銀幕日記 ~今宵の肴~

夜更かしの友である映画の寸評というか、何というか、つれづれなるままに(笑 

リンカーン/秘密の書

2020-08-31 00:07:34 | ら行
今宵の友は、2012年製作の「リンカーン/秘密の書」!
アメリカ南部の奴隷解放、南北戦争に勝利し国家分裂の危機を救ったとされる第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンが、実はヴァンパイア・ハンターだったという奇想天外な設定で描く、ゴシック・ホラー。原作は、セス・グレアム=スミスの小説“ヴァンパイアハンター・リンカーン” とそのまま。

農家の息子であるエイブラハム・リンカーンは、友人で黒人のウィルが雇い主であるジャック・バーツに暴行されている場面に出くわし、ウィルを守ろうとするが、それがバーツの機嫌を損ねてしまう。その夜、母ナンシーがバーツにより、原因不明の病にかけられ急逝してしまう。成長したエイブラハム・リンカーン(ベンジャミン・ウォーカー)は、母の復讐をしようとするが……という導入。

史実の骨子は守りつつ、肉付けはヴァンパイアで仕上げた作品で、アクションシーンも見応えがある。しかし史実に拘ったため、武器である銀斧を置き、政治的手腕で南部奴隷解放を訴えたりと、途中からリンカーンらしさを出すため、結構まどろっこしい展開にはなるのだが。ま、それを差し引いても面白く観られる。ただね、ヴァンパイアを倒せる武器は“銀” って、早い段階で分かっていたんだけどねぇ。
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魔法使いの弟子

2020-08-29 00:04:42 | ま行
今宵の友は、2010年製作の「魔法使いの弟子」!
アーサー王伝説に登場するマーリンとモルガナ・ル・フェイの設定を軸に舞台を800年後の現代に置き換えて、図らずも伝説の魔法使いの弟子にされてしまった青年の成長と戦いを描いたファンタジー・アクション。ディズニーの長編アニメ「ファンタジア」の中の1作である“魔法使いの弟子” へのオマージュもしっかり入っている。

幼い頃、新たなる指導者候補を捜しにNYに来ていたバルサザール(ニコラス・ケイジ)と出会ったデイヴは、目の前で魔法を見てしまった。しかし、当時の事は幻覚だったと結論付けて封印し、今では物理ヲタクの大学生となっていたデイヴ(ジェイ・バルチェル)の前に10年振りにバルサザールが現れ、弟子になることを強要して……という前振り。

荒唐無稽な設定だけど、魔法は時代を超えて科学になったのか? いや、科学は魔法なのか? と思わせるような流れがあったりと充分楽しめる作品。CG全開の映像、特にモップや箒で掃除のシーンは、ファンタジアを見たことがある人なら誰でも納得の出来だと思う。ベッキー役のテリーサ・パーマーは可愛いし、ちょっとしか出ないけどヴェロニカ役のモニカ・ベルッチは美しかったなぁ。
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ダイ・ハード/ラスト・デイ

2020-08-27 00:02:51 | た行
今宵の友は、2012年製作の「ダイ・ハード/ラスト・デイ」!
何故か本人が意図しないうちに大事件に巻き込まれてしまう不運でタフな刑事ジョン・マクレーンを主人公にしたシリーズ第5弾。今回は舞台をモスクワに移し、息子のジャックと共に大暴れするアクション大作。原題(A Good Day to Die Hard)は、ネイティブ・アメリカンの言葉 “It's a good day to die.”(=死ぬにはいい日だ)」をもじったもの。

3年間音信不通だった息子のジャック(ジェイ・コートニー)が、モスクワで殺人を犯し、裁判にかけられることになった。仲違いをしたままだったジョン(ブルース・ウィリス)は、休暇を申請し、ジャックに会うためにロシアを訪れる。裁判所の外で待っているジョンの側で突然爆発が起こり、その混乱の中でジャックと再会を果たすも、ジャックは政治犯のコマロフを伴っていて……という導入。

