銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

アジャストメント

2018-05-28 00:12:17 | あ行
今宵の友は2010年制作の「アジャストメント」!
SF作家フィリップ・K・ディックの短編小説“調整班” を原作とした作品で、恋愛味のSF(もしくはSFの恋愛風味)。マット・デイモン演じる若き政治家が、“アジャストメント・ビューロー(運命調整局)” と呼ばれる組織のチェアマン(議長)とその手足となって動く部下達(天使)の手による“運命の調整” に翻弄される姿を描いたもの。

上院議員候補のデヴィッド(M・デイモン)は、消防組合を後ろ盾に他の候補より当選に近い位置まで来ていた。しかし、感情的になり過ぎて、理性の抑えが利かないという欠点のため、醜聞写真が新聞に載り、落選が確定的となってしまう。その敗北宣言を行う数分前に偶然エリース(エミリー・ブラント)という女性と遭遇し、一目惚れをしてしまうのだが、その出会いの影響か、敗北宣言も予定していた内容と異なるものになったものの、それが功を奏し次回へつながる結果となり……という前振り。

運命は、その人個人ではなく、もっと大きな存在によって決められていて、ズレが生じると運命調整局によって微調整がされる、という設定自体は面白そうだし、興味を引くが、脚本のせいかどうかわからないが、主人公への感情移入も起きなければ、物語の展開にも今ひとつ入り込めないといった思いが残った作品。もちろん、M・デイモンの若き政治家役は見事にはまっているし、何処でもドアは日本人なら違和感無しに受け入れられる(某猫型ロボットのおかげ?w)設定なので、面白い要素はたくさんあるのに、ちょっと残念。
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タイタンの逆襲

2018-05-23 00:15:37 | た行
今宵は2012年制作の「タイタンの逆襲」!
全能の神ゼウスと人間の子として生まれた育った半神ペルセウスが巨大魔物クラーケンとの死闘を制した前作“タイタンの戦い” から10年後を描いた続編で、ゼウス・ハデス・ポセイドンの神々三兄弟の残忍な父であるクロノスの復活とタイタン族との世界の存亡をかけた戦いを描いた作品。本作では監督がジョナサン・リーベスマン変わっているが、フクロウの“ブーボ” の1シーンのみ出演は引き継がれている。

死闘の後、ペルセウス(サム・ワーシントン)は、妻イオと死別し、忘れ形見へレイオスと穏やかな漁師の生活を営んでいた。そのペルセウスの元へゼウス(リーアム・ニーソン)が現れ、冥府の迷宮タルタロスが開き、魔物が現世へ溢れ出し始めて世界に危機が迫っていること、神々への信仰が薄れ、神の力が弱まっていることを告げ、人間との半神であるペルセウスに助力を請う。しかし、ペルセウスは息子との今の生活を守るため、にべもなく追い返してしまうが、冥府より魔獣キメラが出現し……という前振り。

CGは、前作同様になかなかのものなのだが、どうも脚本というか、演出というか、前作で感じたような高揚感がいまひとつ無く、ちょっと残念な出来栄えに思えた作品。いかに主人公が半神、それも人間寄りとはいえ、神っぽさが全く見受けられないのも、なんだかなぁ、と言う感じではあったが、一気に最後まで観られたので、それなりに楽しめた。
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将軍の娘/エリザベス・キャンベル

2018-05-18 00:11:35 | さ行
今宵の肴は1999年制作の「将軍の娘/エリザベス・キャンベル」!
ある意味、閉鎖された空間である陸軍基地を舞台に、そこで発生した殺人事件を巡るサスペンスで、原作はネルソン・デミルの同名小説。事件処理の仕方には、“正しい方法” と“誤った方法” 以外に“軍独自の方法” があり、陸軍犯罪捜査部(CID)捜査官のポール・ブレナー准尉(ジョン・トラヴォルタ)が、捜査を軍人として行うのか、警察として行うのか、どう動くのかが見所の作品。

ジョージア州にあるマッカラム陸軍基地で、武器横流しの潜入捜査を行っていたブレナー(J・トラヴォルタ)の元へ、同基地内で女性士官の全裸絞殺事件発生の報が入る。被害者は、次期副大統領が有力視されているキャンベル将軍の一人娘であるエリザベス・キャンベル大尉だった。ブレナーは、元恋人だったレイプ事件専門の女性捜査官サラ・サンヒル准尉(マデリーン・ストウ)とコンビを組み、共に事件の捜査にあたるうち、エリザベス大尉の性癖が分かり……という設定。

