと観れてしまうし、二転三転の展開も面白いけど、B級の域を脱せないので、ま、軽いエンターテイメント作品といったところかな。“ホセに始まり、ホセに終わる” そんな流れなのだが、その意図が理解できない、なにか伏線でもあったのかと勘ぐるが、何もない。実に謎(?w)だ。取りあえず暇なときに観る程度のものかと。
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イーグル・アイ

2014-08-16 00:17:03 | あ行
今宵は2008年制作の「イーグル・アイ (2DISC SPECIAL EDITION)」!
縁もゆかりもない男女が、謎の女性からの電話で絶体絶命の状況に追い詰められていく恐怖を描いたアクション・サスペンス。スティーヴン・スピルバーグの原案を、D・J・カルーソー監督がスリリングに映像化した作品。

コピーショップ店員のジェリー(シャイア・ラブーフ)は、交通事故死した双子の兄の葬儀の後から、法律事務所の事務係レイチェル(ミシェル・モナハン)は、愛する息子を演奏会に送り出した後から、それぞれ謎の女からの電話で脅迫され、否応なしに行動を要求されたうえ、FBI の追及にあって・・・という導入。

ジェット・コースター・ムービーとも呼べる急展開の連続で、観る者に飽きる隙を与えない作りになっている。平凡な一般市民がそんなことできるのか?といった突っ込みどころ満載だが、それなりに観られる。冒頭シーンが全ての伏線の源になっているのに気づくのは、中盤を過ぎてから。別に謎解きミステリーじゃないので、あれこれ考えず、ジェット・コースターに乗ったまま観終わったという感じ。

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パーフェクト・ストレンジャー

2014-08-04 00:25:55 | は行
今宵は2007年制作の「パーフェクト・ストレンジャー」!
初回限定アウターケース仕様。
ニューヨークの広告業界と匿名性の高いインターネットを舞台に繰り広げられていくサスペンス・ミステリー。主演にハル・ベリー、助演にブルース・ウィリスとなかなか期待させる配役。そして、“ラスト7分11秒―”、 “「衝撃の真実」に、あなたは絶対騙される。" のキャッチコピーにまんまと乗せられて犯人捜しをしてしまう作品。

新聞記者のロウィーナ(H・ベリー)は、議員の同性愛スクープを圧力により握りつぶされたことでくさっていた。そこへ幼馴染から広告業界の大物ハリソン・ヒル(B・ウィリス)の不倫スキャンダルの話を聞かされる。が、その数日後、幼馴染は変死体となって発見される。新聞記者の直感で、この死の真相は、ハリソンの口封じではないかと思ったロウィーナは、友人のマイルズと共にヒルの身辺に探りを入れて・・・という展開。

最後に大どんでん返し、謎解きがあると分かっていながらも、こいつか?あいつか?と考えながら観られるので、結構面白かった。ま、最後に詰め込み過ぎ感が無いわけでは無いが・・・。身内の裏切り行為に激高し、ちょいと暴れた以外、B・ウィリスらしいアクションがなかったので、別の俳優でもよかったような、敢えてそのギャップで見せられたかのような、気がする。H・ベリーは、相変わらずスタイルいいね。

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評決

2014-08-02 00:23:58 | は行
久々の今宵の友は1982年制作の「評決」!
かつてはエリートだったが、ある事件をきっかけに酒に溺れる生活を送っていた弁護士が、医療ミスの訴訟をきっかけに再び真実と正義を問いただすようになるまでを描く法廷映画の秀作。社会派サスペンスの巨匠と称されるシドニー・ルメットらしい演出と映像、ポール・ニューマンの迫真の演技、観る者を引き込む要素一杯の作品。

落ちぶれた弁護士ギャルビン(P・ニューマン)は新聞の死亡欄からお金になりそうな事件を見つけては、葬儀に紛れ込んで依頼を受け、日々暮らしていた。ある日、そんなギャルビンに医療ミスで植物人間にされた患者の弁護の仕事がやってくる。始めは十分な示談金を手に入れられそうな楽な仕事と言うだけで引き受けものの、被害者の機械に繋がれ、生かされている姿を目の当たりにしたことで・・・という導入。

真冬のボストンの寒々とした風景と、落ちぶれた弁護士の描写を上手く重ね合わせて見せる前半と証人探しに奔走し、依頼人のため(ひいては自分のため)に繰り広げられる熱のこもった最終弁論の後半との対比もなかなかの出来。ローラ・フィッシャー(シャーロット・ランプリング)との大人の恋と別れと未練も魅せてくれる。
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