相変わらずド派手な演出(カーチェイス、銃撃戦、爆発等々)で、目で見る分には十分楽しめる。ただし、ダイ・ハードとして内容から判断すると、限定空間でボヤキながら孤軍奮闘するジョン・マクレーンが面白いのであって、相棒と何かをするというのは違うような気がする。やはりシリーズを重ねる作品は、観る側の同じ展開だとマンネリで飽きるし、本筋から外れるとガッカリするし、という心情を察して制作してくれると嬉しいのだが。
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スターダスト

2020-08-25 00:05:16 | さ行
今宵の友は、2007年製作の「スターダスト」!
越えてはならない“ウォール(壁)” の向こうに落ちた流れ星を手に入れるため、壁の向こう側にある魔法の国へ足を踏み入れた青年の冒険を描くファンタジック・アドベンチャー作品。原作は、現代のファンタジー文学界の最高峰に君臨すると称される英国のニール・ゲイマンのグラフィックノベル。

かつて、壁の向こう側に興味を持った青年が、壁を抜けて行った先である女性と一夜を共にした。それから9ヵ月後、青年の元にトリスタンと名付けられた赤ん坊が届けられた。18年後、成長したトリスタン(チャーリー・コックス)は、村一番の美女ヴィクトリア(シエナ・ミラー)に恋をし、彼女の気持ちを自分に向けるため、壁の向こうに落ちた流れ星を手に入れることを約束する。そして、禁断の壁越えをして行った先でイヴェイン(クレア・デインズ)という女性に出会い……という導入。

まあ、何と言うか、ベタベタのファンタジーで、突っ込みどころ満載の作品のため、構えることなく、2時間以上だが軽く観られる。重厚なファンタジーとは異なり、ノリも軽いのでそのつもりで観る必要はあるが……(苦笑)。相変わらずミシェル・ファイファーは妖艶さがあるし、ロバート・デ・ニーロも味のある役を演じているので、十分鑑賞に値する作品。
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ブラック・スワン

2020-08-23 00:08:52 | は行
今宵は2010年制作の「ブラック・スワン」!
NYで有名なバレエ楽団を舞台に将来を嘱望されたバレリーナであるニナ・セイヤーズ(ナタリー・ポートマン)が、同楽団の新規公演「白鳥の湖」でのプリマに抜擢されたプレッシャーから、徐々に心のバランスを崩していく様子を描いた心理スリラー。高い評価を得た反面、ナタリーのダンスシーンでボディダブル(替え玉)も論争になった作品。

ニナ(N・ポートマン)の所属するバレエ楽団は、演出家トマ(ヴァンサン・カッセル)の方針で、次の公演を『白鳥の湖』とすることに決定する。この演目のプリマが演じる“白鳥の女王” は、可憐で純真な“白鳥” と狡猾で妖艶な“黒鳥” の二役を踊り分けられねばならなかった。役が白鳥だけなら、ニナで決定なのだが、黒鳥をもとなると役不足は否めない状況に、新しくリリー(ミラ・クニス)がサンフランシスコから加入し……という設定。

刻々と変化していくニナの心理描写が凄いのは分かるのだが、題材がバレエのせいか、なかなか入り込めない感じがした。おそらく映画としては好みが分かれる作品と思う。一応、飽きずに最後まで観られたし、N・ポートマンは、バレリーナ役になりきって10kg減量したとかで、なかなかの肢体をみせてくれる。彼女目当てに観るのも良いかも。
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マシニスト

2020-08-21 00:07:47 | ま行
今宵は2004年制作の「マシニスト」!
初回限定アウターケース仕様。
不眠症に1年間苦しんでいる男が体験する世界を、暗号のような記号を随所に散らしながら描いたサイコ・サスペンス・スリラー。主演のクリスチャン・ベイルが30kgの減量をして臨んだ作品で、彼の鬼気迫る様相が各映画祭で話題となった。公開当時は、“メメント” とよく比較されていた。

機械工のトレバー(C・ベイル)は、ここ1年ほど不眠症に悩まされ、眠れない日々が続いていた。そのため、毎日の体重計測のメモ紙にも異常な減り方が記録されていた。それでも彼は毎日仕事に出かけ、娼婦スティーヴィーの元を訪れ、深夜の空港でウェイトレスのマリアと会話を交わす生活を繰り返していた。ある日、トレバーは自分の不注意から同僚に大怪我を負わせる事故を起こし……という設定。