軍という特殊な環境下での事件を巡るサスペンスと言うより、組織の隠蔽体質や女性の性を軽んじる男社会への告発をした、という感じの作品。正義のトラヴォルタがなかなかお茶目で格好良い演技を見せてくれているし、ジェームズ・ウッズとの心理戦のやり取りは面白いし、サクサク観ることができた。エリザベス役のレスリー・ステファンソンの軍礼服姿は、なかなか美しく印象深い。
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ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密

2018-05-13 00:12:49 | な行
今宵は2014年制作の「ナイトミュージアム/エジプト王の秘密」!
ニューヨークに実在するアメリカ自然史博物館を舞台にしたベン・スティラー主演のアドベンチャー・コメディの3作目かつ最終章の作品。展示物が動き出す設定を引き継いだまま、2作目では世界最大スミソニアン博物館へ舞台を移したが、本作は大英博物館を巻き込んでの仕上がりとなっている。作中劇でヒュー・ジャックマンとアリス・イヴがカメオ出演している。

アメリカ自然史博物館にプラネタリウムを新規併設し、そのお披露目の夜、動く展示物を特殊効果のように扱い奮闘していたラリー(B・スティラー)の努力も空しく、展示物が暴走を始め大失敗に終わってしまう。どうやら展示物に命を与えていたエジプト王の石板“タブレット” が効力(魔法の力)を失いつつあることが原因であると判明。石板の持ち主であるアクメンラー(ラミ・マレック)によると石版の秘密は父であるエジプト王マレンカレ(ベン・キングズレー)でないと判らない、と言うので……という導入。

流石に3作目ともなると、単なるドタバタは食傷気味だし、メインの登場人物+猿も固定だし、舞台を変えてもあまり変わり映えしないと言うか、何と言うか、といった感じがする作品。勿論、面白い場面もあるので飽きずに最後まで観られるのだが、第1作を観たときほどのインパクトは無くなっているのが残念。まぁ、これで完結ということなら良しとしよう。間違っても同じ設定で4作目に手を出すことが無いようにと祈っておこうかな。
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バイオハザード:ザ・ファイナル

2018-05-08 00:26:10 | は行
今宵は2016年制作の「バイオハザード:ザ・ファイナル」!
ミラ・ジョヴォヴィッチがヒロインを務めるサバイバルホラーゲームの映画化シリーズ第6弾で、前作から4年ぶりの完結編。冒頭は、やはり前作のラストシーンから継続して始まる展開となっているが、前作のエンドクレジット直前まで登場していたジル・バレンタイン、エイダ・ウォン、レオン・S・ケネディ等は本作では登場せず、映画本編では詳細不明。ただし、小説版ではそこのところを補完しているので、興味があれば小説も、という感じ。

レッドクイーンとの戦いに敗れ、瓦礫の下で目を覚ましたアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、廃墟と化したホワイトハウス周辺の建物を徘徊するうちに、異様な機械音に導かれ、とあるコンピュータールームへと辿り着く。そこで待っていたのはなんとレッドクイーンであり、彼女の口から“人類滅亡まで残り48時間である”“T-ウイルスの抗ウイルス剤がラクーンシティの地下にあるハイブにある”“自分はアンブレラ社の社員に危害を加えられないが、アリスならできる”といったことをを聞かされる。半信半疑ではあったが、一縷の望みとアリスはラクーンシティを目指し……という導入。

“I” が2002なので、なんと14年で完結するという息の長い作品。ま、本来は2014の予定が、ミラの妊娠・出産でずれ込んだのだが、それでも12年だけどね。ミラは相変わらず格好良いのだが、やはり14年の歳月は美しさより逞しさに偏ったな、と言う感じ。本作ではモデルのローラが序盤に出演している。オーディションで採用されたと言うが、前作の中島美嘉と言い、日本市場を意識している感じが見え隠れする。作品としては、“ハイブに始まり、ハイブで終わる” というコンセプトで、かつての作中で見たセットがまた生かされていて、結構懐かしく、楽しく観られた。
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