いつの間にか引き込まれていく感じがする作品。“メメント” とは異なり、それほど時系列を崩していないので、理解しやすい。また、途中でドストエフスキーの「白痴」をアップにするなど、分かりやすい伏線もある。しかし、C・ベイルは、この減量もすごいが、その後4ヵ月でバットマン・ビギンズのオーディションのため元に戻したとか言われており、役者根性に感服。
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パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉

2020-08-19 00:07:15 | は行
今宵は2011年制作の「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」!
自由気儘な海賊:キャプテン・ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)が活躍する海洋アクション・アドベンチャーの第4作目。本作より監督がロブ・マーシャルになり、前3作の準主役級は登場せず、新たに黒髭役でイアン・マクシェーンや元カノ役でペネロペ・クルスが出演し、キャストは相変わらず豪華。

スペインとイギリスが“生命の泉” を巡って争っている中、かつてジャック(ジョニー・デップ)と幾多の抗争をくる広げた海賊バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)が英国海軍に属す公賊としてジャックの前に現れたり、かつての恋人アンジェリカ(P・クルス)が偽ジャックとして乗組員を募っていたりと、ジャックの周囲がきな臭くなってきていた。そして、史上最恐の海賊・黒髭の“生命の泉” を巡る航海に巻き込まれ……という設定。

何となくグルグル回りだした前3作とは、全く異なった一話完結のスタイルに戻り、すっきりした仕上がりの作品。アクションは若干弱くなったが、それでも物語の展開や海洋シーン、ジャックの良さは表現されていて充分楽しめる。最初の人魚が綺麗で怖い……。P・クルスは、相変わらず美しいので、キーラ不在のヒロイン枠を十二分に堪能。
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スノークイーン ~雪の女王~

2020-08-17 00:03:06 | さ行
今宵は2002年制作の「スノークイーン ~雪の女王~」!
初回限定アウターケース仕様。
デンマークの有名な童話作家アンデルセンの「雪の女王」を題材に、ほぼ原作に近い形で実写化した作品。原作では少年と少女の物語だが、本作では年齢を18歳まで上げてのファンタジー・ロマンスに仕上げてある。元々、TVドラマとして制作されたため、2部構成の3時間の長編で、日本劇場未公開。

幼い頃、冬に母親を亡くし冬嫌いになったゲルダ(チェルシー・ホッブス)の父親が経営するホテルにベルボーイとして雇われたカイ(ジェレミー・ギルバート)がやってくる。身分違いではあったが、二人が恋に落ちるのに時間はかかららず、互いに好意を寄せていた。いつものように夜のスケートをしていたとき、カイは目に痛みを感じ、その直後から人が変わったような言動をし始め……という導入。

2部構成3時間は長い。メリハリがあるならまだ良いが、無駄に尺を取った部分とかが気になる。特に原作に沿っているのは良いが、春の魔女、夏の女王、秋の山賊どれもが長く感じられてしまった。CGを使用した映像の出来は良いので、見ていて飽きないが、物語の進行がちょっとという感じ。雪の女王(ブリジット・フォンダ)の美しさを十分に引き出せていないのも気になるところ。
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ライラの冒険/黄金の羅針盤

2020-08-15 00:06:34 | ら行
今宵は2007年制作の「ライラの冒険/黄金の羅針盤(2DISC EDITION)」!
初回限定アウターケース仕様。
フィリップ・プルマンの児童文学ライラの冒険シリーズの第1巻「黄金の羅針盤」を実写化したファンタジー・アドベンチャー。本来なら、3部作構想だったが、北米カトリック連盟が「子供に対し無神論を奨励する映画だ」などとボイコット運動を展開したため断念されたという曰くつきの作品。当然、F・ブルマンは遺憾の意を返したが、制作中止となった。

オックスフォードの寄宿生であるライラ(ダコタ・ブルー・チャールズ)は、一心同体ともいうべき喋る動物の姿をした“ダイモン(守護精霊)” といつも一緒に居た。子供達が謎の組織に誘拐されるという事件が続発する中、友人のロジャーが失踪する。誘拐事件と関係があると推察したライラは、真実を教えてくれる装置アレシオメーター(真理計)を学寮長より託され、捜索に乗り出すのだが……という導入。

国際的神権政治により異端を抑圧する世界と言う設定の中で、それに異を唱えるライラの姿が前述の無神論推奨という流れになったようだが、八百万の神がいる国の人間からすると、そんなことを感じる事もなく、楽しく観られた作品。物語のテンポも良く、可愛いダコタも、妖艶なニコール・キッドマンも観られるし、個人的には満足だな。
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スリーピー・ホロウ

2020-08-13 00:08:11 | さ行
今宵は1999年制作の「スリーピー・ホロウ (DTS EDITION)」!
NY近郊で語り継がれている伝説をワシントン・アーヴィングが「スリーピー・ホロウの伝説」として小説化したことで広く知られるようになった“首無し騎士(Headless Horseman)” の話をティム・バートンが独自の脚色を加え、名コンビのジョニー・デップを主演に据えて映画化したゴシック・ホラー作品。

18世紀末、NY郊外のスリーピー・ホロウ村で連続して首が切り落とされた死体が発見されるが、頭部はどこにもないという猟奇的連続殺人事件が発生していた。NY市警の捜査官イガボット(J・デップ)は、科学捜査から得られた証拠を重要視するという考え方を持つ、当時としては異端の刑事であったが、この事件を解明し犯人を確保するために同村に派遣されるのだが……という前振り。

基本的にゴシック・ホラーなのだが、ファンタジーの要素やJ・デップのコミカルな言動と相まって興味深く観られる作品。相変わらずティムの作り上げる世界観というか映像は、独特でありながら、いつの間にか引き込まれてしまう。また、J・デップもオタク気質と幼少期のトラウマを上手く演じていて、やぱり好きな俳優の一人だな。因みに“首無し騎士” の話、アメリカでは誰でも知っているくらい浸透しているとのこと。
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バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生

2020-08-11 00:06:23 | は行
今宵は2016年制作の「バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生」!
「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズ第2作目で、スーパーマンの誕生を描いた“マン・オブ・スティール” の続編。隣接するゴッサムシティとメトロポリスを舞台にバットマンとスーパーマンというヒーローが各々存在し、その活躍や確執等々を描いたアクション・ヒーローもの。

ゾッド将軍の侵略を阻止したスーパーマンことクラーク・ケント(ヘンリー・ガヴィル)であったが、その際、バットマンことブルース・ウェイン(ベン・アフレック)の自社ビルを大規模破壊に巻き込んでしまう。ブルースは、多くの社員が死傷する姿を目にしたことから、スーパーマンを人類の脅威として警告し、かたやクラークは自己満足的自警を行使するバットマンを非難する記事を書こうとし……という設定。

あまりに有名な2大ヒーローの戦いは結構面白く観られるし、迫力もある。人間がいかに超人と同等に戦うか、ドキドキしながらの観賞。DCコミックの特長である暗さ、シリアスさをしっかり表現しているけど、場当たり的な展開がちょっと、という感じ。この後のジャスティス・リーグを意識しつつ、副題や映像の中にいろいろ盛り込んで仕上げた感じが満載。
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マン・オブ・スティール

2020-08-09 00:04:01 | ま行
今宵は2013年制作の「マン・オブ・スティール」!
誰もが耳にしたことのあるスーパーマン。そんな彼の誕生を描いた作品で、「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズ第1作目。スーパーマンの映画は今までに何作も作成されているが、それらのどれとも関連性はなく、物語の最初から描き直したリブート作品としてクリストファー・ノーランが原案、ザック・スナーダーが監督を務めた。

クリプトン星は過度の地下資源採掘により消滅の危機を迎えていた。ゾッド将軍(マイケル・シャノン)は元老院に対しクーデターを起こすが、ジョー=エル(ラッセル・クロウ)は協力を拒否し、自ら星と命運を共にする決断をする一方、で生まれたばかりの息子を地球へ送る。地球に到着した子は、カンザスのケント夫妻(ケヴィン・コスナー、ダイアン・レイン)の元で、クラーク・ケント(ヘンリー・カヴィル)として成長し……という展開。

スーパーマンの出自から描き直してある作品なので、何も知らずに観ても楽しめるし、過去作やDCコミックを知っているなら比較しながら観られる。ただ、比較して観る場合は、今までのスーパーマンのイメージからすると、ちょっとね。CG効果を全面に押し出した映像は迫力があるが、やりすぎ感もある。でも、これは次作への布石になっていることが後で判明する。
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セルラー

2020-08-07 00:03:50 | さ行
今宵は2004年制作の「セルラー (2DISC EDITION)」!
偶然に繋がった電話を軸に物語が展開していくクライム・サスペンス。原案が「フォーン・ブース」の脚本を手掛けたスリラーの大御所ラリー・コーエンで、これまた電話(今回はモバイルフォン)を題材にして、時間と共に上り詰めていく緊迫感をデヴィット・R・エリス監督が半端なく描いた作品。

ある日、自宅に押し入ってきた男たちにジェシカ(キム・ベイシンガー)は拉致誘拐され、とある家の屋根裏部屋へ監禁されてしまう。誘拐された理由も分からず、恐怖に慄くジェシカだったが、壊された電話を組み直し、外部への発信を試みる。何回か試すうちにライアン(クリス・エヴァンス)の携帯電話に繋がり、状況を説明するのだが、ライアンは半信半疑で……という設定。

サスペンスでありながら、カーアクションがあったり、コメディ的味付けがあったり、監禁系スリラーがあったり、とよくもいろいろな要素を詰め込んでいながら上手く仕上げたなという感じの作品で、一気に観ることが出来る。K・ベイシンガーの迫真の演技、売れっ子になる前のC・エヴァンスの演技も見もので、なかなかキャストにも良い面子をそろえた感が強い。
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ジョン・カーター

2020-08-05 00:05:36 | さ行
今宵は2012年制作の「ジョン・カーター」!
ターザンの作者として有名なエドガー・ライス・バローズの古典SF小説「火星のプリンセス」を原作としたSFファンタジー・アドベンチャー。「スター・ウォーズ」のルーカスも「アバター」のキャメロンも影響を受けたと述べるほどの原作で、初版は1917年と100年も前のもの。

世界各地を探検していた大富豪のジョン・カーター(テイラー・キッチュ)が突然急死し、甥のE・R・バローズには、遺産とともに一冊の日記が引き継がれる。その日記には、かつてジョン・カーターが、全宇宙を我が意のままにしようとするマタイ・シャンによって滅亡の危機に瀕していた未知の惑星バルスームに飛ばされたという驚愕の体験が……という前振り。

過去に2度ほど映像化(アニメと実写)の話はあったが、なかなか実現されなかった作品で、1世紀も前の内容とは思えないほど練られたSFもの。流石ディズニーが手掛けるとこうなるのか、という感じでわくわくしながら観られる。興行成績はあまり振るわなかったが、これがスター・ウォーズより先に制作されていたら違ったかもしれない。
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ヒューゴの不思議な発明

2020-08-03 00:03:58 | は行
今宵は2011年制作の「ヒューゴの不思議な発明」!
ブライアン・セルズニックの小説『ユゴーの不思議な発明』を原作とし、世界的巨匠のマーティン・スコセッシ監督が初めて手掛けた子供向けの本格ファンタジーとジョルジュ・メリエスを通しての映画愛を描いた作品。ジョルジュに関しては、ほぼ史実通りに描写されている。

パリのモンパルナス駅の時計台に隠れ住んでいる孤児のヒューゴ(エイサ・バターフィールド)は、亡父が残したノートとそれを元に機械人形を修復するという生活をしていた。ある日、駅の玩具屋で修復のための部品を盗もうとして店主のジョルジュ(ベン・キングスレー)に捕まってしまう。その際、ヒューゴのノートを見たジョルジュは、ノートを取り上げ、ヒューゴを追い返すのだが……という導入。

見事に1930年代を彷彿させる映像でつい見入ってしまう。ほぼ駅を舞台に繰り広げられる話の中に、子供向けファンタジーだけでなく、大人向け、特に往年の映画好きを意識したエッセンスを加味して仕上げてあるので、幅広い年齢層で観られると思うし、感じるところも老若男女それぞれ違うだろうな、と思われる作品。ただ、パリが舞台なのに英語なのはちょっとね。
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